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読了:「そんなとき隣に詩がいます」 / 詩の本を買う人生になるなんて思わなかった。

こんなの初めてだ。

「詩」の本なんて初めて。

しばらく前、気持ちが落ち込んでいた時に本屋へ行って、その時の感情で本を選んでみようと思って買った本。
この題名がさらりと私の心を捉えた。
「詩」でいいからそばにいてほしい、と思っていたのかも。

とても良い本だった。
鴻上さんがそれぞれの章にエッセーを添えてくれているのも、とても良かった。

冒頭「はじめに」として鴻上さんが、

「空の青さを見つめていると
 私に帰るところがあるような気がする」

という詩を紹介してくれていて、さっそく泣いちゃった。

大きな青空を見上げた時、
夕日が色を塗るオレンジやピンクの空を見上げた時、
とても切なくなるのに元気が出て、自分はやっぱり幸せなのかもしれないと思ってしまうあれは、そういうことだったんだ。

他の章でも鴻上さんは、
わたしがいつも感じている小説やエッセイの面白さの、何が好きなのと問われた時に、うまく言えないけれど「どうしようもなく好きななにか」を言語化してくれていて衝撃的だった。
だから、ここからは受け売りになっちゃうんだけど、わたしもできるだけちゃんと自分の言葉で書いてみたい。

小説やエッセイの「どうしようもなく好きなところ」は、読んだ時に、
「わたしが言いたかったことはそれだったんだよー!」とか
「それなーーーーーー!」ってなるところ。

自分が言いたいことや悩んでいることは、自分でも言葉にできないことがあって、もやっとしたまま置いてある。
面白いことや好きなことでさえ、時に言葉にできない。

でもそれを、本で言語化してもらえた時の
「それなーーー」の感情が、どうしようもなく好きなのだ。
(それなって便利な言葉だけど、本当はもっとちゃんとした大人の表現力を身に付けたい)

今回初めて読んだ「詩」。
詩にもその「どうしようもなく好き」を感じた。
詩は短いから「この詩はきっとこういうことを言っているんだな」という、自分の気持ちが入り込む隙が小説よりも多い気がする。
だから、何回か咀嚼しながら読むことで、すごく自分の気持ちとフィットさせられる感じがした。

その時はよく分からない詩があったとしても、
その時々の心情によって、分かる時が来るのかもしれない。

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