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少ないものでも気分の上がる部屋づくり

約1年前、この部屋に引っ越してきたとき唯一の難点だったのは、クローゼットが小さいことでした。苦肉の策でとなりの作り付け棚をはずし、突っ張り棒を渡してオープンクローゼットを設置。シンプルライフを目指していたわたしはできるだけ部屋がすっきりしているほうが居心地が良く、クローゼットも本当は扉があるほうが良かったな、と思っていたのですが、実はオープンクローゼットにしてから意外な発見があったのです。

オープンクローゼットにしたら服を買う量が減った

シンプルライフを謳ってはいるものの、昔から洋服が大好き。新しいものを見るとついつい買ってしまう癖はなかなか抜けませんでした。しかしオープンクローゼットにしてから約1年。ふと気づいたことがあります。それは「いつもより服を買っていない」という事実。なぜだろう?と考えてみた結果、わかったことは、

「見える化」することで「ある」という安心感が生まれた  

ということ。

スッキリ暮らすことを目指していたわたしは、できるだけ物を隠したりしまったりしたほうがいいと思っていました。しかし物を隠すことの盲点は全体を把握しにくいということ。オープンクローゼットにした結果得られたものは「ある」という安心感と、全体像をつねに目で確認できるということでした。

わたしはお気に入りの洋服をちゃんと持っているし、着回しもできる。その安心感が「服が欲しい」という気持ちを起こさせなかったのでした。さらに大好きな洋服がいつも見えている状態だとうれしい気持ちになって気分も上がりました!

見える化することで少ないものでも気分が上がる暮らしができる。
ならば好きなものは思いきって「見える化」してみよう。

この決断はわたしにとってかなり勇気のいることでしたが、オープンクローゼットの効果に後押しされて試してみることにしたのです。

好きなものを「見える化」したら気分が上がり効率もよくなった

まずは洋服を思いきってリビングに持ってきました。つっぱり棒はやめてIKEAのハンガーラックに吊るすことに。となりには同じくIKEAで買ったオープンシェルフを設置。下の2段は引き出し付きにしてインナー類など隠したいものを入れるスペースに。上の2段は「見える化」して好きなものやよく使うもの、さらに気分が上がりそうなものを置いてみることにしました。

 

オープンシェルフの一番上にはトレイに乗せたアクセサリー類を置いて。 アクセサリーは今まで引き出しにしまっていたのですが、やはりしまっているとなぜか新しいものを買ってしまうわたし…。思いきってトレイの上に飾っていつも目に入る場所に置くことにしました。数は少ないけれど目に入るだけで気分の上がるスペースに!洋服とのコーディネートもしやすく、悩む時間も減りました。

   

左側の白樺のかごにはメイク道具を入れてすぐ取り出せるように。メイク道具はかごに入る分だけ。「見える化」したためコスメの買いすぎ防止にも。右側のケーキスタンドにはいつもカメラをスタンバイ。カメラ、大好きなんです!見ているだけで気分が上がるのでリビングの特等席に(撮影中なのでカメラは不在…)。いまのところ他のカメラ欲しい欲も落ち着いています。

 

シンク背面側の棚も思いきって食器類を「見える化」してみました。以前は引き出しの中にしまっていた食器類でしたが、北欧の食器が大好きなので、いつも目につくところに置いてうれしい気分と満足感を味わえるように。少ないけれど「見える化」することで、まんべんなくすべての食器を使えるようになったことも意外な効果でした。

少ないけど「ある」という安心感を味わえる。さらに気分も上がって気持ちいい。そうなってくると、次なるは普段は隠れている見えない部分も開けたときに気分が上がる収納にしようと思い立ち…。

開けたとき全体を把握できて気分も上がる収納に

引き出しのなかも開けたら全体が把握できるような収納にしてみました。いままでペンケースに入れていた文房具。外に持っていくとき以外はこんなふうに引き出しのなかに入れておくように。開けたらかわいい。そして必要なものはちゃんとある満足感。手帳の時間も楽しくなりました。

キッチンの作り付け引き出しの上段には大好きなお茶を収納。たくさん開ける引き出しだからぱっと見てすっきりしていることが重要。そして開けたとき、今日はなにを飲もうかな、というわくわくも詰め込んで。

その下の引き出しには、キッチンで使う日用品を収納。お掃除シートやポリ袋にジップロック。どれも上から見たときすぐに残量が分かるような収納法で。台所仕事が苦手だから少しでも気分が上がるように整えておくと、エンジンがかかりやすい。効率ももちろんアップ!

引き出しのなかがすっきりしてみると、普段見えない場所なのになぜか気分がいい。人間ってもしかしたら、見えない部分のことでさえひそかに感じ取っているのかもしれない。そう思ったら、人間の五感に働きかける作用って部屋づくりにとってすごく大事なのかも、と気づきました。

五感が喜ぶ工夫を散りばめて気分の良さを作り出す

そこで、見えない部分の心地良さも感じられるひと工夫を。今まで照明に興味がなかったわたしですが、明かりを変えてみたら静かな気持ちで夜を過ごせるようになりました。暗いと本が読みにくい。そう思っていたわたしも体は暗いほうがリラックスして心地良いことに気づき、夜には夜の明かりが必要と実感。体の声に耳を傾けてみると、生活の質も上がってご機嫌に過ごせる時間が増えるのかもしれません。

香りは脳に直接届く、という話を以前聞いたことがあります。それくらい気づかないうちに影響を受けている香りだから、自分にとって心地よいと思える香りを暮らしに取り入れたい。イソップのルームスプレーとマークスアンドウェブのキャンドル。どちらもわたしにとって落ち着く香り。気分によって使い分けて、心地よい時間を作る手助けをしてもらっています。

そして部屋にグリーンがあることも気持ちが喜ぶための重要なポイント。お花がひとつあるだけで、部屋の空気が変わりますよね。シンプルな部屋だからこそ、ひとつ大きな花瓶に活けることで生き生きとした主役に。ひしひしと感じる植物のパワーに知らないうちに力を分けてもらって。

寝具も気分を上げる毎日を作るのに欠かせないアイテム。肌触りがいい、気持ちいい、という感覚は深い眠りと安心感を運んできてくれます。ゆっくり眠ることは元気な毎日を過ごすためにいちばん大事なことだから、自分が心地よいと思える寝具を選びます。わたしは無印良品のガーゼケットをベッドカバーに。ガーゼのふわふわとした肌触りがなんともいえない安心感をもたらしてくれます。


人生に喜びを招き入れる部屋づくり

少ないものでも気分が上がる部屋ができあがってくると、ひとつひとつの物それ自体の価値が、自分にとってとても大きなものであることに気づき始めました。好きなものが厳選され「見える化」したおかげでそれぞれの存在感をひしひしと感じ、しかもうれしくて楽しい。これは喜びの種を自ら部屋に撒くようなものかもしれない。そんなふうにさえ思いました。

もちろん人生は楽しいことばかりではないですし、思うようにならないこともたくさんあります。それでも好きなものを感じられる部屋がわたしにもたらしてくれたものは、喜びは自分で作り出せるという小さな自信でした。それは新芽のようにまだまだ小さな自信ですが、確かにもたらされた実感でもありました。

たとえ物が多くても少なくても片付いていなくてもミニマルでも、その人にとって心地よさを感じられるか、 そして自分が自分であることに自信を与えてくれるような、人生を後押しをしてくれるような部屋であったなら、それはその人にとってかけがえのない場所なのだと思うのです。

部屋は自分を映す鏡である。

いつもその言葉を胸に、今日も喜びを作り出せる人生を歩んでいきたいと思います。

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