山下順平の死ぬまで日記

2023年8月に余命宣告されました。いけるところまでいってみます。こういうものは初めて…

山下順平の死ぬまで日記

2023年8月に余命宣告されました。いけるところまでいってみます。こういうものは初めてなので、少しずつ教わりながらページを作っていきます。

あの時代に。あのときに。

気がつけば二ヶ月以上も過ぎてしまっていました。少しからだがしんどくなっていて書く気力がなかった。10月に書いてから倒れてしまって入院し、長引いてしまったのもあって。 入院中体調が少しましな時に妹が差し入れてくれたタブレットで映画を観たりしたんだけど、フクザツなのとか前衛みたいなのとかちょっとダメで。誰だったか忘れたけど死期が迫ったまだ40歳になったばかりの俳優さんが「高卒だからってバカにされたくなくて哲学書を読み漁り、前衛アートやクラシック音楽なんかにたくさん触れて知識を高

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    • 式が終わって。

      朋子との結婚式が終わった。終わってからホッとしたのか、熱が出て10日ほど起き上がれなかったので、日記を書くことができなかった。起き上がれなかった数日間、母が家に来てくれてお粥とか、野菜スープなんかを作ってくれた。母とは20年以上会っていなかったのに、式に来てくれて、俺のために泣いてくれて、ありがたかった。熱が下がって母に「もう大丈夫だから」と言うと「熱がなくたって、これからはしょっちゅう来る！だから順ちゃんもウチに来るのよ？わかったね？」と言ってくれた。 実家には父の葬式以

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      • 朝日と白い犬と

        まだ暗いうちに目が覚めてしまったので、早朝に少し歩いてみた。最近はあまり眠れてない気がする。朋子と一緒にと思ったけど、車椅子を押していくのが最近はしんどいので、ひとりで。途中で苦しくなったので、ゆっくりゆっくり坂道を歩いた。ベンチに座って休んでいたら朝日が昇ってきて空がオレンジ色で綺麗だった。ここはよく朋子と来た場所なんだけど、なんだかここに来るのはこれが最後かもしれないと思って、泣きそうになった。 最近はすぐ涙が出て来る。 ずっとチョロチョロついてくる犬がいて、小さくて

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        • 感じること

          式まで時間もないし、金もないので、手作りでやろう、って同瑠会のみんなが言ってくれて準備しているけど、なかなか大変だな。招待状は全部出し終わったけど、ほとんど返事がない。考えてみれば、俺って親父に勘当されてから葬式以来 母親にずっと会ってないし、妹とも10年くらい？会ってない。 親戚なんて顔も思い出せないし、劇団やってた時に散々チケットを買ってもらった友達とも劇団を休団してから疎遠になってる。 あんまり式に呼べるような人間がいなかったのがなんか笑えるな。人って葬式でその人がわ

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        あの時代に。あのときに。

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          優しさについて

          今日はチョロが働いている「カワノ音楽教室」に行った。チョロはそこでピアノを教えている。俺も朋子へのサプライズプレゼントで「いとしのエリー」を弾けるようになりたくて、少し通ってたことがあるけど、日曜の昼過ぎだったせいか、ロビーに子供がたくさんいてちょっと緊張した。子供は苦手だ。目を合わせて話したりできない。なるべく目が合わないように、自動販売機で買った無糖缶コーヒーの成分表を読み込む体で、そこから目を上げないようにしてチョロを待った。 チョロには、俺の結婚式でピアノを弾いても

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          ウェディングドレス

          昨日、朋子と行きつけのレディースオーダーメイド店「ムーンチャイルド」に、ウエディングドレスの試着に行った。朋子はなんでも似合うんだけど、ウエディングドレスは白だから特に似合うな。朋子には白が一番似合うんだ。でも、なかなか白い服を着ていく機会がないんだよな、だから良かった。 たくさん試着したけど、このドレスが一番気に入ったみたい。シースルーっていうの？アミアミみたいな生地の七分袖で袖口と胸元にサンタクロースのフワフワしたやつが付いていてちょっと変わってるドレス。やっぱりムーン

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          余興の練習

          携帯の写真を整理してたらいつかの虹が出てきたから日記に入れてみた。上の写真が平たくなるのは、タイトルにつける写真だからみたい。この虹きれいに半円になっててすごい。いつのだかもう忘れたけどね。最近よく忘れる。 急遽式を挙げることにしたのはいいが、トニモンが「なんか見世物をやらねーと！」って毎日LINEしてくるから、とりあえず同瑠会でまた集合したんだけど、トニモンの教室(トニモンは「トニー ダンス教室」っていう教室をやってる）の練習場でなんだかいろいろやった。 この間、同瑠会

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          こんな俺にも

          ちょうど年末に予定していた旅行の打ち合わせがあったから、同瑠会の４人で会った。いつもはそれぞれの彼女を同伴するんだけど(そのための会だしね）今日は事前に同瑠会のグループLINEでひとりで来てくれるように頼んでおいたんだ。湿っぽい話を聞かせたくないしね。 宣告された話とかいろいろ。シゲやんもトニモンもチョロ松も真剣に聞いてくれた。こんな俺のことを気にしてくれる友達が３人もいるなんて、俺は幸せ者だと思う。トニモンには「山ちゃん、タバコはやめようよぉー」って言われたけどね(笑)

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          いきなりの宣告

          2023年の8月に余命宣告されました。肺がんのステージ４なんだそうです。 今年に入ってから少し歩いただけで息切れしたりで、アレッ？とは思っていたけど、コロナが怖かったし病院とか行ってなくて。7月になって歩いている時に、80歳くらいの人にも追い越されるようになって、さすがに変だなと。咳も出るようになってて咳き込みで睡眠不足になってたりもして、7月の月末にやっと病院に行った。その日は検査だけだったけど、雰囲気が風邪って感じじゃなさそうだったから、もしかしたらとは思ってたけど……

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