2024.4.9 世界一危険なスパイとの共闘
序
「彼は諜報の神様だ…」
第二次世界大戦中、世界中のスパイたちの注目を一身に集める“1人の日本人”がいました。
「諜報の神様」
それは決して誇張された表現ではなく、例えば、第二次世界大戦中、連合国によって開催された『ヤルタ会談』での極秘密約を見事に暴いたのです。
ヤルタ会談とは、連合国軍のトップだったアメリカのルーズベルト、イギリスのチャーチル、そして日本と“中立条約”を結んでいたはずのソ連首相スターリンが集結し、
「ソ連が日本に奇襲攻撃を仕掛ける」
という、とんでもない密約を交わしていた会談です。
この会談の内容は、連合国側の側近たちでも殆ど聞かされることはなく、実際、2ヶ月後に米国大統領となる副大統領トルーマンですら、一切の詳細を知らされなかった『機密事項』だったのです。
そんな戦局を大きく左右し、日本の将来を暗示するような極秘情報を、彼らと敵対していた1人の日本人だけが得ていたといいます。
その日本人の名は、『小野寺信』。
彼は、独自の情報網で『ヤルタ密約』をキャッチし、即座に機密電報として日本の参謀本部に打電しました。
しかし、当時の日本にとって衝撃的なはずの電報の存在は、政策に活かされることはなく、小野寺の存在と共に歴史の闇に消えていくのでした…。
これからするお話は、イギリス国立公文書館の資料1100万点の中から見つけ出された極秘文書…。
そして、戦地での現地取材、親族からの証言によって浮かび上がってきた日本人が知らない世界大戦の真実…。
第二次世界大戦の舞台裏で繰り広げられていた、諜報活動についてです。
当時の日本は、世界トップクラスの圧倒的な諜報能力を兼ね備えていました。
そんな大日本帝国の諜報能力を世界に知らしめ、衝撃を与えることになった出来事…。
そして、イギリスやアメリカ、ソ連をはじめとした“戦勝国”にとってあまりに不都合な出来事…。
それこそが、米・英・ソ連合国三巨頭によって結ばれた『ヤルタ密約』を日本の軍人がスクープしていたことでした。
これら、近代史上最大の諜報活動を繙くことで、
戦後、日本人の記憶から葬り去られた“緊急電報”の真実や“世界一危険なスパイ”との共闘、そして、“一度聞くと日本人として誇らしくなれる”小野寺信が遺した物語に心揺さぶられるでしょう…。
それでは、これら歴史の教科書には決して出てこない真実を繙くため、79年前まで時を遡ります…。
では、続きをご覧ください…。
今も尾を引く北方領土問題
スターリン「日本の領土が欲しい…」
ルーズベルト「対日参戦するのであれば、認めましょう…」
こうして、近代史上最大の密約とされる『ヤルタ密約』は、自国の議会や国民を通すことなく、“個人間の約束”として結ばれたのでした。
先の大戦が終結してから79年…。
戦争の“負の遺産”の最たる例が北方領土の不法占拠問題です。
1945年8月9日、ソ連は突如、有効であった『日ソ中立条約』を破って、満洲、南樺太に侵攻。
ポツダム宣言受諾後の8月15日からは、日本固有の領土である千島列島に侵攻…。
こうして、北方四島の不法占拠の状態は、現在まで続いています。
現在のロシアは、北方領土における主権の根拠の一つとして、この『ヤルタ密約』を挙げています。
当時、中立条約を結んでいた日本にとって、“ソ連の裏切りによる対日参戦”はあまりに衝撃的な出来事…。
密約の内容を事前に知らされるわけもなく、不意打ちのように思われていました。
しかし、厚いベールに包まれていた『ヤルタ密約』。
実は、会談の直後に駐在武官の小野寺信がキャッチ、すぐさま日本の参謀本部に打電されていました。
世界各国の情報士官たちが、ヤルタ会談の詳細さえ掴めない中、なぜ小野寺は“正確な密約情報”を掴むことができたのか…?
実は、小野寺信の諜報活動が、との情報士官たちと一線を画すものであったからだと言われています。
「彼らのためにお金を出しましょう!」
小野寺は、
“祖国を失い亡命したポーランドやバルト三国などの小国の情報士官に生活資金、生活物資を援助し、家族ぐるみで信頼関係を結ぶこと”
に注力していました。
祖国復興を応援しながら、ヨーロッパ全土に跨る日本の諜報ネットワークを構築。
独自の“欧州の情報網”をフル稼働させることで機密情報を得ていました…。
小野寺が第二次世界大戦中、大本営にもたらした情報は目を見張るものばかりでした。
ドイツはイギリス本土上陸作戦をしないこと。
ドイツがイギリスではなく、ソ連侵攻を企てていること。
ドイツが苦戦しているため、日米開戦は不可であること。
何れの情報も当時の大本営にとっては耳の痛いものでしたが、どれも戦局を正確に見抜いており、小野寺の作り上げた“情報網”は数多くの機密情報を日本にもたらしました…。
そして、小野寺が手を差し伸べた中に“世界一のスパイ”が紛れ込んでいました。
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