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読書感想文 『ツバキ文具店』

【ツバキ文具店】

・2017年本屋大賞第4位



ぽっぽちゃんは文具店を営みながら代筆業をしている。
彼女のもとには老若男女問わず様々な人から代筆依頼が舞い込んでくる。ぽっぽちゃんが依頼に対してどのように代筆したのかは読んでのお楽しみ。そこには日常に溢れている、人工的な文字にはない感動が待ち受ける。



手紙の文字には、いくらフォントを換えようと電子の文字には決して真似できない、書き手(依頼主)の表情が存在する。ぽっぽちゃんは依頼主の言葉に表情を与える才能があって、それはただ字が上手いのとは違う魅力がある。

そして、ぽっぽちゃん自身も代筆を通して、なかなか心を通わすことのできなかった先代である祖母への自分らしい感情と言葉を見つけ出す。最後、祖母に宛てた初めての手紙がまた良い。。




メインとしては、ぽっぽちゃんへの代筆依頼によるストーリーなのだけれど、この作品の魅力はそれだけでない。鎌倉を舞台にした本作中では、数多くの実在する飲食店が登場するのである。鎌倉と言えば言わずと知れた観光名所であるけれど、これを読んだらまだ行ったことない、素敵なお店の存在に出会うことができるだろう。個人的にその一つだった、「あのお店」の餡パンは先日行った時は時間が早すぎて、まだお店にパンが届く前で味わえなかった。悔しい。



いつか、この本を携えてぽっぽちゃんの住む鎌倉を巡ろう。そして、今度こそあのお店の餡パンを食べようと思う。



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