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新天地で人はきっと輝ける。オリックスへトレードされた吉田輝星投手が連日の好投。日本ハム時代の苦悩が消えた。「輝」きを取り戻し、チームの「星」に

4月は進学や就職、人事異動などで新天地に飛び込んだ人が多いだろう。その場所で、人はきっと輝ける。オリックスに移籍して1年目の吉田輝星投手(23)が自らの好投で、実証しようとしている。鳴り物入りで入団した日本ハムからの電撃トレード。古巣にいた頃は苦悩した日が長かったが、環境が変わって連日の好投。まぶしいまでの光を放っている。

秋田の金足農業高時代は、甲子園の星となって、第100回の全国選手権で準優勝に輝いた。「カナノウ旋風」の立役者だった。剛速球の魅力を評価されて、2018年のドラフト会議で日本ハムに1位指名されて入団。将来が約束されたように見えた。

日本ハム時代は最初の3シーズンで先発マウンドに立った。しかし手にした勝利はわずかに1勝。2022年シーズンからリリーフ登板が中心となった。

それでも打ち込まれる試合が続き、結果を出せない。昨季は1軍登板がたった3試合。昨季オフにオリックスへトレードに出された。

電撃的なトレード劇に、驚いた野球ファンが多かっただろう。まだ日本ハムで5シーズン。ドラフト1位投手を見限るには早すぎるように思えたからだ。

北海道から大阪へ職場が変わった。新天地のオリックスはパリーグ3連覇を達成している。そのチームで活躍の場を得られるのか。

新天地で結果を出したい。吉田投手は開幕1軍のメンバーに入った。そして開幕戦に登板のチャンスが回ってきた。

3月29日のソフトバンク戦。七回にリリーフでマウンドに立った。先発投手が2点を勝ち越されて、なお1死二塁のピンチ。吉田投手は、セカンドゴロ、見逃し三振に仕留めて火消しに成功した。

この活躍が認められ、重要な場面で任されるようになった。31日のソフトバンク戦では1-1と同点の六回に2番手で登板。3人をピシャリと抑えて、移籍後初ホールドを手にした。

ロッテ時代に捕手として活躍した野球評論家の里崎智也さんは「低めに制球できるのであれば、ストレートも力強いですし、変化球も生きるということで、いいスタートを切った」と評価している。新天地で制球力に磨きがかかったのが、好投の秘訣のようだ。

今季5試合に登板。4回3分の2を投げて、失点はわずかに1。防御率は1.93と安定感が漂っている。日本ハム時代には、もっとも活躍した2022年シーズンでも防御率は4.26。今季の1点台は見違える活躍だ。

日本ハム時代の苦悩が消え去った。「輝」きを取り戻し、オリックスの「星」になりつつある。

環境が変われば、人は生まれ変われる。新天地で人はきっと輝けるのだ。慣れない環境にとまどう人は多いかもしれない。それでも慣れれば、きっと自分らしさを発揮して、輝きを放てるはずだ。

新天地で活躍する吉田投手が、新たな環境に身を置く人へエールを送ってくれているように思える。ガンバレ、吉田投手!頑張ろう、新天地にいる人たち!

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