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さおりのエッセイ

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エッセイらしきものを書いたら、ここに貯めることにしました!
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2018年1月の記事一覧

片っぽだけ失くす

片っぽだけ失くす

昨日、雪の混乱のなか、イヤリングを片方なくした。貰ったもので、とても大切にしていたから、あっけなく失くしたことに、かなりショックを受けている。

今年は、手袋も片方失くした。何度も何度も失くすので、しばらく手袋はつけないで何年か過ごしたが、今年は絶対に失くさないように、ちょっと高めの気に入ったものを買おう、とかなんとか言って、その通りにしたら、失くした。こちらはもう諦めきれず、片方の手袋だけ持ち歩

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本を捨てた

本を捨てた

本棚を眺めていて、読みたいと思った本を手に取り、しばらく読んでいた。何度も読んだ本。とてもいいことが、たくさん書いてある。その本を閉じて、捨てた。ゴミ袋につっこんだ。

私は本が好きだ。自分でも文章を書いているから、自分の書いた文章をそんな風にされたら、気が狂うかもしれない。売るとか手放すのではなく、私は本を捨てたのだ。そんなこと、これまでありえなかった。なんてことをしたのだろう。なんてことだ。

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欲張りな子供と

欲張りな子供と

お陰様で体の具合は良くなって、この一週間は随分といろいろなことがありました。

メリアンさんのライブに行って感動したことや、ナマの翠さんと笹塚心琴さんにお会いしたこと、大学時代のゼミ同期生たちとの新年会で言われたり泣いたり思ったこと、そして、今日はヒエロニムスボスの「快楽の園」の映画を観て、ちょっともう、抱えきれないくらいの刺激を受けてしまって、若干気持ち悪いです。

その一つ一つが私にとってすご

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結果を求めるよりも

結果を求めるよりも

祖母に電話をしても、すぐに切られてしまう。元気かどうかの確認が終われば、その他の瑣末なことは、余計なこと。

日頃の疲れを労おうと、温泉に連れていっても、祖母の娘である我が母は、ゆっくり温泉に浸かってなどいられない。カラスの行水とは、このことだとばかりに、ものの数分で出てきてしまう。

そう、私のせっかちは遺伝なのだ。

祖母も母も私も、話し方はのんびりしてるし、比較的に穏やかな性格なので、おっと

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雪の女王の謁見に敬礼を

10年ほど前に、4年間、仕事の関係で札幌に住んでいた。

今は関東にある実家の近くで久しぶりの一人暮らしを満喫している。関東にも、積もるほどの雪が降った。

札幌に住んでいるときは、冬が来るのが怖かった。同時にとても惹かれていた。夜のすすきのの街でオレンジ色の街灯に照らされた雪の影がチラチラと、積雪のある道路に流れると、胸がドキドキした。寒さは、いつまでも慣れることはなく、一度経験すると、その恐怖

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鏡よ鏡の中

娘の生まれた友人から「さおりみたいに育つにはどうすればいいの?」と聞かれたことがある。大分前のことだし、私みたいにはならないほうがいいよ、と思ったけど、やっぱり嬉しかった。自分のことが、まるごと認められた気持ちになった。嬉しかった。

白雪姫の王女様が、毎日魔法の鏡で「鏡よ鏡、世界で一番美しいのは誰?」と問いかける。そこで「あなた様です」と答える鏡は、魔法の鏡ではなく、目の前のものを映し出す、ただ

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みんなちがって みんなかわいい

昨日の投稿は、書きたいことがわかっていて、でもどうやって書けばいいのか、その緒が見つからなくて悩んだ。いつもは、エッセイや小説でも、書きたい内容よりも先に、書きたい場面が浮かんできて、そこに向かって構成していくので、書きながら、書きたい内容がわかってくる感覚が多い。

でも、今回は、書きたい内容が伝わるように書きたいと思っていたので、引用を引っ張り出したり引っ込めたり、事実を列挙して消したり、想い

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戦争と平和(こころの)

戦争と平和(こころの)

最近、映画を観たり、本を読むだけではなく、日常のふとしたことである、雪が降ったり、落し物をしたり、広告を目にしたり、といったことがインスピレーションになって、いろんな映像が浮かんでくることが多くなった。

今までもそういうことがあって、そういうときには、日記を書いていた。今も日記は書いているが、noteにも書くようになった。

私は、表現することが恥ずかしかった。毎日のように詩や文章を書いていたが

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夢の淵に惑って

夢の淵のことを考えている。夜に見る夢の淵のだ。

ドキュメンタリー映画で脳科学者が、夢は幻想ではなく実体験だ、と言っていた。脳にとっては同じ、ということだろうか。ゆっくり話を聞いてみたかったが、脳科学者は、画面の向こうで巨大化していたので、それが叶わなかった。

朝、起きて、夢に入るときのことと、夢から醒めたときのことを考える。覚えていないが、かすかに、夢の淵が見えたような気になることがある。温か

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