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最近の記事

芸能に於けるシャーマニズムの解体 〜解体から構築へ〜

北辰 雲海の霧立つ千種川で 元道という山伏が釣りをしていると 2人の老人が現れて こんな早朝に釣れますかと尋ねてきた 二尾ほど釣れ申したと鮎を見せると 旅の方ですかとまた質問をされ 山伏修行のため、経納山へ向かう 道中でございますと応える 2人の老人はそれは嬉しやと 顔を見合わせて舞いを始めた 1人の老人が静かに消えてゆき 1人の老人が和歌を歌い始めた 我はこの河の神 秦ノ王の生まれ変わり 三輪に生まれ 最後の地を播磨とした  秦河勝にて候 

    • もう一つのワールドイズマイン 

      VVという本屋で働いていた20代の頃、漫画コーナーを任されたことがある。漫画の売り上げは落ち込んでいて、芳しくない状態だった。そんなタイミングで新井英樹のワールドイズマインという漫画が復刻されることが決まった。新井英樹は冊数をあまり刷らない、増刷も望まないタイプの作家であることは知っていて、復刻を待望するファンがいる伝説の漫画でもあったから、売れることは確信していた。一冊2500円ぐらいする漫画が5巻でる、通常のコミックで八百円から千円ぐらいだから、一冊売るだけで3倍ぐらいの

      • もう一つのワールドイズマイン

        2012年の12月21日 1999年のノストラダムス大予言と同じく、2012年も終末は来なかった。 ただ予言の日から、私の身体には異変が起きていた。額の真ん中にニキビのようなデキモノが出来、左手の掌には、星のようなカタチをした手相が突然現れていた。 これが2012年の噂のアセンションなのかと内心で思いながらも、手相も変わると言うし、知らぬまにシワが増えて、星のような形になっていたのだろうと思っていた。 この星のような模様を調べると、カゴメ・籠目・六芒星・ダビデ・イスラ

        • 銀鏡と秦河勝、66面を追いかけたら、どこに辿り着く。銀鏡神楽へ、宿神の奉納。

           銀鏡神楽には北極星・北斗七星を神格化した「宿神」という神様が登場します。その宿神の面を彫った人物が秦河勝だというお話しが残されているということを映画「銀鏡」赤坂友昭監督から、昨年の宿神蔵出しイベントの際に教えて頂いた。日本酒「宿神」も、伝統芸能の神様である秦河勝への奉納酒・御神酒として生み出されたことから、今年こそは銀鏡神楽で宿神を見に行き、宿神の奉納せねばと思い、宮崎県銀鏡へと伺う事が出来ました。 ⇧宿神面の口伝の内容はこちら、赤坂監督に文章を書いて頂きました。  宮

        芸能に於けるシャーマニズムの解体 〜解体から構築へ〜

          赤穂ギャべ展示会/海と草原のあわいに 10月6日〜10月16日まで開催。

          赤穂ギャベ展示会 海と草原のあわいに 赤穂ギャベは海の緞通といわれている赤穂緞通から生まれ、草原の絨毯であるギャベの手織り精神を引き継いでいます。赤穂御崎の海、ギャベの故郷の草原。そのはざまに飛ぶ日本の鳥たちを藍染めや草木染の日本の色で表現。 「海と草原のあわい」というタイトルが素敵で奥深く、展示会に来て頂くことで「あわい」空間が繋がって行くような会になりそうです。 会期中のイベントでは、トロンボーン冨岡毅志 (Takeshi Tomioka)のソロライブが開催されます

          赤穂ギャべ展示会/海と草原のあわいに 10月6日〜10月16日まで開催。

          芸能に於けるシャーマニズムの解体

          モノの人類学から芸能を考える ― バリ島仮面舞踊劇トペンを手がかりとして 文 ・写 真 吉田ゆか子 よしだ ゆかこ 国立民族学博物館機関研究員。専門は文化人類学。論文 2009「仮の面と仮の胴― バリ島仮面舞踊劇にみ る人とモノのアッサンブラージュ」(『文化人類学』76(1) 2011)が第 8 回日本文化人類学会奨励賞を受賞。 その他論文に「仮面が芸能を育む― バリ島トペン舞踊劇に注目して」(床呂郁哉・河合香吏編『ものの人類学』 を↓楽しく読んだ。 https://

          芸能に於けるシャーマニズムの解体

          伝統芸能の祖・秦河勝公翁に奉納する御神酒「宿神」糺すの森へ(芸能に於けるシャーマニズムの解体)

          三輪・大神神社の境内に、世界で唯一の杜氏の神さまを祀る活日神社があります。祀られているのは、高橋活日命という実在した最古の杜氏です。『日本書紀』には、第10代・崇神天皇は国中で疫病がはやっていたとき、夢で大物主大神から『天皇の子孫を祭主にし、酒を奉納しなさい』と言われ、酒造りの名人だった高橋に酒を造らせて奉納しました。すると疫病は去ったそうです。高橋活日命は『これは私ではなく、大物主大神が醸された神酒です』と詠んだと伝えられています このようなお話しが秦河勝の生誕の地・三輪

          伝統芸能の祖・秦河勝公翁に奉納する御神酒「宿神」糺すの森へ(芸能に於けるシャーマニズムの解体)

          能(能楽)と農(農業)を繋ぐ「おおさけのおさけプロジェクト・宿神」

          能と農は本来は同じ共同体の中にありました、私たちは気が付かない間に、一つであったことを忘れてしまいました。それは人と自然とが、いつの間にか離れてしまっていたことに似ています。 無農薬でお米を育てていると、水や虫の問題などに悩まされながら、除草なども大変な作業になります。田植えが大変であるから楽しく、水が少ないから雨乞いのように祈る、無事にお米が取れるように神を祀る、能楽と農業を結びつけていた背景には、人・自然・神が共にあり、祈りがあったことに他なりません。私達は今回のお酒造

          能(能楽)と農(農業)を繋ぐ「おおさけのおさけプロジェクト・宿神」

          銀鏡と秦河勝、66面を追い掛けたら、何処に辿り着く

          赤穂・龍野での映画「銀鏡」に向けて、赤坂監督が銀鏡に伝わる面様のお話しを書いてくれたので、こちらにUPさせて頂きます。 〜星への祈りー宿神面に伝わるお話〜 宮崎県西都市銀鏡に伝わる星に祈りを捧げる銀鏡神楽。500年以上の歴史を持つ銀鏡神楽では三十三番の舞があり、この神楽に登場する神 楽面は御神体として祀られ、 土地の人々からは「面様」と呼ばれ信仰の対象となっています。そして、いくつかある「面様」のうち、式十番の宿神三宝荒神の神楽で登場する 「宿神面(しゅくじんめん)」には

          銀鏡と秦河勝、66面を追い掛けたら、何処に辿り着く

          陰陽道の里にて、棚田で三番三、日本酒・宿神神力お田植え祭。とうとうたらり たらりらたらり

          おおさけのおさけプロジェクト、能と農を繋げるお田植え祭、陰陽道の里として知られている佐用町桜山の棚田にて、三番三の奉納を行います。私にとっては念願の棚田で三番三です、素晴らしい出演者・伝統芸能者の皆様に支えられて遂に実現。棚田にステージを設置し、五穀豊穣・天下泰平を祈願します。 ※「三番三」には百八つの習いがあります。 たとえば〔揉ノ段]では、天に向かって声を発して天の神様の恵みを受け、 [鈴ノ段] では鈴の音色で地の神様の怒りを鎮めて天の神の恵みを地の神に伝えるという作業

          陰陽道の里にて、棚田で三番三、日本酒・宿神神力お田植え祭。とうとうたらり たらりらたらり

          酒米に神力使い「神の宿る酒造り」 能楽の祖、秦河勝にささげる日本酒「宿神」 赤穂・奥藤酒造で蔵出しへ

          2023年3月26日(日)赤穂坂越の奥藤商事酒蔵で、伝統芸能の祖である秦河勝公に捧げる日本酒「 宿神」の蔵出しがされました。前日の25日(土)には、秦河勝公の墓所がある生島に渡り「宿神」の奉納をさせて頂きました。 生島でお酒を神様に奉納した後、一人一人少しづつお酒を頂いた。 奉納の安堵と共に「美味しい」と思わず言葉が溢れた、 胸の辺りにカッと火が着くような刺激があった。 佐用町桜山の棚田に湧き出る天水で無化学肥料・自然栽培で育てた「神力」、米からお酒になるまで100%千種

          酒米に神力使い「神の宿る酒造り」 能楽の祖、秦河勝にささげる日本酒「宿神」 赤穂・奥藤酒造で蔵出しへ

          伝統芸能の神様に奉納する日本酒「宿神・おおさけのおさけプロジェクト」の応援をお願いします!           

           この「おおさけのおさけプロジェクト」は雅楽・能・狂言・歌舞伎などの伝統芸能の祖であり、神様である秦河勝に奉納する御神酒・日本酒づくりです。  お酒の名前は「宿神」と言います。「宿神」というのは昔の旅芸人や現在の伝統芸能者たちに於いて芸能神とされている神様の名前です。  そして、なぜこのプロジェクトが「おおさけのおさけ」なのかと言いますと、秦河勝が芸能の神様として祀られている赤穂市坂越にある神社の名前が「大避神社・おおさけじんじゃ」だからです、ただの駄洒落ではなく「大酒神

          伝統芸能の神様に奉納する日本酒「宿神・おおさけのおさけプロジェクト」の応援をお願いします!           

          芸能に於けるシャーマニズムの解体

          1、シャーマニズムの解体  ルドルフ・シュタイナー博士のアントロポゾフィー医学から、能勢伊勢雄さんが手掛けられた、アントロポゾフィー形態学の作品が届く。シャーマニズムについての説明がしやすいので、引き用させて頂き、出来るだけサクッとシンプルに説明出来ればなと思います。  一番上に溶解力と書かれていて、一番下に凝縮力と書かれています。エーテル体から肉体への原子や分子の動き、液体へと溶けていく働きと、個体へと固まっていく動き、物質が変化していく形態が解りやすく表現されている。

          芸能に於けるシャーマニズムの解体

          芸能におけるシャーマニズムの解体

          芸能の神と常世について すずめの戸締まりの映画パンフレットに 災害装置としての『後ろ戸』は、 そもそもは古典能楽における概念であり、神や精霊の世界に繋がる扉のことである。日本古来の芸術表現は「後ろ戸の神」から授かる超常的な力が源泉と考えられていたそうだ。本作の 『後ろ戸』は「常世」 いわゆる霊界のような場所と繋がってしまったドアとして描いているが、その意味では『君の名は。』『天気の子』と同様に、 民俗学的なアイディアを物語の仕掛けとしている。 と書かれている。 この後

          芸能におけるシャーマニズムの解体

          店舗アドバイザーという仕事を何店舗かさせて頂いて、あれこれ思うこと。

           遊べる本屋ヴィレッジヴァンガードの経験を活かして、時々販売店の売り上げを上げる仕事をしている。はじめに店舗を見させて頂き、客単価・客数も含めて売り上げ目標を設定し、3ヶ月から6ヶ月の間で関わらせて頂く。これまで担当させて頂いた店舗は売り上げの目標をクリアすることが出来た、そのことはとても嬉しく思うが、やはりとても難しいミッションで、安易には受けたくない仕事だなと思う。売り上げを上げようとする行為は、ある意味で現状の売り場や仕組みの否定がどうしても入り口にある。オーナーがいて

          店舗アドバイザーという仕事を何店舗かさせて頂いて、あれこれ思うこと。

          映画「銀鏡(SHIROMI)」を見ると、生命の原郷への帰還、星宿廻流の旅がはじまる。 

           2020年、部屋の壁に飾っていたカレンダーは、銀鏡神楽のカレンダーだった。1年間ほぼ毎日無意識のうちに銀鏡神楽の写真を見ていたことになる。その頃から宿神は知っていたが、まさか『宿神』という名の、お酒造りをすることになるとは思っていなかった。  宿神というのは銀鏡神楽に出てくる重要な星の神様であり、日本の伝統芸能者が芸能神としている存在でもある。そして酒米を醸し、お酒にしてくれる奥藤酒造さんは赤穂坂越にあり、坂越という地名はミシャクジ→シャクジ→シュクジン→坂越から来ている

          映画「銀鏡(SHIROMI)」を見ると、生命の原郷への帰還、星宿廻流の旅がはじまる。