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「孤独」から抜け出す。

自分が対話を探究していきたいのは、それが僕たちの幸せに繋がるだろうとその可能性を期待しているから。

僕らがもし今不幸なのであれば、それは対話が足りないからだと考えている。

僕らの不幸とは、他者とのつながりを持てていないことだ。それゆえに自分とも繋がれていない。

自分との繋がりって、例えば、自分の気持ちを素直に言葉にできるかどうか。自分との繋がりが弱いと、自分が何を思っているか、何を感じているか、怒っているのか、悲しんでいるのか、嬉しいのか、楽しいのか、寂しいのか、悲しいのか、モヤモヤしているのか、つまらないのか、などなど、そういう感覚が分からない。

特に男性は、悲しい、寂しい、孤独だ、怖い、不安だ、見捨てられたく無い、悔しい、絶望(あきらめている、自分なんて、どうせ、、、)、自信のなさ、喪失感(これは僕も自分の中にどんな風にあるかまだあまり探ったことがないかも、、、)、などに蓋をすることがある。ほとんどの男性が蓋をしていると思って間違いない。特に怒りっぽい男性はまず間違いなく蓋をしている。僕がそうだ。起こりっぽい女性もそうかもしれない。

これらの気持ちを素直に自分の言葉で言えるようになること。心の言語化、気持ちの言語化の能力が乏しい状態を自分とつながってないと僕は表現している。

気持ちというのは、言葉にして初めて触れていくことができる。気持ちというのは自分の延長、もしくは自分の本体とも言えるもので、ここに触れることができないということは、自分に触れていないということ。

繋がっていないの別の表現としては、触れていない、触れようとしていない、つまり近づいていない、そばによってない、自分に寄り添ってないということ。ほったらかし、孤独ということだ。

僕たちの不幸は孤独から来ている。

孤独からどう抜け出すかを必死に毎日を生きている。

嘘をつくと孤独になると、最近読んだ漫画に書いてあった。僕はこれは本当にすごい言葉だと思う。

嘘というのは、本当のことと違うことを言うこと。例えば、具合が悪いのに「大丈夫だよ」と言ってしまうのは嘘だ。この人はこの「具合が悪い」という本当のことを人に隠したことで、自分自身を人から隠したことになる。隠した自分は孤独になる。誰も知らない。知らせたくない理由があるのだろうけど、それは何なのか?心配させたくない。心配させてはいけない。悲しまくせたくない。心配されたくない。一人で何とかしたい。一人でできると思いたい。人の手を借りたくない。なんでそんな気持ちになるのか。すでに人と繋がっていない。人と繋がることが、頼ることが、迷惑をかけることが、よしとされていない。最初からどうどうと迷惑をかけた方が、迷惑は最小限になることの方が多い。「大丈夫だよ」と言った人は、具合の悪さを隠したことで、最終的により大きな迷惑を他人にかける可能性がある。だって一人でできることなんて人間誰もが限られてるんだから。絶対にどこかで何かが出来ずに、時間だけが過ぎ、時間によってその問題は膨れ、大きな迷惑をかける。

孤独から脱出するためには、嘘をやめること。さらに拡大して、隠し事をできるだけ止めること。隠し事というのは、自分を隠すことになる。自分を隠せば自分を見てもらうことも気付いてもらうこともできない。隠し事によって人は孤独になる。

孤独になると人はどうなるのか、一人でその命を断つか、孤独に耐えられず、人に危害を加えることで人と触れ合うとする。自分を見つけてもらおうとする。加害者になる。人を孤独にする社会は、加害者を増やす。加害した方も被害を受けた方も不幸になる。

孤独から抜け出す方法が、僕は対話だと思っている。対話しかないと思っている。お互いにお互いの気持ちを聞き合うということ。

聞くというのは、話し手が自分の気持ちの聞き手になること。話すというのは、自分が自分の聞き手になること。

聞くことが対話に向かっていくには、問いが必要だ。まずは自分がその人の話を聞いていて、分からなくなったときに問いをたてる。「なぜそう思うのか」よりも「いつからそう思うのか」「いつそう思ったのか」「そのとき何があったのか」「誰といたのか」「どこにいたのか」その気持ちの奥にはさらにどんな気持ちがあるのか、自分だったらどうか。

ここにはどんな謎が隠されているんだろう。何がまだ見えてないのだろう。この人はこの困難をどう乗り越えられるのだろう。どんな強みがあるのか。どんな弱みによって今の状態になっているのか。どんな強みが隠されているのか。

相手と一緒に相手を理解する。その人が自分自身を知って理解していく旅に自分もついていく。その人の心の旅に寄りそう。ときには「こっちの方もちょっと聞いてみていいですか?」という感じで分け入っていく。

その人という謎にせまる旅。
ときには冒険。

その旅は、人間の謎にせまる旅だ。

今日はここまで。

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