彩美 saimi

子育てがひと段落し、亡父の詩集を電子書籍にて発表。短歌を詠みます。現在歌集を編纂中。珈…

彩美 saimi

子育てがひと段落し、亡父の詩集を電子書籍にて発表。短歌を詠みます。現在歌集を編纂中。珈琲と日本茶を愛しています。珈琲を美味しく淹れる日本茶インストラクター。https://www.amazon.co.jp/dp/B0B3RGVHD3

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    わたしが「おもしろっ」て思った記事ばかり集めて保存しました。

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    仏文学に憧れた昭和の文学青年の詩です。 詩を書くこととは宇宙との対峙であること。 直向きに言葉を紡いだ渾身の詩群です。

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昭和の文学青年。南信州に生きて仏文学を愛した亡き父が、麻痺の残る手で編んだ最後の詩群を読んで欲しい!

七〇歳で亡くなった父は晩年、脳梗塞から認識障害を患い、一時は娘の私の顔も分からないほどでした。目の前の物体が何かは分かっても、言葉が上手く出てこない、左手の麻痺が残る。そんな中で自分の最後の詩集を編もうと、それまでの作品や手紙、資料を拾い集め、切り貼りして本当に手作りの詩集を作りました。 父は高校を卒業後、仏文学を学びたいと大学進学を希望したものの、長男の責務から東京への進学を断念。地元の印刷屋で働いたのち、自分で小さな印刷屋を始めました。 私が学校から帰ると、印刷工場で

    • 歳を重ねるからこそ、得られる美しさとは。

      日曜日、本を読んでいて、とても素敵な詩に出逢いました。 絶対、私以外のたくさんの人にも知ってもらいたいと思いました。 それは「時を超えた美しさの秘密」という詩です。 この詩はアメリカの詩人、サム.レヴェンソンが孫娘に贈ったもので、 オードリーヘップバーンがこよなく愛した詩だと言われています。 歳を重ねた姿を、彼女は「昔の自分よりも好き」と言ったそうなのですが、ただただ歳をとるのではなく、どのように生きて来たかで、美しさは作られるのですね この詩は、レヴェンソンが孫娘に贈

      • 豊田市美術館へ行ってきました<おとなが楽しい名建築を楽しむ遠足>

        先日、愛知県の豊田市美術館へ行ってきました。トヨタのお膝元のこの街には、豊田スタジアムをはじめ個性的な建物が多く見られます。 同館の建築は、世界でも活躍された谷口吉生氏のものということ。鏡や水を使った反射や、建物内の直線が美しい近代的な美術館です。 現在美術館では、フランスの近代装飾品やインテリアの特別展示がされていて、とても興味深く拝見しました。私も個性的な、居心地の良い家に住みたいなぁと思いながら、やりたい事リストがまた増えたように思います♪ 仏文学に憧れ続けた亡父の

        • 白い炎のような、コーヒーの花が咲きました。

          会社のコーヒーの木(鉢植え)に、花がたくさん咲きました。 日本の冬は彼らにとって厳しい環境ですが、ハウスや家の中では何とか成長を続けます。 亡父の詩集の中で「白い炎」は、白百合を表していますが、このコーヒーの可憐な花にもぴったりな表現だなと思います。 白くて可憐な花は、やがてさくらんぼに似た赤い実をつけます。その中の種からコーヒー豆が取り出されるのです。 白い花の生命は実や種として繋がれて、やがてコーヒーとなって私たちの生命を癒やしてくれます。 さて、この後、無事にコ

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          私たちが何のために生きるのか、そんなことは考えなくていいんだ、と思った1週間。

          今日も、少し、父の詩集をまとめながら、私なりに解釈したことを綴ってみたいと思います。 今週は午後になると急に真っ黒な雲が立ち込めて、雷が轟き、豪雨そして大粒の雹が降る、嵐のような日がありました。 大きな音を立てて断続的に降る白い雨や稲妻を見ていると、人間は本当に無力だと思います。 そんな地球上で起こるすべての事象は、神が作ったシナリオ通りのことだと亡父の詩は言います。 では、私たちに一体何ができるというのでしょう。 先日、心理学の学びの中で、「生き物は何のために生きてい

          私たちが何のために生きるのか、そんなことは考えなくていいんだ、と思った1週間。

          現在→過去か、あるいは現在→未来か。 未来は過去で、過去は未来だと思うこの頃。

          こんにちは! 驚くほど短い梅雨が明けて、新しく購入した私の傘は、日傘としてその役割を果たしてくれています。 さて今日は、亡父の詩集『神へ捧げる七十七のソネット』の中から私なりに感じたことを綴ってみたいと思います。 本日は、神へ捧げる七十七のソネット63からの言葉です。 私たち人間が創造するものは、冷たい化学化合物ばかりであり、神が描いたシナリオの上では、作った瞬間から、それは滅亡へと向かう。そして私たちは、そのガラクタの処理に手を焼くのだ‥‥‥  モノにあふれた現実社

          現在→過去か、あるいは現在→未来か。 未来は過去で、過去は未来だと思うこの頃。

          読後に残る、涼やかな余韻。そんな言葉選びも、父の詩集の魅力です。

          亡くなる3年ほど前に、姉妹家族で父を沖縄旅行へ連れて行ったことがありました。父の、最初で最後の飛行機体験でした。 旅行のあいだ中、父は本当に子どものようでした。 白いメッシュの帽子を斜めに被り、首里城の土産物屋が続く木陰の道を、幼い孫娘たちと手を繋いでとても楽しそうでした。 「やがて浮輪に身をあずけて波にほんろうされている間に、ひょっとして神よ、わたしはあなたの本当の舞台をかいま見たかもしれない」 父は沖縄の海も満喫していたのでしょうね。私たちは、幼い娘たちの着替えを用意し

          読後に残る、涼やかな余韻。そんな言葉選びも、父の詩集の魅力です。

          大嫌いで大好きな父の詩とは 

          私が小さな子どもの頃、父は、いつも夜遅くまで本を読んだり、詩を書いていました。幼いわたしたちが眠る時に昔話をひとつ聞かせてくれたあと、 タバコをくゆらせ、ウィスキーを飲みながら。 けれど私が思春期の頃には、そんな父が好きではありませんでした。 持病を持ちながら酒を飲み、タバコの量は減らず、生活に追われて詩集を作る余裕などなく、思うようにならないことを母に当たる、父の姿も見ていたからです。 父は本来、子どもが大好きな人でした。自分の子どもや孫はもちろんですが、年の離れた兄弟

          大嫌いで大好きな父の詩とは 

          亡父の詩集を電子書籍出版した理由と、紙書籍出版にもこだわる理由について

          2022年6月10日、kindleにて初!電子書籍出版しました!!   この度6月10日に、亡父の詩集「神へ捧げる七十七のソネット」をAmazon kindle版電子書籍にて出版することができました。    ■著者・佐佐木政治とは  生きていたら91歳の私の父です。父は十代の頃からフランス文学に憧れてずっと詩を書き続けており、文庫出版したものもわずかですが残っています。ですが、晩年はひたすら書き溜めていた詩を発表することもできず、亡くなる一年前に病を押しつつ、母と手作りした

          亡父の詩集を電子書籍出版した理由と、紙書籍出版にもこだわる理由について

          【お知らせ】信州木曽谷で21年間埋もれていた、亡き父の詩集を電子書籍出版しました。

          現在生きていたら、九十一歳となる昭和の文学青年だった父が、亡くなる少し前まで書き溜めていた詩を、娘である私が掘り起こして77の詩と7つのエッセイにまとめました。 ソネットとは、14行詩の事で、父の晩年のライフワークでした。 父にとって詩とは、この世界を想像した神への賞賛、絶望、空虚、悲哀を綴った手紙のようなものです。厳しい自然環境の木曽谷にインスパイアされた父の言葉をぜひとも感じていただけたらと思います。 6月10日kindleにて初!電子書籍出版しました!! 

          【お知らせ】信州木曽谷で21年間埋もれていた、亡き父の詩集を電子書籍出版しました。

          昭和50年頃の、入院中の父から小さな娘たちへの手紙

          もうすぐ父の日ですね。 今日は、かつて私の亡父が、小さな私と妹に宛てて書いた手紙があまりに素敵なんで、見て欲しいです。 私の父は体は大きい割に病気がちで、私たちが小さい頃は何度も入退院を繰り返していました。 父は文学青年でしたので、文章も上手だな(ホント身内贔屓と感じたら申し訳ありません)と思うのですが、それよりも、私たち子どもの成長に合わせて漢字を段々増やしたり、読みがなをつけたり、内容を難しくしたりしていて、そんな様子がとても素敵だなと思うんです。 私も誰かの心を温か

          昭和50年頃の、入院中の父から小さな娘たちへの手紙

          お母さん、ありがとう。

          当つる掌に柔く冷たし母の頬 白き柩に小さく眠る みなさんのお母さんは、どんな人ですか? 今日は私の母のこと、お話しさせてください。 今年の春、私の母が亡くなりました。 私の母は謙虚で強くて優しくて可愛いい、 私にとって「たんぽぽ」みたいな人でした。 姉たちは小さい頃よく叱られたと言いますが、 四番目の私と五番目の妹は、叱られたことなどなかったように思います。 ただ、母は私が教師になって地元へ戻ることを望んでいましたが、 母の思うような進路に進まなかった事で、悲しい顔を

          お母さん、ありがとう。

          【土曜短歌】2022年2月26日

          塩つぽいフライドポテト食べ終へてグラス半分飲む氷水 もうジャンクフードなど食べてはならない年頃です。 なんですが、、、フライドポテトが辞められません。 油の匂いが鼻につくなあと思いつつ、 塩味の虜になって、つい食べ過ぎてしまいます。 その後、罪悪感を洗い流すかのように、冬でも氷水をごくごく飲む。 グラス半分になった氷水が、やってしまった後の、 よくわからない達成感と後悔を表現している短歌です。 氷水がグラスの中で鳴っている音が、読んでくださった方に 聞こえるといいなと思

          【土曜短歌】2022年2月26日

          【土曜短歌】2022年2月19日

          吐く息をまた取り込みて 私の濃度が高まるマスクの日々に まだまだ寒い日が続いています。 新型コロナ関連のニュースが、まだまだテレビを賑わせていますね。 最近ではマスクをしていないと不安になる・・・ 言い換えれば、顔を半分隠せる安心感のようなものがあるのは 私だけでしょうか。 ただ、本当に息苦しくなるのも事実。 呼吸が浅くなっているようで、頭がくらくらすることもあります。 吐く息をそのまま吸い込んでいるようなものだから、 身体の中の二酸化炭素濃度は、刻々と高まっているで

          【土曜短歌】2022年2月19日

          【短歌日記】2022年2月5日(土曜日)

          吾が選ぶコーヒーカップ作り手はレジ打つ若き波佐見焼き職人 コーヒーカップを買いました。波佐見焼の器(うつわ)のお店で、絵柄のかわいいカップや元気が出そうな色合いのもの等色々ありましたが、選んだのはこのカップ。 緩く丸みを帯びて、その形に穏やかに添っているストライプで「雰囲気あるからこれ!」と言って決めました。 レジでお兄さんが丁寧に包んでくれて、お支払い。レジ袋に入れてもらい受け取るとき、「これ、僕がデザインしたものなんです。嬉しくて」とお兄さんははにかんだように言うと

          【短歌日記】2022年2月5日(土曜日)

          【短歌日記】2022年1月15日(土曜日)

          携帯の充電外し湯たんぽの熱持つまでをしんしんと夜 このところ、私が住む静岡県内も厳しい寒さが続いています。 あまりに寒いので、年明けに大急ぎで蓄熱式の湯たんぽを買いました。 それまでスマホの充電器が占拠していたコンセントに、 湯たんぽの充電器を差し込んでスタンバイ。 湯たんぽが熱を持つまでの間、夜はしんしんと冷えていくという歌を詠みました。 足を温めるというのは身体にも良い効果があるのでしょうか。 子どもの頃は、母が熱々の湯を入れた金属製の湯たんぽを タオルに包んでお布

          【短歌日記】2022年1月15日(土曜日)