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読書記録。

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試験も無事終わり、少しずつ読書を再開しています。ジャンルは小説、エッセイ、レシピ本。どれも短い感想ばかりですが読書記録として残してみることにしました。


彩瀬まる 『まだ温かい鍋を抱いておやすみ』

「食」にまつわる6つの物語。心もお腹も満たしてくれるようなごはんとうっとりとするような比喩の数々。作中にはほろ苦さも感じる描写もあり、弱さも孤独もふわりと優しく包み込んでくれるようなあたたかい短編集でした。

個人的には「シュークリームタワーで待ち合わせ」と「ポタージュスープの海を越えて」が好きです。育児をすると料理に対する考え方も変わっていくのかな。家族のために作る料理も、傷ついた人を癒すための料理もどちらも等しく尊い。

久しぶりの彩瀬まるさんでしたが、他にも読んでみたい小説があったことを思い出しました。

渡辺有子 『渡辺有子の家庭料理』

料理家である渡辺有子さんの季節ごとの覚え書きとレシピをまとめた1冊。

表紙のカレーが美味しそうで手に取りました。渡辺さんはカレーを作るとき、にんじんを半分すりおろして入れるそう。さっそく試してみるといつもより甘みが増して美味しくなりました。(牛乳は入れませんでした)

他にもわたしは焼きそばに冷蔵庫の残りものをどさどさと入れてしまうのですが、渡辺さんは焼きそばに具をあまり入れないとのこと。ジャガイモ以外で作るコロッケとかタラとシソとチーズの春巻きとか……とにかく真似してみたくなるものばかり。

餅とトマトの卵炒めも衝撃的でした。「猫耳」というショートパスタのような中華の粉ものがありそこからイメージを膨らませたのだそう。猫耳という食べものも知らなかったので勉強になりました。いつか食べてみたいな。猫耳。

今井真実 『いい日だった、と眠れるように 私のための私のごはん』

料理家である今井真実さんの暮らしの中にある四季のレシピと一年を通した食卓まわりのお話が美しい写真と共に綴られています。

食べたいものを自分の手で作ることができるという「自由」。この言葉が沁みました。

「ああ忘れがたき愛しの酢豚」を読みながらそういえば最近酢豚を食べていないなぁと思ったり。今井さんが紆余曲折を得て完成させたレシピで作った酢豚をハフハフしながら頬張りたいです。(スーパーでミツカンの純玄米黒酢を買ってこよう!笑)

「夫の料理」では思わずくすっと笑ってしまいました。1人300gのハンバーグって……旦那様、凄すぎます!想像しただけでお腹いっぱい。でも美味しいんだろうなぁ~。

伊吹有喜 『彼方の友へ』

戦前~戦後の少女雑誌の出版社が舞台の物語。雑誌作りに情熱を注いだ人達のドラマに胸が熱くなりました。

作中では主人公である佐倉波津子の現在と過去が行き来するのですがエピローグの奇跡のような出来事に思わず涙が出てしまいました。佐倉と有賀の結末はどうなるのだろうと思いつつ読み進めていましたが、佐倉の元に詩が届いて本当によかった。

400頁以上ある作品(文庫だと500頁?でしょうか)なので読み切ることが出来るのだろうかと思いましたが杞憂でした。始まりから物語に引き込まれ一気に読了。こんなに物語に没頭したのっていつぶりだろう?とにかく面白かったです。

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