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リーダー・組織・人間…①「正論じゃあ人は動かない」

「正論じゃあ人は動かない」

元上司がよく言っていた言葉だ。

大変お世話になった方で、私が考える「組織」はこの人の影響が大きい。
とても面白く、すごい人だった。

何がすごいかと言うと、例えば、何かに怒っている人がいたとしよう。
同僚と諍いがあったのか、顧客と何かあったのか、理由はなんでもいいが、とにかく怒っている。
いや正確に言うと、怒り狂っている。

元上司はそんな人を「ちょっといい?」と個室に手招きし、二人っきりになる。
そして2〜30分が経過する。
そして個室の扉が開く。

なんと言うことでしょう…笑っている。
あんなに怒っていた人が笑っているではないですか。

なにぶん血気盛んな職場なので、こう言ったことが日常茶飯事だった。
そのため当時はもはや当たり前の光景だったが、今振り返ってみるとすごいことだと気付いた。ので、記録として残そうと思う。

「一体どんなことをしているのか」
飲みの席で聞いたことがある。
が、「特に大したことはしていない」のだと言う。

んな訳あるか!
と思うので、少し聞けた彼の持論と、私の推察を織り交ぜてお届けする。

彼の持論:人によって響く言葉が違う

人はみんな「他人にこう思われたい」という願望を持っているから、その願望に合わせた伝え方をしているらしい。

例えば私だと、彼曰く「ありがとう」とか「助かるわ」とか言われたい願望を持っているらしく、お願い事をされるときは「頼む」と言われ、やり終わると「いいやん!」「ありがとう」「助かったわ〜」とかなり言われた記憶がある。
そうなると調子にのって「せやろ?ぐへっ。次もバッチコイ」となっていた。

それが私の右隣にいたちょっと小難しい人になると、「相談があんねんけど、これ、どうしたらいいと思う?」とちょっと表現が変わる。
この人の場合だと、この<相談>というキーワードが肝で、私のように「頼む、やって」→「ガッテン承知!」とはならないタイプの人向けで、


「どう思う?」という相談ベースから入ることで、「なんや、おう、ひとまず聞いたろかい」とまずは顔を自分側に向けることから入る。
そして、一通りの要件を話して「こうした方がいいんじゃないか」というところまで引き出す。
その時必ず「なるほど」という。(←これ大事。この言葉があることで一気に承認欲求が満たされる)
そして一呼吸置いて「これ、やってみてくれへんかな」という。
<相談>→<お願い>の2ステップ踏むことによって、相手は命令された感じがなく、スムーズに受け入れてくれていた。

そして、私の左隣にいたノリが軽い営業マンさんは、「頼むわ〜これできるのお前くらいやわ〜」と言われていた。
言われた人は「そうか、俺にしかできないのか。そうか。は〜ん。やるか」とやっていた気がする。

確かに私もこう言われたかった

その時は「そんなもんかな?」なんて思っていたが、
人によって響く言葉が違うんだなと実感した実体験がある。サバ美のことだ。

サバ美は指しゃぶりが大好きで、3Dエコーでも指をしゃぶっていたので、もうこの子はこんなもんと思っていた。

案の定、それは誕生後も変わらず、サバ夫さんの両親と初対面した時も絶好調でしゃぶりまくっていた。

「わぁ」「かわいい」なんて言っていただいたが、サバ夫さんがトイレに行った隙に言われた言葉が今でも忘れられない

「指しゃぶりはさせるな」
「おしゃぶりなんて絶対させるな」

先ほどとは打って変わったドスのきいた声にビビりまくり、おしゃぶりをゴミ箱に捨てたことを覚えている。一生忘れないだろう。それも息子がいない隙に言うなんて〇*※+〇▼

その後、この一件はあんまりにもしつこく言われるので、私もキレてしまったのだが…。もっと別の言い方をされたらまた状況が変わっていただろうなと思う。

保育所に通い始めたら、たくさんの人が触るおもちゃで遊んでそのまま指しゃぶりしちゃうよ。だから風邪とかいっぱいもらってきちゃうからね。気を付けた方がいいよ

こんな風に言われていたら、私はきっと指しゃぶりについてもっと深く考えたと思う。
①サバ美の身体のことだし、②私の仕事復帰にも影響する言葉だからだ。

指しゃぶりは歯並びに大きく影響するので、やめさせた方がいいことはわかるし、確かに正論だと思う。

でも、その正論を突き付けられても頷けないのだ。初めての子育てでいっぱいいっぱい、子供に無理をさせても嫌だ…いろんな状況がある。

正論じゃ人は動かない。おっしゃる通りだ。

(少し長くなりそうなので今回はここまで。次回に続きます。)


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