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一緒に困る

ある遊び場に行った日に、困っている親子がいた。しばらく子と親が押し問答。
こえをかける?かけない?

職場の先輩とそんな話になった。

先輩は声をかけて、子が落ち着いたのだそうだ。
そしてその時感じた違和感を教えてくれた。
周りに沢山親子がいたのに、誰も声掛けないんだな、と思ったそうだ。

なんで先輩は声をかけられたんだろう。同じ子育て支援者だからか。それもある。
こんな時、どうしたら良いか、わかっているのは強い。

私がそんなことを言うと、先輩は言った。
「でもさ、うまくいかなくたっていいじゃない。一緒に困ってあげればいいじゃん。」

よくよく、思い出してみると、助けられなかった時の私って、解決できなかったら困ってしまいそうだな。と思うからだ。
また、転じて、上手くいかなかったとき、困ってる私を見て相手が気兼ねしてしまうんじゃないかと、思ったりする。
助けたい気持ちなのに、困る私をみた相手が困ることを気兼ねしている私がいる。
うわっ!ややこしい感情!

それを、先輩は、一緒に困ってあげればいいじゃないという。なるほど。なんてシンプルな答えだろう。勝算がなくたって、動けばいい。
……………………
「順番だからね。って、ここではあんまり使わない」って、言ったのは私だ。
同僚の育児支援スタッフと、話していたときだ。
同僚は、前の職場で0歳だってルール分かるから、順番を伝えていくのが大事だ。と教えられたそうだ。
その原理、よく分かる。うんうん。
でも、使いたくないのには、その時に子どもたちに伝えたいのが、ルールじゃないからだ。
「私はこれが使いたい」という感情。「ぼくが使ってる」という感情。おもちゃしか見えてないその子が、初めて(第一子だったら特に)思い通りにならない他者と出会う機会。
もちろん怪我をさせないようにはする。最終的に順番になったとしても、でも、もう少し見守っていったら。
思い通りにならない他者と出会い、困って、そして考える。考える手助けを大人はしてあげたい。「〇〇くん使ってるのか」「〇〇ちゃんも使いたいのか」。感情を言葉にすることで、その子の気持ちを言語化する。解決方法を大人が提案してもいいけど、採用するかは、その子次第だ。
諦める子は、潔いね!諦めない子は、粘り強い!円満に解決した子は、すごい!と、その子が見えてくる。

困ったら、困ったねーと、寄り添う。一緒に困ってあげてもいいんじゃないかな。
(というようなことを同僚と話したかったが、もっとその時上手く話せたなと反省)

………………………………

6歳の娘が、前にふと漏らした。
「3歳のときね、女の子たちが(娘)ちゃんが自分のことぼくっていうのは変だから遊ばない」って、言ったの。
「でもね、その時えいこちゃん(仮名)が、「私も自分のことエイエイって呼んだとき同じこと言われてやだったから気持わかる」って言ってくれたの」
2年も前の話。その出来事は娘にとっては、えいこちゃんとの嬉しい話になったんだなぁ。
助けに入った人が、解決できなくても、勝算なんてなくたって、きっと、寄り添ってくれただけで、通じる。

今、コレをした子はこうなる!とか、このためにコレしましょう!とか、解決を急ぐ世の中で、思考停止になりそうな世の中で…………

一緒に困る、って、きっと、あったかい。


そして、どっちも気兼ねしなくて良いんだなと思った出来事だった。


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