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1軍登板3度目の右腕が、「9億円」マー君に投げ勝った。「年俸1000万円」日本ハムの立野投手がプロ入り初勝利

「レジェンド」との投げ合いとなる時、若手投手はどんな思いでマウンドに立つのだろう。今季から1軍で投げ、わずか先発3度目の右腕が、マー君と投げ合うのだ。

プロ入り2年目の日本ハム、立野和明投手(23)。しかも6月に入って1軍デビュー。前回登板では5回途中4失点で降板した。その投手が首位の楽天戦に挑んだ。

立野投手は、そもそも高校2年の秋に本格的に投手へ転向したという「遅咲き」のピッチャーだ。甲子園の出場はなく、社会人を経て、ドラフト2位で日本ハム入りした。

6月30日の仙台での楽天戦。苦しい立ち上がりだった。初回にいきなりヒットを許すなど、無死一、二塁にしてしまう。ここで強打者浅村選手を併殺に打ち取り、一息つきたかったが、その後も二者連続で歩かせて、二死満塁のピンチ。なんとか次の打者を打ち取り、危機から脱出した。

二、三回も走者を三塁に置く苦しい場面は続いたが、ここも何とか無失点で切り抜けた。
ここまでで被安打3、四球4を与えていたが、最後の一線を踏み越えさせなかった。

四、五回はようやく落ち着いて、三者凡退に斬って取った。そして、ここでお役御免。5回81球無失点。

この日は、140キロ台後半の直球、スライダー、フォーク、カーブを織り交ぜて、相手にタイムリーを許さなかった。苦しみながらも見事にゲームを作り上げた。

すでにチームはリードしており、救援陣が守り抜いて、立野投手がプロ入り初勝利を達成した。

ただの初勝利でない。苦しみながらも、相手の先発マー君に投げ勝ったのだから。

「プロ未勝利」対「日米180勝」、「年俸1000万円」対「9億円」、「甲子園未経験」対「夏の全国優勝投手」。あらゆる点で見劣りするのは否めない。しかし、若手がブレイクする時に、レジェンドに勝って自信がついたからという要因もあるだろう。

「レジェンド」マー君に投げ勝った。そこでつかんだ初白星を糧に、さらなる飛躍を期待したい。

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