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基本、世の中の役に立つことのないようなことばかりに情熱を燃やすオジさん。あまりお役に立…

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基本、世の中の役に立つことのないようなことばかりに情熱を燃やすオジさん。あまりお役に立つようなことは書くことができません

最近の記事

努力しなければ手に入らない肉体と、それを努力してまで得ようとする理由

筋トレやってると、よく「何を目指してるんですか?」とか「何になりたいんですか?」と聞かれることが多い。そのたびに言うのはただ 自分の必要とする肉体が欲しい ということなんだけど、これをなかなか理解してもらえない。ヨガとかマラソンならこんなこと言われないのに、筋トレしてるだけで「そんな無駄な筋肉身につけるために労力払うキチガイ」というような認識をされてしまう。 当然と言えば当然なんだが、それなら空手はどうだ。柔術はどうだ。あれやってる人らは効率の良い人殺しの手段を学んでいる

    • 嘘でも、そこに実がある。失われれば空虚になる。

      先だって東京で「DAIJOBU」という素晴らしいドキュメンタリーを観ることができたのですが、それから一カ月も経たないうちに、またも素晴らしいドキュメンタリーをヨーリーから教えていただきました。 それはNHKでやっている「ドキュメント20min」という番組の中の「ニッポンおもひで探訪-北信濃 神々が集う里で〜」という作品でした。 NHKは「ノーナレ」とか「ドキュメント72時間」とか、他局で出来ない番組を作る会社(非営利だからこそ出来るとも言えますが)なんですけど、この「ニッポ

      • ここがどこなのかどうでもいいことさ、なんて気になることが大事

         拝啓、ご無沙汰してますが僕はますます元気です。そんな軽い勢いで、ヨーリーが先日noteで取り上げていた「DAIJOBU」を観てまいりました。  人生フットワークが命、ということをモットーにしておりますが、映画を見に東京まで行ったのは実に久方ぶりであります。しかし、ヨーリーのサポートのおかげで無事に観ることが出来ました。  さらには映画以外にも幕末の侠客“小金井小次郎”の生まれ故郷である小金井を見たり、横田基地を見物したり、世田谷美術館にある魯山人コレクションの一部を堪能させ

        • 赦されること、赦されざること

          こないだ、サンライズ那覇の通りで飯を食ってたら、そこの通りの店員の女の子が、お客さんからパイナップルを貰ったような話をしてました。しかし、そのパイナップルは傷物で、その子は「悪くなったパイナップル食べてお腹壊さないかなー?」というようなことを心配しているのです。 しかし、県民的にはパインは腐る直前がまさに酸味と糖分が発酵してアルコールを帯びて発泡味さえ発する最高の食べごろです。そのことを伝えたところ「それって腐りかけじゃん、ヤダー!」と言われ一笑に付されたのでした。美味いのに

        努力しなければ手に入らない肉体と、それを努力してまで得ようとする理由

          大切なのはキレイな心

          二月の終わりからそれまで勤務していた病棟から違う疾患を扱う病棟へ移ることとなった。正確に言えば整形外科病棟から脳血管病棟への移籍だ。 それまでが骨折とか脊柱管の神経障害とかの患者さんとリハビリしてたのが、今度からは脳出血とか脳梗塞の患者さんとリハビリをすることになったわけです。 とか、そんな書き方をすると物凄く真逆な世界のように見えるけど、リハビリの世界で整形外科と脳血管というのは二大花形とも言えるような世界で、この二つが出来て一人前、みたいな言われ方をされる部門なんですよ。

          大切なのはキレイな心

          仏を作って魂を入れないのか、魂のない人が仏をつくっているのか

          首里城から離れた虎瀬公園にあった佐藤惣之助の「宵夏」の詩碑が首里城公園に二年前に移設されました。 かつて、ヨーリーと一緒に虎瀬公園であの詩碑を見た時に、なんの解説文もなくポツンと放置されていることに大層やるせなさを感じたことを今でも覚えております。 人気もなく、しかし堂々と聳えるその姿には威厳があふれ、濱田庄司の焼いた陶板とも相まって実に見事な佇まいでした。 こんな見事なものを誰も振り向きもせず、ほったらかしにしておくなんて酷いもんだな、と思っていたのですが、同じように考える

          仏を作って魂を入れないのか、魂のない人が仏をつくっているのか

          更地になりたい

          寅さんになりたい、って願望には、物凄く共感します。だって、ああいう「帰る家のある放蕩息子」みたいなポジションは誰しも憧れるんじゃないでしょうか?だから、あんな人気シリーズになったわけですし。 で、思うんですが「男はつらいよ」というシリーズは、放蕩者の車寅次郎という、家庭の枠に入りきれない人間が主役になることで成立している擬似家族的な物語なんですよね。 おいちゃん夫婦と妹のさくら、という血縁者はいるんですが、御前様に蛾次郎なんかは完全なる赤の他人ですし、裏の工場のタコ社長なん

          更地になりたい

          大食は強運の源

          極真空手の創始者である大山倍達は、弟子たちによく「大食は強運の源だ」と言っては焼肉を食わせたりちゃんこ鍋を振る舞ったりしていたという。 しかし、当時の大山家は貧乏暮らしだから、弟子たちにご飯を振る舞う度に奥様が大山倍達の一張羅の革靴を持って裏口から質屋に行き、金の工面をしていたようだ。この貧乏ながらも弟子たちに栄養を与えたことが、強い弟子を育てることとなり、そのことが空手団体として世界的な組織となった極真会館の礎となったことを考えると「大食は強運の源」という言葉はあながち馬鹿

          大食は強運の源

          壊して作る。作っては壊す。そして繰り返す。

          沖縄の鬼餅の昔話は諸説ありますが、最初に聞いた話は物心ついた時であります。人喰いになった兄を、妹が鉄入りの餅を食わせて退治した、という桃太郎のような英雄譚として親や祖母から聞かされた覚えがあります。 しかし、年齢を重ねて自分で本を読んで由来なんか知ることになると、ヨーリーが書いたような上の口と下の口のお話が出てくるわけであります。 そこでは、妹が女陰(ホー)を見せると兄は気が朦朧として、それを井戸だか崖だかに突き落とした、というお話が子供に聞かせられないもんだから、親たちはそ

          壊して作る。作っては壊す。そして繰り返す。

          大切なものは刺青のように残る

          外間守善さん、と呼んでいいのかどうか迷うところです。それは、外間守善さんの残した業績があまりに大きく、“巨人”とよぶに相応しい人物だ、と思っているからです。 俺もヨーリーと同じく外間守善さんのことは戦争体験記などでその存在を知っている程度でした。しかし、その体験記は、妹さんや兄を戦争で亡くされ、自身は沖縄戦の最激戦区であるハクソーリッジの攻防戦という、凄まじいもので、戦後の捕虜収容所での宮城嗣吉に関する豪快なエピソードなども含めて面白く読んだことを覚えています。 しかし、外間

          大切なものは刺青のように残る

          復活したものと失われたもの

          お誕生日の文章に対して返信をして無かったご無礼お許しくださいませ。カナダが五十を過ぎると年齢が若くなっていく、という風習があることに驚くとともに、俺がついにヨーリーの年齢を追い越すという逆転現象が起きたことに衝撃を感じております。 さて、話は変わって「パイナップルツアーズ」の三十周年デジタルリマスター公開、という実に嬉しいニュースに小躍り致しております。沖縄のさらに離れ小島の伊是名島で、どこの国にも属さない、あの時の沖縄の若者たちの作り出したエネルギッシュな作品は、未だに作ら

          復活したものと失われたもの

          人も馬も失われてしまった

          まさか平田弘史の漫画がカナダで出逢われるとは、凄まじい体験と発見をうらやましく思います。カナダで「将軍」撮影してる、ってのもまた凄い話ですけどね。 紅毛碧眼のスタッフに囲まれてチョンマゲのサムライやら着物のお方様たちがデカいセットで時代劇やってるんだから、もうパラレルワールドですよ。猿の惑星じゃないですか。 そういう意味で、前回の「将軍」は完全に海外プロデュースでしたけど、今回のは真田広之さんがプロデュースにも名前を連ねてるというのが面白いですね。日本人ならではの視点という

          人も馬も失われてしまった

          便利と不便、そして可能性

          最近、携帯でイラストなんかに手を出してみたらアプリの優秀さのおかげでそれなりに描けたりしちゃうことに驚いております。そこで調子こいてというか、やはり携帯の画面の小ささの限界というものを感じて、ついついiPadなんぞに手を出してしまったのであります。俺ごときの画力で。 で、デカい画面でお絵描き最高〜。とか言いながら相変わらずの俺のテイストな絵しか描けないわけですが、それなりに前より作業が進む。 さらには、前にKindleで買った漫画なんか読み返したらもう、あまりの読み易さに感

          便利と不便、そして可能性

          かっさらう人、さらわれる人

          人さらいにさらわれそうになったこともなければ、さらったこともありません。しかし、人たらしというか、あらゆる人の心をさらうような人に心当たりはあります。 ヨーリーの言う人さらいの方のように、俺の知る男ももう故人で、奇しくも弥生の産まれで、さらには俺の母と誕生日が一緒でした。 寂しがり屋で、人の集まる場所が大好きで、人を喜ばせるように振る舞い続けたあげくに、誰にも告げずに、忽然とこの世から姿を消しました。 仮にAとでも呼びましょう。Aは夜の街をつるんで遊んだ友人でした。彼がDJ

          かっさらう人、さらわれる人

          HB-101の無敵感を考えれば諸行無常も消し飛ぶのでないかい?

          花の色はうつりにけりないたずらに わが身世にふるながめせしまに そんな小野小町の和歌を添えた書簡をいただき、誠に恐縮の至りであります。添付されたドナルド・キーンさんの英訳がまた、英語が達者でない俺が読んでもこの歌の三十一文字に込められた様々な意味を余す事なく伝えようとしている素晴らしい訳だと思いました。いや、俺自体は中学生レベルの英語しか使えませんけどね。 とはいえ、小野小町しかり、喜撰法師しかり、さらには後の西行にしてもそうですが、世の無常を歌にする風潮がこの時期はあ

          HB-101の無敵感を考えれば諸行無常も消し飛ぶのでないかい?

          失われていくもの守られるもの

          沖縄では古くから「二月風舞」にんがちかじまーいと呼ぶこの時期、寒の戻りとともに風が吹き荒び、古き時代の言い伝えの正確さを思い知る今日このごろです。 那覇軍港の移設が予定されている牧港の“かーみじー”のことに言及していただき嬉しく思います。前にも沖縄の石と巨石信仰について書いた書簡でも触れましたが、沖縄に於いて古くから巨石は信仰の対象とされてきました。 あのかーみーじーもまた、「亀の瀬」が転じてかーみーじーと呼ばれ信仰の対象となった場所です。 ヨーリーが書いていたようにアフは青

          失われていくもの守られるもの