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初めての方のための『2001年 宇宙の旅』・・・とりあえずあの難解シーンは「こう」見てください!

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私がこんな偉そうな記事を書く気になった理由は明白です。

私個人は大好きな『2001年宇宙の旅』が、しかし、確かに複雑難解すぎる映画でもあり、いきなり観た人が「なんじゃこりゃわけわからん!」と怒ってしまう可能性も高いことを危惧してのことです。

まあ、ぶっちゃけ、

私自身、この映画が、やっと「私なり」に解釈できて、大好きになったのは、三回くらい観てからのことでしたしね、、、

大きなお世話、と言われることも覚悟ですが、

以下、「これから初めて『2001年宇宙の旅』にチャレンジする人のために、先輩鑑賞者であるところの私から「みどころ」を解説させていただこうと思います。

ただし、もともとが、「観た人それぞれによっていろいろな解釈」ができるように、謎だらけに作ってある映画、ここに書いていることも「私の解釈」にしかすぎませんので、ぜひ、これから『2001年宇宙の旅』を見る方は、私自身の解釈とは「また違う」独自の解釈を開拓してほしいと思っております。、、、という前提で、ここでは、「私の」解釈を何卒、語らせてください!

それでは・・・

「もう何回も観てる」という人にはきっと「いまさら」に見えるし、それどころが「偉そう!」と怒られるかもしれませんが、私が「初めて2001年を観る人」に伝えたいポイントを以下に列記します!


ポイント1:実は映画館の大音響で鑑賞するために計算されてる映画なので、自宅で見る場合は途中で「飽き」てもガッカリしなくていい!

まあこれは『2001年宇宙の旅』に限らず、多くの昔の名画について言えることですが(タルコフスキーとか溝口健二なんか特にねw)

スマホやビデオはおろか、テレビもまだ普及していない頃に作られた映画の大作というものは、そもそも自宅で見ることを考えてないw

日曜日とかに、映画館に「今日は映画を観るぞー」と気合を入れて、体調を整えて集まってきた方々を、大画面と大音響で圧倒的に飲み込むために特化しています。

当たり前のように見えて、これ、昔の映画を観る時に大事な点、、、自宅で見ていたらたぶん、リアルタイムで見た人より10分の1くらい鑑賞としては不利だということ。

特に2001年は、

あのテーマソングの、オーケストラの「パパーン」という音響が、映画館が震えるくらいの迫力で出力されることを計算してる、、、これを自宅のテレビで音量も近所迷惑にならない程度に絞って見ていたら、ぶっちゃけ、「集中できない」「とちゅうで飽きてくる」ほうが人間としては自然ですw

どうすればいいのか?

ヘッドフォンとかを使って、できるだけ音響に集中できるようにして、頑張って観て!、、、と言いたいところですが、そうもいかない人には、

すなおに、、、休憩をとりながら見てくださいw

2001年は特に、途中で、「10分間くらい、いろいろな音楽や映像が流れるがストーリーは先に進まない」ようなことも平気で起きる、

現代の常識からすると贅沢すぎるくらいゆったりと時間が流れる映画なので、これを特に最近の若い人が、飛ばしたり、倍速にしたりすることは、むしろ当然の欲求かも。

しかし、私は言いたい!

途中で早送りしたり、倍速にしたりするよりは、何日かに分けてもいいので、ちゃんと最初から最後まで見てほしいw。そしてその時、「名画と言われているこの作品を途中で『飽きてきた』私は、映画鑑賞センスがない人なのか?」などと悩まないこと。

どだい、時代も環境も違うので、リアルタイムの人と同じように我々が楽しめないのは仕方ないです、、、リアルタイムでこの映画を見た世代はどれだけの大感動を得ていたかと、嫉妬しながら、無理のないペースで見てください!

ま、その上で、言いますが、どうせ好きになる人は「『2001年宇宙の旅』、初回は途中で飽きちゃったけど、なんか魅力ある映画だったので、もう一度、観よう、、、初回よりは集中して観られた、よし、もう一度、観よう」となってきて、、、やがてどハマりすると思うので。

ポイント2:実は四つほどのエピソードが重なってできている映画だと事前に知っておくとよい

これも大事。この映画は複数の時代の複数のエピソードが重なっている。

これを知らないで観てしまうと、「あれ?なんか舞台が変わった?さっきの主人公は?」とミッシングするw

私の数え方では、以下、四つのエピソードでできているのが、この『2001年』なのです。

1:人類の黎明期。類人猿が、謎の黒い隕石からメッセージを受けたことで、道具の使い方を覚える。人類文明の始まりのエピソード

2:月面探索の話。ここがたぶん『2001年の宇宙の旅』ってことなんだと私は思ってる。月で発見された謎の黒い隕石を調査するチームが、その隕石から放たれる謎のシグナル(音波)をキャッチするまで。宇宙ステーションが出てきたり、テレビ電話が出てきたり、レトロなSF世界の「旅行風景」がめちゃくちゃ楽しい

3:暴走するAIとの死闘の話。謎の隕石のメッセージを受けた人類は、木星に向かって宇宙船を飛ばす。だが、木星探索船は、木星に到着する前に事故で続々とクルーを失う。その事故の原因は、、、なんと、人間の感情に目覚めたAI、「ハル」による殺人だった、という話。正直、この第三エピソードだけを切り取ってひとつの映画にしたら、最高レベルに怖いSFホラー映画になると思うほど、怖い。

4:宇宙船で唯一生き残った船長が、ようやく木星にたどり着き、謎の「存在」とついにコンタクト成功する話。サイケデリックロックのMTVも真っ青なほどの、ぶっ飛んだ「精神世界のトリップ映像」が、文字通り、観客を洗脳してくるw

ポイント3:テーマは「人智を超えた存在との出会い」なので、とうぜん、というべきか、最後には理解不能な現象がいろいろ起こって終わる(それゆえにあのオチについて「これが正解」という解釈はない)

変な言い方だが、この映画のラストは、「人智を超えた存在」を表現しているので、人間にとっては意味のわからない現象がいっぱい起こる、、、それら個々のシーンに「どういう意味だろう?」と粗探ししても、たぶん、正解はないですw。「人間に理解できない存在」を表現しているんですからね、、、だから、ラストについては、ただただ「不思議なモノに出会った」というインパクトだけを受け取れば、それでこの映画は十分と思う

ポイント4:が、、、そうはいっても世の中の「考察好き」たちにとっては、色々な解釈をこの映画に仕掛ける楽しみもあるわけで、、、私の解釈をお伝えします

あくまで、参考として、

私が『2001年宇宙の旅』をどう解釈したかを、述べさせていただきます。

1:類人猿のエピソードの意味は?

おそらく、この宇宙のどこかにいる「高次の精神」が、最初から人類を監視していて、人類に道具を与えたり、火を与えたりして、人類の進化を促していた、ということ。我々地球人は、知らぬ間に、宇宙の「高次の精神」の助けを借りて、文明を築いてきたのだ。

2:月にあった黒隕石の意味は?

「高次の精神」が、地球人を監視するために、大昔から月においていたものと思われる。

「ピー」という音波を発したのは、

「かつてはただの猿だった地球人が、ついに自分たちで月まで辿り着ける技術を持った」ことを受けて、黒隕石が「次のメッセージ」を出したのだと思われる。

それが、人類に向けてのメッセージなのか、それとも宇宙の果てにいる「高次の精神」に向けて、「地球人がついに月まで来たよ!」と連絡をしたメッセージだったのかは謎。個人的には、両方の意味を同時にもったメッセージを発したのだと思っている。

3:AIの「ハル」が暴走したのは?

これは特に「高次の精神」とかとは関係ない、ただの事故だったと思う。

ただし、映画の中の位置付けとしては、

・人間を模倣していたAIが、人間でいう「悪の心」に目覚めた

・しかし、肝心の、ホンモノの人間である船長は、この後、「高次の精神」に触れたことで、人間を超えるモノに進化できた

というわけなので、AIの「ハル」は、嫉妬や憎悪や自己中心性にまみれた「これまでの人類の限界」を表現していたと思う。

人間を模したAIは、悪に目覚めた。だが、AIに模倣されたはずの人間は、自力で「悪」すらも超えて、もっともっと進化できるはず、、、ということかと思う。そう見ると、人類にはまだ進化する可能性があったけど、「ハル」はそれについてくることができない運命、、、あそこで決別するのが定めだったわけですね、、、

4:最後の老人と、赤ちゃんは、なに?

「高次の精神」の導きによって、船長自身が、時間を飛び越えて、

未来の自分と、転生した後の自分を「幻視」したのだと思う、、、が、もしかしたら、「幻視」どころか、時間を早送りされて、強制的に輪廻転生させられたのかもしれない。

ただし、最後の赤ちゃんは、何かしらの意味で「進化」した、新人類に生まれ変わった船長を示していると思う。類人猿に文明を与え、月に来た人類にメッセージを与えた「存在」は、今度はファーストコンタクターである船長に、新しい人類のキーを与えたのだ。

いずれにせよ、このラストは、「人類はまだまだ、高い存在に、進化可能」という前向きなメッセージだと私は思ってる

ポイント5:続編の『2010年』は、観なくていいw

これだけたくさんの神秘的な謎を振り撒き、たくさんの考察の余地を与えてくれた『2001年宇宙の旅』ですが、、、

実は、この映画の謎に「答え合わせ」をしてくれる、公式の続編『2010年』が存在する、、、が、はっきり言って、「なんじゃそりゃ?」と興醒めするガッカリな「答え合わせ」ばかりをする、超絶駄作なので、『2001年』ファンからは「なかったこと」にされている続編ですw。

そういうものだと割り切って観てみると、面白いかもしれませんが、

『2001年』を読み解くには、何の役にも立たない「珍続編」なので、別に観なくてよいですw。ていうか、誰だよこの続編を作った奴はw

まとめ

長い記事となってしまいましたが、これから『2001年宇宙の旅』に初挑戦するという方、ぜひ、楽しんでくださいませ!

そして繰り返しになりますが、初回は、だいたいみんな「長くてしんどい!」「意味がわからなかった」という感想を持つところから、「しかし、、、もう一度見てみよう」と少しずつハマっていく映画ですので、初回でピンと来なくてもどうか諦めず!

そして無理をせず、

たぶん人生をかけて、「何年おき」くらいに何度も見返していくうちに、いろいろな解釈が自分の中に生まれてどハマりする、、、そんな息の長い付き合い方をぜひ、してくれればと思います!


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子供の時の私を夜な夜な悩ませてくれた、、、しかし、今は大事な「自分の精神世界の仲間達」となった、夢日記の登場キャラクター達と一緒に、日々、文章の腕、イラストの腕を磨いていきます!ちょっと特異な気質を持ってるらしい私の人生経験が、誰かの人生の励みや参考になれば嬉しいです!