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現代短歌

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きまぐれで短歌を詠んでいます。ちょっと暗め。
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どく こんらん まひ きぜつして生きものはいったい何を残すというの【短歌 その9】

どく こんらん まひ きぜつして生きものはいったい何を残すというの【短歌 その9】

[2023/02/16]

22時、時計の針が壊れてて
なるべく長く眠ってる夢

たまにしか薬飲まない人ら居て気を遣ってはコソコソと飲む

[2023/03/16]

見返りを溢れるほどにもらってら
吾はもう過去の君とは違う

血液が巡り続ける夜はいつも泣き叫ぶよな夢を見るんだ

目を瞑り吾の存在を隠したら誰かひとりが消えた日になる

生存の確認だってしてくれる君のおうちは電脳世界

さよならの重

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直せるか、よりも心配生きてるか やってて良かったジジイのチャリ屋[短歌 その8]

直せるか、よりも心配生きてるか やってて良かったジジイのチャリ屋[短歌 その8]

2022/05/04

ううああと言いながら死ぬ わけもなく わけわからない夢を見たから

好きだよ のひとつやふたつ言ってやれどうせ報われないのであれば

呼び捨てになったことなど嬉しくもなんともないと錯覚し、朝 

2022/05/05

ニッコリと笑うアイツは19でポッケに忍ばすウィスキー・ボンボン

2022/05/06

春の陽がいちばんすきだ と言っていたのが嘘のようだろハルシオン飲む

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25時冷えた自室で寝てるおれ明日の出荷が近づいている[短歌 その7]

25時冷えた自室で寝てるおれ明日の出荷が近づいている[短歌 その7]

2022/04/28

立ったまま気絶している
苦しさとどうしようもない心地よさ

忙しさにかまけているの
久々に浮かれうやむや ただの無視かも

2022/03/30

手放しで喜べる程じゃないときにわざわざ わざわざを付けるわざと

2022/03/06

白黒と決められなかったひとがいる曖昧な笑みのまま溶けて春

待つことの、待たれることの重みなどわからないから生きるの怖い

目標のたったひ

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そこまで、と思うくらいに憎まれて毒殺される日を夢見てる [短歌 その6]

そこまで、と思うくらいに憎まれて毒殺される日を夢見てる [短歌 その6]

自分の見た目を許せる日が来るのか、そもそも今の時点でもう許せているんじゃないのか、意外と曖昧です。
「自分は自分のもの」という感覚が人より強いのか、整形できるならしてもいいかな、と思うこともあります(痛いし高いので手は出せないけど……)。

自分が自分じゃなくてもいいかな、と思ってる人は案外多いのかもしれません。

他の人の一言で行動が変わってしまうのであるなら、自分の大切な人の見た目はみんな好き

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美里とか香澄とかいう一音の漢字で始まる名前が好きだ  [短歌 その5]

美里とか香澄とかいう一音の漢字で始まる名前が好きだ [短歌 その5]

人に見せない文章というものを書いたことがありません。
小学校は提出物の日記帳、作文、そして自主勉強ノートに創作小説。5〜6年生に少しばかり詩と小説を書いていましたが、中学生の時にノートを捨ててしまいました(もったいないことしたな〜)。中学はTwitter全盛期。高校でnoteを書き始めました。

人に見せない文章、例えば日記や手帳でしか培えない「自分を客観する力」というものがあるらしく、うぅむどう

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短歌 その4

短歌 その4

トゲトゲした感情が洗われるといいな、と思いながら、ちょっとしたことで苛々する昼休みを穂村弘を読みながら過ごしています。
『もうおうちへかえりましょう/穂村弘』

環境に慣れるまで一般的には3ヶ月、3年、6年、誰かが言うには10年、……。
入学して3年経ったと思ったら卒業だ。なんと恐ろしいのだろうか。と思っていたのですが、いま本当に恐ろしいのは期限がないことだと思っています。

定年が70歳に引き延

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短歌 その3

短歌 その3

寒くって敵いません。もういろんなことに。

鬱々とした気分にも敵わないし、無気力にも敵わないし、食欲にも敵わない。睡眠欲も出世欲もなくて、なぜか全ての欲望が食欲に集約されています(甘栗とみかんを4年分くらい食べた気がする🌰🍊)。

体重の5%ぶん増減があるとうつ病の疑いがある証拠らしいのですが、4ヶ月で10㎏減り、2ヶ月で8㎏戻りました。ただのリバウンドのような気もしてならないが…………。

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短歌 その2

短歌 その2

12/10、友人と蟹を食べに行った。

蟹を食べれば、人生の嫌なことぜんぶ忘れられそうな気がしませんか?パーっと。
蟹は、めちゃくちゃ美味かった。

帰りに靴擦れしながら、駅前の本屋で穂村弘氏の新刊(短歌にまつわる対談集)を買った。

諸々あって幸福とはかけ離れた夕夜になってしまったが、蟹食べて本買ったその瞬間は、紛れもなく無敵で最強で、幸福だった。

カニ食べる ぐつぐつ小さい鍋で茹で
有象無象

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短歌 その1

短歌 その1

『滑走路』が映画化しましたね。
母に勧められて買ったのが1年ほど前。
穂村弘さん、俵万智さんの影響が大きいけれど『滑走路』の影響で短歌を詠みはじめ、なんとか生き長らえているフシもある。
学業も仕事も、睡眠や食事すらままならないなか、短歌に生かされている感覚を、最近強く感じています。
観にいけたらいいなぁ。

【2020/11/15】

結晶をキラキラ落とす 
煎餅の袋の底に 
残すあこがれ

【2

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