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[小児科医ママが解説] 赤ちゃんのゲップが出ない。どうしたらいい?

産まれて数ヶ月、1日に何度も授乳が必要な赤ちゃん。

「ゲップさせてくださいね」と
授乳指導のときに言われた気がするけど、
いくら背中をさすっても、ゲップが出ない…

こんなお悩みも、よく相談いただきます。

ゲップを出しやすくする方法はある?
ゲップが出なくても、大丈夫?

そんなことに、お答えしていきます。

ゲップが出なくても、大丈夫。


いきなりかーい。
という感じですが、正直、
ゲップが出なくても、医学的に重大な事態になることはまずありません。

授乳のときに飲んだ空気が、上から出ればゲップになるし、
ゲップが出なければ、下からオナラになって出てくる。

それだけ、といえば、それだけです。

「奇声」や「うなり」は、ゲップのせいかも。


「ゲップが出ないせいで、苦しくならないですか?」
というご質問もよくいただきます。

もちろん苦しいか苦しくないかは、赤ちゃんのみぞ知る…
というところはありますが、

ゲップが出ないせいだけで、不機嫌な時間が増えるとか、
呼吸が苦しくなるという報告は医学的にはありません。

ただし、ゲップが出したくても出せない、というときに
「きぇーーーー!」などの奇声をあげたり、
「んんんんん…」などとうなったりする赤ちゃんは、
経験上いそうだな、という印象があります。

ゲップ以外にも、空気がお腹のほうにくだってきて、
オナラとして出る前なども、こうした謎の声をあげることはあると思います。

お子さんの顔色が悪い、というのでなければ、
こうした声をあげていても、必ずしも苦しいというわけではないので、
安心してもらえればと思います。

ゲップ対策(1) ちびちび飲む


とはいえ、少しでもゲップを出しやすくする方法はないかな?
と気になるもの。

ここでは、米国小児科学会("Why Babies Spit Up"、"Breaking Up Gas")や、小児科学の書籍(「正常ですで終わらせない! 子どものヘルス・スーパービジョン」阪下和美、東京医学社、2017年)に掲載されている方法をご紹介します。

①授乳の途中でも、ゲップさせる
●哺乳瓶の場合は、60-90mLのんだら、一度ゲップ。
●母乳の場合は、片乳が終わったあとに、一度ゲップ。

②乳首から出るミルクのスピードを遅くする
●乳首のサイズを小さくする。
(メーカー記載の月齢はあくまで目安です。お子さんが明らかに飲みづらそうでなければ、小さくしても問題ありません。)

要は、ちびちび飲む、という感じですね。
そのほうが、授乳のときに胃に入る空気が少なくなる可能性が高いからです。

ゲップ対策(2) 自転車こぎこぎ


一般的には、ゲップを出す時は、
たて抱きにしたり、背中をとんとんしたり…
といった方法だと思います。

ここでは、上記で紹介されている、ほかの方法「自転車こぎこぎ」をお示しします。

赤ちゃんを、あお向けに寝かせる
→赤ちゃんの足を、自転車をこぐように、左右交互に動かす。
→(おちついた・安全な状況なら)そのまま少しうつぶせにする
→また、あお向けにもどす

結構ダイナミックですよね。

授乳の直後にこんなことやったら、
吐いちゃうんじゃない?と思われるかもしれません。

ただ赤ちゃんの消化のスピードは遅いので、
別にこれをやらなくても、授乳から何時間もたってるのに、
吐き戻しちゃうということも、よくあります。

また、うつぶせにしていいの?とも思いますよね。
もちろん、親御さんの目が届いた状態でやってもらいたいですが、

起きている時間に「うつぶせ」の姿勢をとることは、
乳幼児突然死症候群(SIDS)の対策にもなり、
また頭の形対策にもなるんでしたよね。

実際に、白井も長男・次男のときにトライしてみましたが、
かなりこれでゲップが出せることが増えました。

赤ちゃんのゲップ問題、これは離乳食の時期に入ってからも続きます。

離乳食のあとに赤ちゃんがゲップを出そうとして、
全部吐き出してしまう…みたいなことも、よくあります。

離乳食を食べたあとに、吐いてしまった。でも元気。
こんな時は、ゲップを疑うサインです。
(他にも離乳食のお悩みは、こちらにまとめました。)

毎日お世話をしていると、いろんな小さなことも気になりますが、
少しでも安心して、前向きに毎日が送れるような、
お助けになれば幸いです。

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