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三つ子の魂百まで続くが、性格は変わる話

 人の個性は何歳からあるでしょうか。
 乳児にも性格の違いがあり、幼児ともなれば個性も相当に強くなります。
 「三つ子の魂百まで」とはよくいったもので、たしかに生涯変わらぬものがあるのかもしれません。

 思えば私も幼少期から、根本的なところは何も変わっていないような気がします。
 ASDでHSPな性分に、人に感情が伝わらない表情を標準装備して、自己犠牲に偏った真面目な性格を背景に他者にも自分にも厳しい在り方は、率直に言えば「生きづらい」ものでした。

 特性は変わらないと半ば諦めつつ、それでも工夫しながら生きていこうとしていた私にとって、妻との出会いは僥倖でした。小学生の頃から精神分析学の書籍等を愛読し、趣味とは思えぬほど心理学や精神医学に造詣の深い妻は、私の特性を理解した上でナチュラルに認知行動療法を促してくれるような軍曹です。
 
 先日も自分の性格について思考の堂々巡りに頭を抱えていたところ、一刀両断を受けましたのでご報告申し上げます。

「性格は変わらない」って、そうやって自分を規定して、自分の言葉に縛られて身動き出来なくなってるんじゃない。仮定するのは別にいいけど、いつの間にか仮定が仮定じゃなくなって、絶対に変わらないことになってる。

妻語録 辛辣な事実を正面から突きつける構図

 ぐうの音もでない正論です。
 しかし正論は人を追い詰めます。

 三つ子の魂百まで…と呟いたところで一言、

「惺仁さん、変わってきてるもの。」
「昔はもっと怖かった。」

たまにデレる

 軍曹との邂逅から約14年。
 どうやら私も変わってきているようです。


 変わらないと思っていた前提が崩れることを度々経験します。それが好ましい前提の場合には悲劇ですが、ときに事態が大きく好転するような前提の崩壊も起こりうるものです。破壊と創造は表裏一体。何を変えていきましょうか。


 拙文に最後までお付き合い頂き誠にありがとうございました。願わくは、貴方の抱える固定観念が心地よく崩壊し、新しい可能性に満ちた世界が訪れますように。




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