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1人部活でのトレーニング【前編】

学校で部活動があり、一緒に練習をする仲間が多い方はそれ程悩んでいないかも知れませんが、1人で練習をするのはとても難しいと思います。そんな方に、少しでもヒントになればと思い今日は書いていきたいと思います。


注意事項

まず冒頭に書いておきたいのですが、私が書く内容は自分自身がプロトライアスリートとして走った経験のうち、うまくいったなと感じていたものと、引退後に自転車競技を趣味でやっていた時に、現役の頃にもっとこうしておいた方が良かったなと思い取り組んだこと。

それらを応用して息子を指導してうまくいったもの、またはうまくいかなかったものから学んだことを基に構成されています。科学者でも研究者でもありませんし、データやエビデンスでどうのこうのという話は一切ありません。L2がどうのこうの、L5はもっとこうじゃないと・・・、難しいですよね(笑)

実際そんな難しいことを考えたりしなくても、大まかにやらなければならないことは似通ってくると思いますし、その根幹になっている考え方は大きく変わらないので、それを分かりやすく捉えることも大事だと思っています。

良く言えば『経験』、悪く言えば『感覚』で書いていきたいと思いますので、そのエビデンスは?とか言われると、そんなものはありませんし必要ないと思っています。別のコーチと呼ばれる方のnoteをご覧ください。

あくまでも現場主義的な人間の発言ですので、専門的にコーチングをやられている方には受け入れ難い内容かも知れません。その点については先にお詫びしておきます。

お詫び&ここでそっと閉じてください

追い込むことが全てなのか?

一緒に苦しむ仲間がいる方が、『アイツには負けたくない!』という気持ちになりやすく、追い込むトレーニングはとてもやりやすいんじゃないかと思います。

では、1人では質の高いトレーニングはできないか?私の意見としては、そんなことはないと思っています。

人数が多いトレーニングでのメリットは、先にも書いた通りしっかり追い込むことができるということです。

ですが、本来追い込むトレーニングばかりをするのが質の高い練習ではありませんし、その下地となるトレーニングをきちんとすることで、追い込んだ時のパフォーマンス向上は大きくなるというのが私の基本的な考えです。

下地(基礎)を作っていく

では、その下地というのは何を指すかですが、ペダリングや走行技術というものももちろんありますが、今日はその辺りのテクニックは話しません。ここでは『地脚作り』をその下地と捉えて話を進めていきたいと思います。

ピラミッドを想像して頂ければ分かると思いますが、一番下になる基礎部分の大きさ、これがピラミッドの高さを決定する要因になることが分かると思います。

ピラミッド(イメージ)

土台が大きければ大きい程、ピラミッドを高く積んでいくことが可能です。少し厳しい言い方になるかも知れませんが、ジュニアの選手でここを充分にやられている選手はほとんど見たことがありません。

息子がそれなりのポジションで高体連のレースで結果を出すことができたのは、ここを重点的にやっていたのが大きいのではないかと思っています。それをここから書いていきます。

オッサンができてジュニアができない?

まずジュニアの選手全般に言える事ですが、頑張るのが得意!だと思います。練習で頑張ると、『今日は強くなったぞ!俺が一番頑張った!』と、とても手応えを感じることができますし、分りやすいですよね。こういう練習は、人数が多い方が良いと思います。

一方で、適切なゾーンを設定してその強度で走ることが不得意なような感じます。要は、頑張るんじゃなくて『決めた努力感で走り続ける』ということです。周りにライバルがいると、『アイツには負けられない!』というこの想いが邪魔になります。これ、オッサンとかはメチャクチャ得意です(笑)

他人に左右されないオッサンという生き物

パワーメーターが絶対に必要?

このお話をすると、パワーメーターが必要なのか!?となるかも知れませんが、私は心拍計を用いるのがベストだと思っています。

ジュニアの選手はトレーニングをするとすぐに強くなるので、パワーメーターでFTPを計測したりしてもすぐに更新してしまうため、トレーニング強度が適切になりにくく、心拍管理する方が強くなった分も含めて同じ負荷を再現しやすいと思っています。
※これについては基本は大人も一緒だと思っています。

エアロビックトレーニング

まず、一番ベースになる部分をエアロビック(有酸素)トレーニングという風に呼んでやってきました。最大心拍数の70%~75%をターゲットゾーンとして設定します。最大心拍数が200拍の選手であれば、140~150拍くらい。このゾーンで走り続けます。

ローラーであれば簡単にできると思いますが、実際のロードトレーニングであれば信号や一旦停止のない、短い周回コース(うちでは2.0㎞周回)を作れるのであれば、そういったところがベストだと思います。

それをはじめは30分くらいから始めていき、同じペースでできるようになったら40分、1時間という感じで徐々に長くしていきます。うちでは長くて3時間程延々と続けることもありました。
※心拍が上がってきたら、ペースを落として心拍を維持します。

オフシーズンでは全体のトレーニングの70%、トップシーズンでも60%程度はこのトレーニングに時間を割いてきましたので、その重要性が分かって頂けると思います。

ちなみにこれは、単独走で行うことが重要です。自分で風を受け続けながら、負荷を一定に保つということです。なので、1人部活でも全然問題なく行えます。

狙える効果

このトレーニングでの効果ですが、
1.低心拍でのスピードが向上していく(地脚が付く)
2.ベースができあがることで、負荷の高いトレーニングを数多くこなせるようになる
3.心肺機能そのものが向上する

これらの効果が期待できると考えていました。

日によってペースは結構変わりますが、ペースを気にして心拍を上げたら意味がありません。どれだけ遅くてもこのターゲットで継続することが重要です。

中学生の頃は完全平坦コースですが、心拍145拍設定(走行中上下5拍以上ずらさずに、アベレージで145拍に収める)で、40km走るのにAvg30㎞/h前後だったと記憶していますが、高校3年生で一番仕上がっていた時は、80㎞をAvg37.1km/hというペースで走ったこともありました。

このスピードで独走できますから、レースでAvg40km/hを少し超えるくらいの集団ではまず千切れることはありませんし、もし千切れても一人で戻ることも可能です。事実、高体連のレースでは、トラブル以外でメイン集団から遅れたことは、1年生の時のインターハイのみでした。

陸上競技では当たり前のトレーニング

こう書くと少し変わったトレーニングと思われるかも知れませんが、これは陸上長距離でいうところのジョグと呼ばれるトレーニングです。

陸上長距離の選手はこのトレーニングを地脚作りとして重要視しますが、自転車競技ではあまり注目されていないように感じています。

ちなみに、このトレーニングは負荷を保ち続けることが最重要ですので、止まらないことが一番大事です。

信号で何度も止まりながらジョグしても、効果はかなり低くなってしまうのと一緒の理屈ですね。そのため、止まらなくても済むコースがないのであれば、ローラーでやるのがベストだと思います。

ジョグが速くなると・・・

ジョグが速い選手は全力で走れば当然速いですし、自転車でももちろん同じだと考えていました。また、全力のトレーニングはたくさんできませんが、このトレーニングであれば、身体への負荷も大きくありませんのでそれなりにボリュームを積むことも可能です。

私の感覚ですが、これをやったことない選手が週に3回を3週間続ければ、劇的に変化が表れてくると思います。
※効果効能を約束するものではありません・・・。

ということで、気が付けばまた3000字を超えるボリュームになってきました・・・。志半ばではありますが、今日は一旦これで終わります。

これ需要ありますかね?続きを見たいと思って頂ける方は、『スキ』♡ボタンを押して頂けると、少し早目に次を書くと思います(笑)
本日も、最後までお付き合いくださりありがとうございました<(_ _)>

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