あなたはどんな人?
自分はどんな人間か、言葉をもって説明することを考えてみよう。教師だとか看護師だとかの答えは、あなたの一つの側面でしかない。何を指針として、世界と現実をどのように捉えていて、そして、これからどの方向に向かって生きていくのか。
言葉を使ってこれらを見える化すると、思わぬ発見がある。問いかけられると、脳は自動的に答えを探すようにできている。例えば「なぜ自分は決めたことが習慣として続けられないのか」といったネガティブな質問には「自分は飽き性だから」などというお手軽な答えが脳から返ってくる。それが真実であろうとなかろうと。
逆に、「どうしたらこの職業につけるか」というような未来に広がるような質問には、脳は想像力を駆使しようと試みる性質がある。そう、想像力を使って未来の自分を描く能力は、あらゆる生き物の中で人間だけがもつ能力なのだ。
以下はThe Guardianという媒体でユヴァル・ノア・ハラリがインタビュー質問に答えていたもの。
歴史家であり作家でもあるユヴァル・ノア・ハラリは、オックスフォード大学で博士号を取得した後、エルサレムのヘブライ大学で歴史学の講義をしている。ベストセラーに『Sapiens: A Brief History of Humankind(サピエンス:人類史)』、『Homo Deus: 21世紀への21の教訓』、『サピエンス:グラフィック・ヒストリー第1巻』『Sapiens: A Graphic History Volume 2 - The Pillars of Civilization』がある。
オーディブックでは『人類の物語 Unstoppable Us ヒトはこうして地球の支配者になった』が面白い。子供に向けて話しているようで、実は大人たちにこそ、その目を開眼させてくれる書だ。以下はユヴァルのインタビューから。
いつが一番幸せでしたか?
今です。20歳や10歳のときよりも、自分の期待を現実に合わせることができるようになった。
最も恐れていることは何ですか?
失ったものに気づかないまま、人間性を破壊してしまうこと。
最も古い記憶は?
私の最も古い歴史的記憶は、第一次レバノン戦争と6歳のときのフォークランド紛争だ。HMSシェフィールド号の沈没をテレビで見たことを覚えている。とても深い印象が残っている。
最も尊敬する存命中の人物とその理由を教えてください。
個人的なレベルでは、このコビトの時代にシングルマザーとして一人で2人の子供を育てている友人。彼女は本当のヒーローです。歴史上の人物なら、おそらく第三次世界大戦から世界を救ったミハイル・ゴルバチョフを選びます。
あなた自身の中で最も嫌う特質は何ですか?
どんな特質にもプラスとマイナスの可能性がある。重要なのはその使い方を学ぶことだ。例えば、怒りと正義は同じ性質だ。怒るか、正義を求めるか。
あなたが最も大切にしているものは何ですか?
自分の体。
あなたの超能力は何ですか?
物事をありのままに観察できること。
自分の外見で一番嫌いなところは?
笑顔を作るのが難しい。ほとんどすべての写真で、私は少し不機嫌に見えます。
もし絶滅したものを復活させることができるとしたら、何を選びますか?
サンゴ礁を救いたい。絶滅はしていないけど、その途上にある。
あなたの最も好ましくない習慣は何ですか?
周りの人に感謝するのが苦手。私が彼らに感謝していることを知っているのが当たり前だと思ってしまう。
年を取ることで何が怖いですか?
精神力を失うこと。
読まなくて恥ずかしい本は?
ありません。どの本も必読だとは思わない。
大人になったら何になりたかった?
愛される人。
今まで言われた最悪の言葉は?
瞑想に何年も費やして、そういうことを手放すことに成功したと思う。
最も後ろめたい喜びは何ですか?
喜びに対して罪悪感はない。
両親への恩は?
たくさんの感謝。両親はいつも私のそばにいてくれた。時にはどうすればいいのか、何をすればいいのかわからないこともあったけれど、私が幼い頃、両親にたくさんのクソを投げつけていたときでさえ、彼らはいつも最善を尽くしてくれた。
あなたの人生で最も愛した人は誰ですか?
夫のイツィク。私たちは同じイスラエルの小さな町の出身で、20年前に最初の出会い系アプリで出会い、2010年にトロントで結婚した。
これまでで最悪の仕事は?
16歳のとき、夏休みの初めに工業用バルブを作る工場で働いたんだけど、ヒストリアンよりもずっとひどい工業用バルブ製造者だった。
最も失望したことは?
いまだに人生を理解していないこと。若い頃は、いつかは理解できる人が現れるだろうと思っていた。もう45歳だし、そういう人に出会えない可能性が高い。
自分の過去を編集できるとしたら、何を変えたいですか?
21歳ではなく、16歳か17歳でカミングアウトしたい。
最後に泣いたのはいつですか?
数年前に愛犬が死んだとき。休暇でギリシャに行っていて、友達が家で見ていたんだけど、ヘビに噛まれたんだ。急いで家に帰ったんだけど、数時間遅かった。
最後に何か重要なことについて考えを変えたのはいつですか?
今年、COVIDの件で。私は大きな問題に対する世界的な協力の必要性を強く信じているが、この1年の世界を見て、それは私が思っていたよりもずっとずっと難しいことであり、もしかしたら不可能なことでさえあることに気づかされた(この質問に答えているのは 2021年)。
これまでで最も死に近づいた経験は?
13歳のときにバスにひかれそうになった。1991年の湾岸戦争では、イラクのミサイルが私の家の近くを直撃した。
人生で最も重要な教訓は何ですか?
すべては変化し、人は決して満足せず、すべてのアイデンティティは虚構であるということ。
死んだらどうなると考えるか?
それについては何度も書いてきた。今の意識は1分前、1日前、1年前と同じであるという感覚を持っているが、実際には、ある瞬間の意識と次の瞬間の意識を本当に結びつけているものはまったく明確ではない。それを理解できれば、死ぬときに何が起こるのかも理解できるだろう。確かに私には理解できないので、わからない。
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これらと同じ質問を自らに問いただしてみると、ひょっとして自分でも驚くような答えが出てくるかもしれない。特にブレーンストーミングのようにどんどん書き出していくという作業は非常に効果的だ。そこら辺の性格診断テストよりずっと的を得ていて、今後の生き方の方向性のヒントになるかもしれない。
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