見出し画像

解剖学だけじゃない。解剖生理学を学ぶ: 『 消化 』

基本を知るということは
自分の身体の特徴を知ること
自分の強みを知ることができるということです。

そして、体の基本を知るのに
必要な知識は解剖生理学です。
解剖学だけでは足りません。

解剖とは形を知ることこと。
そして生理とは動き・働きを知ること

このnoteでは、消化を学びます。


私たちが食べたものが
どう体に取り組まれているか知っていますか?

やせたいと言うクラアントに
どう説明しますか?

このnoteでは消化吸収のしくみを探ってみます。
また内臓の位置も知っていきましょう。

■消化器官は

消化に関わる器官として
口腔( 舌、歯など )・咽頭・食道胃・
小腸( 十二指腸・空腸・回腸 )
大腸( 盲腸・虫垂・上行結腸・横行結腸・下行結腸・S状結腸・直腸 )
があります。

とても多くの臓器が関わっています。

口から肛門まっすぐに伸ばすと、
全長約9メートルと言われ体の約6倍に相当します。
体の中に位置していますが、口から肛門までは
一本の筒なので’外’に触れている場所でもあります。

■食物の流れ

口から入った食物が
どのように消化管の中を
巡っているか考えてみましょう。
 
①口腔から食道まで:
まず、口から入った食物は
口腔の中で唾液腺から出た唾液と混ざり、
咀嚼運動で細かく刻まれ、咽頭を経て食道を通って胃に入ります。

②胃:
胃は食塊を一時的に蓄え、
胃液による消化と胃壁の蠕動運動によって、
食塊を粥状液(ドロドロの状態)にし、
少しずつ十二指腸という小腸の入り口に送ります。

③小腸:
小腸は、上から十二指腸・空腸・回腸
と続く細く長い管です。

糜粥は、ここで膵臓からの膵液、
肝臓からの胆汁と小腸液と混じり合い中和され、
その大部分が小腸を通る間に吸収され、吸収された
栄養分は肝臓に運ばれます。栄養分や必要な物質を搾り
とられた残りカスは、つぎの大腸に入ります。

④大腸:
大腸は、片仮名のコの字を
逆にしたような形をした管で、
盲腸、上行結腸・横行結腸・下行結腸・S状結腸・直腸と続きます。

この通路を通るうちに、
小腸から大腸に入った食べカスは、
水分を吸収されて、スープ状から固形状の糞便塊となります。

また腸には腸内細菌といって
数多くの菌が存在しています。

この菌働きにより、体に必要な
ビタミンを作ったり、ガスができたりします。

⑤肛門:
消化管の最後は肛門です。
固形状になった糞便塊はここから排泄されます。

■消化器官の意義

食物や水など体に
必要な物質を口から取り入れ、
それを活動するときのエネルギーや
体を作る原料としています。

消化器は、
この体外から体内への
食物の取り込み(摂取→消化→吸収)と
加工・再合成(代謝)を行い、
最終的に不要物を排泄している器官です。

私たちは、生命の維持、
活動のために必要な物質を食物として
外界から取り込む必要があります。

■口腔の構造

口の中に入った食べ物は、
顎の上下左右の運動によって噛み砕かれます。

この時、唾液の分泌も促進され、
舌、口唇、頬と共に働いて食べ物と良く混和され、
固形性が失われ、消化吸収を受けやすくなります。

また食物にくっついている小さな虫、
寄生虫などを咬み殺す役目を負っています。

■唾液腺とその働き

唾液腺は、腺の大小や部位によって、
小唾液腺(口唇腺、舌腺、頬腺、口蓋腺など)と、
大唾液腺(耳下腺、顎下腺、舌下腺)に分けられます。

これらの腺から分泌される唾液には、
プチアリンという酵素があり、
これにより炭水化物の一部を
分子量の小さいデキストリンや
麦芽糖に消化・分解します。

また、唾液は口腔内を潤し、
食物の咀嚼を潤滑にし、嚥下しやすくするとともに、
口腔内の浄化・殺菌にも役立っています。

胃の調子が悪い人は
良く噛んで食べてない人が多いです。

しっかり噛むことで食べ物を
栄養に分解しやすく、殺菌してくれるため
胃の負担を減らすことができます。

■舌と味覚

舌の大部分は、
横紋筋性の舌筋からなる器官です。
横紋筋は筋肉の分野でも説明しますが、
簡単に話すと自分の意思でも動かせる筋肉です。

舌は微妙な運動性に富み、
食物の摂取・咀嚼・嚥下
と共に味覚や構音に関係します。

食物を噛む際、
また飲み込む際に無意識に複雑に
動き食物を食道に送る手助けを行います。
飲み込む際は舌は前から後ろに動いていきます。

■食道の構造

食道は、約25cmの細い管で
縦隔の後部で気管の後ろを通り、
胃の噴門に連なります。

食道の入り口、気管分岐の部分、
そして横隔膜を貫く箇所の3箇所で狭くなっており、
生理学的狭窄部(もともと狭いということ)と呼ばれ、
食べ物の通過障害を起こしやすいです。

■食道の蠕動

運動輪走筋と縦走筋が
秩序正しく収縮・弛緩します。

食塊の進む方向の筋肉が緩むと
同時に後方の筋肉が収縮し、
この運動の波は下方に伝わり、
食塊を青虫が動くように胃の方に押し進めます。

無重力の宇宙船の中でも
食事ができるのはこのためです。

この運動を蠕動運動と言い、
消化管の基本的な運動方式です。
飲み込んだ食塊は5~6秒で、
水などの液体は約1秒で胃に達します。 

■胃の構造

胃の形は、一般的にアルファベットの
Jのような形で、空腹時には約50mlほどの
容積しかありませんが食べ物が入ってくると
ほぼ1.8lほどの容積まで広がります。

胃は横隔膜の下にあり、
その3/4は左に寄り、1/4は右側にあります。

胃の入り口を噴門、
出口を幽門といい、
腹壁に固定されています。

また胃は左上から右下にかけて斜めに
存在しているため構造上、横向きに寝るときは
右下向きに寝たほうが消化に良いとされています。

欧米人に比べ胃が弱いと言われる
日本人は胃液が下に流れにくい構造を
しているとの説もあります。
おそらく土地柄や文化上、菜食が多い日本人が
消化しやすいように胃の形が適応したためでしょうか。

■胃の役割

胃の運動によって、内容物はチューブから
絞り出されるような形で、少量ずつ小腸の
入り口の十二指腸に送りだされます。

この移送時間は
食塊によって異なります。

成人の胃が空腹状態になるまで
約5~6時間かかかると言われています。

良く噛まれた食べ物は
筋層の胃筋運動と胃腺から
分泌された胃液によって、
粥状(ベチャベチャな塊)になります。

タンパク質はペプシンによって
消化分解され、また強い胃酸は口から
入った細菌などを殺菌したり、鉄やカルシウム
ビタミンB12の小腸での吸収に役立っています。

胃では食べ物を溶かすことが
主な仕事で、吸収作用はほとんどなく、
水、アルコール、ブドウ糖などが
わずかに吸収されます。

胃の中で出ている胃酸は
強力な酸であるため、
胃は常に自分を守る粘液も出しています。
このバランスが崩れた時に胃潰瘍などになってしまうのです。

■肝臓の構造

肝臓は人の体の中で
最大の腺で、重さ約1200g(体重の約1/50)の
赤褐色をした臓器です。

少々の障害を受けても
症状が現れない我慢強く沈黙の臓器と呼ばれます。

再生能力が高く、
少々の障害であれば回復します。
肝の障害が80%に及んだときに、
初めて機能不全になると言われています。

肝臓の位置は、
腹腔の右上部で横隔膜の直下にあり
右葉と左葉の二つに分かれます。

■肝臓の働き

①胆汁の生成

胆汁は、肝細胞から生成され、
十二指腸へ排出されます。

胆汁には、消化酵素は含まれませんが、
脂肪の消化吸収を始め、脂溶性ビタミン(A・D・E・K)、
鉄やカルシウムの吸収に欠かせない胆汁酸が含まれています。

胆汁酸は、肝臓で
コレステロールから作られます。

胆汁酸の役割は油と水を混ぜる『乳化』
を促すことで、洗剤の中の界面活性剤のようなものです。

②栄養素の貯蔵と加工

肝臓に送られてきた栄養素を
貯蔵したり、自分の体に適合した形に
加工・再合成し、必要に応じて血液を
介して全身に送り出します。

私達が牛肉や豚肉など色々な肉を
食べてもちゃんと自分の筋肉や組織に出来るのは、
肝臓のこの働きのおかげです。

③解毒作用 

老廃物や、からだの中から
取り込まれた様々な有害物質を、
分解・抱合などにより、無毒化して
胆汁と尿と共に排出します。

なおアルコールの代謝も肝細胞で行われます。

アルコールは酵素の働きによって、
まずアセトアルデヒドに、次に酢酸になり
最終的には炭酸ガスと水にまで分解されます。

酵素が少なかったり、
アルコールの摂取が多すぎて、
肝臓の処理能力以上になると、
中間代謝産物のアセトアルデヒドがたまり、
これらが頭痛や吐き気などの諸症状の原因となります。

④生体防御作用

生体防御に必要な免疫グロブリンなどを作ります。

⑤血液凝固作用物質の産生

プロトロピンやフィブリノーゲンなど
の血液凝固に重要な役割を果たす物質の大部分を産生します。

⑥造血・血液量の調節

血液を貯蔵し、必要に応じて
放出する役割を持っています。

また、赤血球を作る上で
大切な鉄の貯蔵や抗貧血因子の
ビタミンB12の貯蔵も行っています。

逆に、寿命のきた古い赤血球を破壊し、
鉄を貯蔵しビリルビンを作り排出します。

この他に各種ビタミンの貯蔵や
体温保持など、肝臓は様々な大切な
役割を担っており、以上の代謝に関与する
酵素の数は、一説には500種類にものぼると言われています。

■門脈という特殊な血管
胃・小腸・大腸・膵臓や
脾臓からの静脈血は、門脈に集められ、
肝臓に送られ、肝臓内で再び毛細血管を作った後、
肝静脈となり下大静脈から心臓に戻ります。

吸収した栄養分や代謝産物などが、
直接的に体の組織へ運ばれて過剰に
利用されないようにします。

あるいは有害物質が直接全身に回らないように
一旦、肝臓に血液を送り代謝処理する為の特別な通路です。

門脈は肝臓に入る血液量の約4/5を占めています。

■胆道の構造

胆道は、肝臓で生成された胆汁を
十二指腸へ運ぶ胆管と胆のうからなります。

胆のうは、肝右葉の下につく
長さ約8cm、容積約50mlのなすび型をした袋で、
胆汁を一時貯蔵し、水分を吸収して濃縮します(約8倍)。

脂肪性食物が十二指腸粘膜に触れると、
分泌されるコレシストキニンというホルモンに
よって収縮し、胆汁を排出します。

胆管は、胆細管→小葉間胆管→肝管へと集合し、
胆のうからくる胆のう管と一緒になって総胆管となり、
十二指腸へ開口します。

■胆汁の役目

胆汁には消化酵素はありませんが、
胆汁酸は脂肪の消化吸収に必要です。

胆汁酸は、脂肪の乳化を促して酵素作用を
受けやすくするとともに、リパーゼを活性化します。

また脂肪酸と結合して水溶性のミセルを作り、
腸管から吸収されやすくし、小腸の蠕動を高めます。

腸内に分泌された胆汁酸の90~95%は
小腸で再吸収され肝臓に送られます。

胆汁色素やコレステロールは、
物質代謝産物であって消化吸収に関係せず、
一種の排泄物です。

胆汁色素は、ビリルビンといって
赤血球が脾臓や肝臓で破壊されたとき、
血色素から出来たもので、ウロビリノーゲン
となって大便や尿の色を黄色にします。

また肝臓内でコレステロールから
胆汁酸やビタミンDの前駆体が生成されます。

■膵臓の構造

膵臓は、胃の裏側で腹膜で作る網嚢を隔てて腹壁の後ろに位置し、長さ約15cmの細長い金槌型をした約70gの臓器です。

・膵臓の役割

膵臓は強力な消化酵素を含む
膵液(弱アルカリ性)を十二指腸に一日約1ℓ分泌します。

また膵臓内に散在する
約100万個の小さなランゲルハンス島からは、
血液中のブドウ糖を調節するホルモンのインスリン
とグルカゴンを、血液中に分泌します。

ちなみに膵臓では
三大栄養素全ての分解を促す作用があります。
暴飲暴食では膵臓が疲れてしまいます。
またアルコールでも膵臓は疲れます。

インスリンについて

糖尿病が広く認知されるようになり、
インスリンの言葉もよく聞くのではないでしょうか。

インスリンは糖の吸収に関して
とても重要な役割を果たします。

インスリンは血糖値を
下げる役割があります。

その本質は血管から
細胞にブドウ糖(砂糖)を運ぶことです。

筋肉や細胞が動くためには
このブドウ糖が必要になります。

糖尿病とはこの作用がうまくいかずに
細胞に栄養が足りていない状態のことです。

血液中に糖が多くあると
血管をボコボコにしてしまい、
血管に由来する色々な病気
例えば、高血圧、動脈硬化、脳血管障害、
心筋梗塞などのリスクが高まります。

■小腸の構造 

小腸は、十二指腸から始まり空腸、
回腸と続く、細く長い全長6~7mの管です。

小腸の内側を広げるとテニスコート1面の
4分の1ほどの面積になるともいわれています。
消化・吸収の90%以上を行う最重要部です。

■小腸における消化・吸収作用

小腸の内壁には、
絨毛というビロード様の
無数の小突起があります。

絨毛があることによって、
表面積が大きくなり、
より多くの栄養素を吸収できます。

腸絨毛は体に必要な
ほぼすべての物質を吸収します。

分解された栄養素は
この絨毛からリンパ管や毛細血管に吸収されます。

■門脈

小腸で吸収された
脂質を除いた栄養素は
まず小腸の粘膜の下を走る
毛細血管に入り、毛細血管は集まって、
門脈という太い血管となり肝臓に運ばれます。

肝臓にまず運ばれる理由は、
解毒を行うためです。

■十二指腸

小腸の中の十二指腸は
胃と小腸の間にあります。

「人の指を12本分並べたくらいの長さ(約25cm)」

ということから
この名前がつけられています。

小腸での消化酵素が働くのは
中性~弱アルカリ性の時で酸性のまま
ではうまく働きません。

そこで十二指腸で
アルカリ性の膵液と胆汁が、
胃から送り出されてきた
酸性の食べ物と混ざり、中和されます。

十二指腸では消化液が
混ざり合う場所のせいか
硬くなっている人が多い印象を受けます。

■大腸の構造

大腸の直径は、
小腸に比べて約2倍
最も太いところで5~7cmです。

全長で約1.6mの管で小腸より短く、
小腸をぐるりと取り囲んだ位置にあります。

大腸は、盲腸、結腸、直腸に分かれ、
盲腸にはリンパ節多く含む虫垂があります。

さらに結腸は、上行、横行、下行と
S状に分類されます。

蠕動運動は大腸にも認められています。
加えて腹筋を使うことにより
腸のマッサージになるためより活発に腸は動きます。

■大腸の働き

大腸は消化作用はほとんどなく、
水分を吸収して糞便を形成し、
排泄するのが役割です。

粘膜から分泌される大腸液は粘液に富み、
アルカリ性で消化酵素はほとんどありません。

粘液は、粘膜の保護と
内容物の円滑な移送を助けます。

大腸では、ナトリウムや
塩素などの吸収、マグネシウム、
カルシウム、鉄などのリン酸塩や硫酸塩として
排泄し、また腸内細菌叢による生物学的作用があります。

腸内細菌(腸内フローラ)

   

腸内にはたくさんの菌がすんでいます。
それが腸内細菌と呼ばれるものです。

大まかに3種類の菌がいて、
悪玉菌、善玉菌、日和見菌に
分けることができます。

簡単に説明すると、悪玉菌が多いと
腸内は腐りやすく、便やガスが臭くなります。

反対に善玉菌が多いと腸内は
快適で便がスムーズ、臭いガスはあまりできません。

腸内環境は赤ちゃんが
産道を通るときに産道を舐めて
発達していくとされています。

生活の乱れ、暴飲暴食や
抗生物質などの服用にて
腸内環境は荒れると言われています。

■排便のコントロール

内肛門括約筋は、
自律神経で支配され、
筋肉を緩めるように働く副交感神経と、
収縮させる交感神経が互いに張り合いながら働いています。

外肛門括約筋は、
随意筋で、意識的に肛門を
閉じたり緩めたりすることができます。

私たちが3度の食事ごとにトイレに
立たなくて済むのはその為です。

■排便のしくみ 

糞便は、通常下行結腸から
S状結腸にたまっていて直腸は空虚です。

①大蠕動や糞便自体の重みで
直腸内に糞便が送られると、

②直腸壁の伸展と内圧亢進を
壁内の圧センサーが察知し、

③その情報が仙髄にある排便中枢
ならびに延髄や大脳皮質などにある
上位中枢に送られ、

④便意が起こります。すると、

⑤反射的に交感神経の緊張が
取れ副交感神経のを興奮させ直腸蠕動を
促進し内肛門括約筋を緩め、

⑥上位中枢は陰部神経を
介して外肛門括約筋の意識的弛緩と
腹圧の上昇を起し、

⑦糞便が肛門から
排泄される仕組みになっています。

■女性に便秘が多い理由

女性に便秘が多い
理由はなんでしょうか?
いくつか理由が考えられます。

○女性は男性と比較して、骨盤が広い
 そのため腸は骨盤に落ち込みやすい。

○女性は男性よりも筋力が低い。
 排便を行うためには、腹筋や横隔膜の筋肉が必要です。

○黄体ホルモン影響
 ホルモンの影響で腸内で水分を積極的に吸収しようとする。

つまり、便の水分が奪われて硬くなってしまう。
こういった理由により便秘になりやすいのです。

消化に関して

■炭水化物の消化

でんぷん(多糖類)は
唾液中の消化酵素(プチアリン)に
よって、まず一部がデキストリンを
経て麦芽糖(2糖類)に分解されます。

この消化は食べ物が胃に移送された後も、
酸性の胃液が食べ物に十分染み込むまで続きます。

糜粥が胃から小腸に移動すると、
小腸液と膵液の消化酵素で、
デキストリンや麦芽糖になり管内消化されます。

さらに膜消化によって、麦芽糖、ショ糖、
乳糖はブドウ糖、果糖、ガラクトース(単糖類)
にまで消化され小腸粘膜上皮細胞から
門脈を通って肝臓へ移動していきます。

■タンパク質の消化

タンパク質は、
胃に入って初めて胃液によって
消化されて、ペプトンになります。

小腸では、膵液と
小腸液の消化酵素によって、
ポリペプチドはオリゴペプチドにまで
消化され(管内消化)、ついで膜消化でアミノ酸となって、
小腸粘膜上皮細胞から門脈を通って肝臓に運ばれます。

■脂肪の消化

脂肪は、十二指腸に
達するまで殆ど消化されません。

十二指腸でまず胆汁と
混ざりあい胆汁酸によって
脂肪の表面張力をさげて乳化され、
リパーゼの作用を受けやすくなります。

これは消化しやすくなるための準備段階です。

その後、膵液と小腸液中の
脂肪消化酵素(リパーゼ)によって、
グリセリンや脂肪酸、モノグリセリドなどになります。

脂肪消化に最重要なのが
膵リパーゼで腸液内のリパーゼはごく少量です。

次に脂肪酸とモノグリセリドは
胆汁酸の作用で、吸収されやすい
水溶性の球形集合体のミセルを形成し、
拡散によって細胞内に入ります。

このミセルと管内消化で
吸収されたグリセリンは、
タンパク質とコレステロール
からなるリポたん白の膜で覆われた
カイロミクロンとなり、リンパ管を経て肝臓に移動します。

脂肪の消化吸収には
どうしても胆汁酸が必要
です。

胆汁が腸管に出にくく
黄疸になったときや膵炎のときに
脂肪の摂取を制限するのはこのためです。

■脂肪を燃焼させるには

食物から摂取された栄養素、
体脂肪として蓄積された脂肪、
筋肉や肝臓に蓄積されたグリコーゲンは
グルコース、脂肪酸、アミノ酸に分解されます。

その後、血液により身体の主要な臓器、
筋肉などに運ばれそれぞれの細胞の
ミトコンドリアにおいて分解されATPの生産に利用されます。

但し、この過程(エネルギー代謝)は
体内のATPが不足した状態にならないと
活発に行われません。

逆にATPが十分に存在する場合は
グルコースとアミノ酸までも脂肪酸合成系で
脂肪酸に変換され体脂肪として蓄積されてしまいます。

結局、ATPを不足させないと
脂肪は消費されません。

私達の体は精緻な調整機構が
働いており、これはエネルギー代謝においても同じで、
必要以上にATPを生産することはありません。

ATPを減少させるには、
当たり前ですが運動などにより
積極的にATPを消費することです。

脂肪の代謝において
もう一つ重要なことがあります。

クエン酸回路のオキサロ酢酸という物質は
グルコースの分解により生成されます。

即ちオキサロ酢酸がないと
クエン酸回路はスムーズに働きません。

従って脂肪を燃焼させるには、
グルコースが必要ということになります。

ダイエット中においても、
食事では身体を維持するのに
必要な量のタンパク質ばかりでなく、
炭水化物も必要量摂取しなければなりません。

■姿勢と内臓の関係

筋肉のバランスが崩れると
骨盤が崩れてしまい、その中に
収まっている腸も捻れてしまいます。

すると腸の動きが悪くなり
便秘がちになる可能性が考えられます。

ピラティスなどの運動や施術で
筋肉のバランスを整えることが
スムーズな排泄を促すことが想像できましたか?

また姿勢が悪いことで
内臓の位置が変わってしまうことも
想像できると思います。

運動で姿勢を整えることは
見た目をよくするだけでなく
見えない体の奥にまで影響するのです。

本日のnoteは消化でした。

0ホメオスタシス
1呼吸
2循環
3消化
4筋肉・骨
5皮膚
6感覚・神経
7脳・脊髄
8ホルモン(内分泌)
9自律神経
10小便・大便(泌尿器)
11生殖、12免疫

次回は、筋肉・骨について
お話ししていきます。

今日はここまで

もう逃げない。ここで学ぶ!

「スキ」をポチッとして次の記事へ。
小さな行動を起こすことが大きな目的につながります。
【次の記事】

【以前までの記事】

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?