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Café&Meal MUJI の黒海苔と釜揚げしらすの白和え

日曜日、新宿ピカデリーで映画をみたので隣にある無印良品に買い物に来た。

映画を見るときは大抵ひとりなので、ひとりだ。

友人に貰って知った、無印のマサラチャイの美味しさが忘れられず、買い占めにきたのだ。あれは冬を幸せにしてくれる。お湯でも飲めるが牛乳に入れると至福。

で、何度もピカデリーには来ているのに、初めて足を踏み入れた無印良品の半地下で、さらにその下に無印のカフェレストランがあることを初めて知った。

本当に私はいつも何をみて生きているのだろう。

道順や新しくできた店の説明が分からなすぎて「いつも何見て歩いてるの?」と言われたことがあるが、自分でもそう思う。

何年、何度、スルーしてきたのか。

時間は折しも11時半。

新宿でひとりランチしやすい店を知らない私は、いつも新宿紀伊国屋ビル地下にあるレストランでささっと食べる。新宿ピカデリーに足繁く通う時期もあったのだが、いつも同じだなと少し飽きていたのだ。

新規開拓これ幸い、と、早速飛び込む。

でもさぁ。

いきなりオペレーションがわからねぇ。

入口に会計窓口があり、「先にお席の確保をお願いします」と言われたので、そうする。

前の人が銀色の三角形の置物を取っていったので、なるほどこれで席を取るのかと私も手を伸ばした。が、それに書いてある漢字が何種類があり、その意味がわからず、なんだか恐ろしくて、結局取らずに来てしまった。

後から観察してみるに、特に深い意味はないようだ。普通に使えばよかった。わからないと、こわくて、とりあえず逃げてしまう。野生の本能を発揮してしまった。ただのビビリだ。

テーブルには買ってきたばかりのマサラチャイが入った袋を置いて目印とした。

後から思ったけど、みんながこれやったら区別つかないよな……だってここは無印だもん。

そのためにあの銀色はあるんだろう。

自分の愚かさを恥じ入った。

で、注文なんだか、奥にあるカウンターキッチンで注文していくらしい。メイン+デリ3or4種、またはメインなしでデリのみ3or4種のセットと選べるらしい。

勝手がわからずひやひやし、慌ててメニュー表を手にした。が、列がするする動いてしまい、また慌ててメニュー表を元の位置へ。

しかし慌てることはない、ほどよく混んでいたのだから、並んでいるうちにケースに並ぶデリを見ておけばよかったのだ。

デリは看板に載っていないものもある

並びながら観察していると、どうやらケースの前で注文し、デリを選び、その場で盛ってもらうようだ。
ケーキ式定食なのだ、これは。

そして食事はその場で受け取るが、会計は出口で行うらしい。

なるほど。しかし、あまり他にないタイプなので、戸惑っているお年寄りもいた。
わかる。私も戸惑っている。

いずれ私もそっち側へいく。

で、私が選んだのがこちら。

一部正式名称は忘れてしまったが、

・【メイン】ピリから唐揚げ
・【デリ1】ひじきの和風サラダ
・【デリ2】黒海苔と釜揚げしらすの白和え
・【デリ3】干し野菜のサラダ柚子ごま風味
・【デザート追加】焼きプリン

調子に乗ってプリンまでつけてしまった。

だって滅多に外食とか、ひとり外出できないもの。

重みのあるお盆を慎重に席まで運ぶ。こういうとき、必ず一度はこぼす妄想が浮かぶのは私だけだろうか。
箸を落とす、ひと皿落とすぐらいならまだいい。全損したらどうしよう、ミントブルーのニットが汚れるな、とかこういう時だけ頭の回転は速い。

そして大抵そうなるように、無事席にたどり着いた。

ああ、ごはんだ、ごはん。

早朝、しがみついて寝ている息子をそっと剥がし、しかし再びしがみつかれ、上映時間を気にしながらまた様子を見て布団から抜け出し、着替え、メイクをし、まだ寝ている夫に声をかけ、息子の額にキスをし、朝マックをかっ込んで朝イチの映画を観た私の苦労が今報われる。

まずはひじきのサラダから。
うまい。
野菜がいっぱい食べられていいなぁ。

味噌汁も良い。普通に美味しいのが大事だ。

妊娠糖尿病になった影響で、汁物・野菜から食べる習慣になっている。

気がつけばひじきのサラダを平らげており、隣の海苔としらすの白和えにうつる。

う、美味い……。

なんだこれ美味い………。

美味い、毎日冷蔵庫に入っていて欲しい。

1週間毎日でも食べられる。

飽きるまで食べたい。

美味い。なんだこれ。

海苔か、海苔なのか?

海苔の香りがふわっと広がる。それを支える、白和えの食感。しらすもいる。

美味い、なにこれ美味い。

あぁ、これはちょっと最後までとっておこう。

好きなものは最後に取っておく派なのだ。

隣の干し野菜のサラダにうつる。
普通の切り干し大根では味わえない、ほどよい太さのポリポリ感。干し野菜独特の噛み心地。

好きだ……。

緑黄色野菜うれしい。

白和えを残してメインに移る。

ピリから唐揚げ。

ピリから。

私は「ピリから」なる言葉を信用していない。

「ピリから」ってどの程度辛いんだよ。辛いのが食べられる人の「辛くない」は信用ならない。私は辛いのが苦手なのだ。

しかし、一番人気とあるし、圧倒的に美味しそうだし、唐揚げが好きなのでつい頼んでしまった。

とりあえずひとくち。

ピリ。

うん、

ピリ。

これは「ピリから」ではなく、「ピリピリ」ではないか?

と思う程度には辛い。

ちくしょう、カレーも思ってたより辛い無印だもんな、と思ったが、食べ進めると、タレの甘みがご飯の甘みにマッチして、辛みが全く気にならなくなる。

美味い。

唐揚げは正義。

そして、ごはんだ。十穀米にした。
美味い。雑穀米すき。もぐもぐ噛む楽しみ。
広がる味。すき。

「普通」の一杯が結構あるなと慄いたのだが、唐揚げと、白和えを交互にいき、幸福を噛みしめながらぺろっと食べられてしまった。

ああ、米は良い。

米は良いのだ。米は良いものだ。子が産まれてから、米の良さを忘れてしまった。
いや厳密には忘れていないのだが、その存在が憎らしくもあった。

まだ幼い息子が身体中、テーブル中、床いっぱいに散らかした米つぶを見ると辟易する。
片付けたつもりが踏んでしまった時の足の裏の感触。柔らかいとぐんにゃり、乾いていると、鋭く痛い。凶器だ。
そして洗濯物を干した後のカゴに残る米つぶたち。いつの間にか布団に付いている米。
なぜ米が主食の国に生まれてしまったのかと本気で思った。

米に罪はないがしんどい。

そのため、時間がない朝はパンがちに、夜は私の心の余裕と相談してパンがちになった。
米は好きだ。でもしんどい。

カレーとか何かを掛ける系はまとまって食べやすいのでまだ良い。大抵汚れが落ちにくいやつだけど。全て一長一短。納豆ごはんも息子に大人気だ。

でも念入りに片付けてもなかなか納豆臭が部屋から消えないから、どこかに残っているのだろう。

米を食べるには相応の覚悟がいる。

そんななので、余計なことを考えずに、ごはんをゆったり噛みしめられるというのは、大変な幸福なのだ。

ああ、美味い。ごはん、ごはん、ごはん……。

やはり米は良いものだ。

調子に乗って頼んでしまったプリンも美味しかった。固めで、密度が高い感じだ。なめらか。

個人的にはもっと雑で、側面に穴とか開いてる感じのが好きだがこれはこれで良い。

ありがとう無印。

美味しい食事だった。

美味しすぎて、映画の感想や、海苔の魅力、ひと口ひと口の旨さについてつらつらと考え頭がぶんぶん動いていた。

今この瞬間考えていることを全部活字にできたら良いのに、今食事を中断するのはもったいなくて、とてもそんなことできない、ああ美味い、と食べ続けた。

海苔、海苔。今年の正月の帰省で義実家から餅とともにいただき、息子に一袋まるまる食われた海苔。「おにぎり食べたい」というから出したら海苔だけはがして食べられる、海苔。

貴方の魅力はなんと果てしないのだろう。

白和え、とても美味しかったです。

▽調べたら、なんとレシピが公開されていた。まじか。「黒海苔と釜揚げしらすの白和え」

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