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2022.5.29 ロシアと中国が合わさると…

5月12日、日本政府はロシアに対する追加の経済制裁を発動しました。

政府は、ロシア企業に向けた10%以上の新規投資を禁止。

さらに、資産凍結の対象も広げるなど、米国や欧州各国と協調し、ウクライナ侵攻を続けるロシアへの圧力を強めています。

実は、これらの経済制裁はロシアだけではなく、世界経済全体を大きく変えてしまう可能性があります…。

今回は、世界経済の未来について書き綴っていこうと思います。


ロシアと中国の経済が一体化してきたましたが、これは当然の流れだと思います。

理由の1つは、ロシアを擁護する中国が、EU市場を徐々に失い始めていること。

これは、第2次制裁とも言えます。

“EUは、経済制裁を科しているロシアを助ける国とは仲良くできない”ということです。

この他にも、中露一体化と考えられる理由には金融の動きがあります。

5月5日、ロシアの国営メディアによると、中国とロシアは、
「中国・ロシアの2国間の貿易を増やしていこう。そのために、双方の国有決済システムを有効に活用しよう。」
このような話をしたそうです。

実は、今年2月にも中国の国有決済システムである『ユニオンペイ(銀聯ぎんれん)』の利用を両国の中央銀行が協議し、進める発表をしていました。

今のロシア国民には、海外との決済を行うために残された数少ない選択肢として、ロシアの国有決済システム『ミール』と中国の『ユニオンペイ』の2つがあります。

中露一体化の流れを見ると、ルーブルよりも人民元が優勢です。

これは、見方を変えると、人民元経済圏にロシアが飲み込まれていく形にも見えます。

そして、中国は再社会主義化、いわゆる鎖国経済化の道を歩んでいます。

これが顕著になってくると、ロシアも鎖国経済化にならざるを得ません。

とはいえ、中露が合わさると相互補完性が強くなります。

中国は穀物を輸入しています。
食料輸入国で、エネルギーも欲しいですし、14億人の人口を養わないといけません。

その点、ロシアは食料もエネルギーも輸出国です。

そして、欧米がロシア産のエネルギーを買わないように方向転換しているので輸出先に困っています。

つまり、ロシアの今後の輸出先は中国。
ドルではなく、お互いの通貨で直接取引をしようとなると思います。

そうなると、経済規模はロシアより中国の方が遥かに大きいので、人民元決済という形となり、徐々にロシア経済が中国経済圏に引き込まれていくこととなります。

そうなればなるほど、欧米からますます孤立化した中露経済圏というものができます。

そこに、シリアやベラルーシ、キューバ、ベネズエラ、北朝鮮などが加わり、1つの経済圏が出来上がっていく可能性があるのではないかと思います。

そうなると、西側諸国は自由な民主国家による、本当に自由な金融と貿易を行う新しい国際体制を再構築しなければなりません。

西側の日本や欧米諸国は過去30年間、中国やロシアに良いように自由貿易を利用されて、彼らが経済力をつけることに力を貸してしまいました。

しかし、今回のウクライナ侵攻で、基本的なルールは守らない国だということがはっきりしたのです。

国際的な侵略戦争まで平気で行う国です。

中国も同様で、今のウクライナに相当するのが1950年のチベットだといえます。

このような国際ルールを守らない国に自由貿易圏を利用させないために、グローバリズムを考え直す、日米欧のようなルールを守る国のみで、新しい自由貿易体制を作っていくことが重要ではないでしょうか。

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