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いつまでも強くあり続けることの難しさ。卓球のパリ五輪女子選手選考。15歳の張本美和選手が3枠目。東京五輪「金」の伊藤選手は落選

いつまでも強くあり続けることの難しさを感じた。今年行われるパリ五輪の卓球女子選手の選考。3枠目の選手に15歳の張本美和選手が選ばれた。前回の東京五輪で金メダリストとなった伊藤美誠選手(23)は落選。追いかける若者の勢いが評価される形となった。それだけ卓球界の選手層が厚いともいえる。張本選手にはパリで最大限の力を発揮してほしい。

2枠目までは選考ポイントで上位だった早田ひな選手(23)と平野美宇選手(23)が確定していた。

日本女子のエース的な存在の伊藤選手。東京五輪では混合ダブルスで金メダルを手にしていた。しかしパリ五輪の選考レース中に、腰のけががあり、満足いく結果を残せず選考ポイントで3位に終わった。

通常であれば団体戦要員の3枠目に伊藤選手が選ばれてもおかしくなかった。しかし、3枠目はポイント順でなく、日本協会が「団体戦でシングルス及びダブルスにて活躍が期待できる選手1名を強化本部が決定する」という形だった。

そこで選ばれたのが選考ポイント4位の張本選手だった。「逆転」のような形となった選考。この選考には明確な狙いがあった。強豪の中国に十分戦えるメンバーかどうかだ。

張本選手は中学3年生。最近の勢いは目覚ましかった。昨秋以降、ダブルス種目で中国のトップ選手を続けて倒していたからだ。シングルスでも敗れたものの、世界ランキング1位の選手にフルゲームまで戦う大接戦を展開した。

東京五輪で女子団体は銀メダル。日本にとって「金」を手にすることが悲願だ。そのための最後のピースに、張本選手を抜擢する形となった。

伊藤選手は東京五輪でシングルス3位。何としてもシングルスで金メダルを取るのが大目標だった。そのシングルスの選考争いで上位2人に入れなかった。

シングルスの代表枠を逃したのちに、伊藤選手は「(3枠目に)選ばれても出るかどうか、はっきりと決まっていない」という発言をしている。

今回の3枠目の選考について、渡辺武弘・女子日本代表監督は、伊藤選手の発言は影響しなかったと強調している。日本団体の金メダル獲得へ、張本選手の伸びしろに期待したのだろう。

張本選手は兄の智和選手とともにきょうだいでパリ五輪に臨むこととなった。「緊張、どきどきの方が大きい」と語る美和選手。自らの勢いをチーム全体に波及させられれば、日本は大願成就に大きく近づけるだろう。

日本のスポーツ界は入れ替わりが激しい。4日まで行われていたカーリング日本選手権では、北京冬季五輪で銀メダルを手にしたロコ・ソラーレが決勝トーナメントに進めなかった。いつまでも強くい続けることの難しさを改めて思い知らされた。

それは若手らが台頭している証しでもある。卓球界では15歳の美和選手の活躍が期待される。パリできらびやかに輝いてほしい。

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