みんな、このベテラン投手のことを愛しているんだなあ。そして復活してほしいんだなあとも思った。ロッテの34歳唐川侑己投手のことだ。キャンプ中の動画をめぐり、「唐川トレード」の言葉がSNSでトレンド入りしてしまった。これは「早とちり」。ただ、その裏には唐川投手のことを今も応援していることが伝わってきた。

きっかけは、ファンがアップしたと思われる動画だ。ロッテは石垣島でキャンプ中。ここで唐川投手がバッグを担いで、選手やスタッフに握手を求める姿が写っていたのだ。

この姿がまるで別れを惜しんでいるように見えたため、トレードでロッテを去るのではないかと「早とちり」したように思われる。そしてXで「唐川トレード」がトレンド入りしたのだ。

唐川投手は成田高校時代に甲子園を沸かせた。2007年のドラフトでロッテから高校生1位で指名を受けた。千葉の高校から地元の球団へ。マリーンズファンの心をつかみ、長く愛されている。

2008年シーズンから1軍で登板し78勝をマーク。近年はブルペン陣の一角として投げていた。ただ登板数は2021年38試合、2022年17試合、そして昨季はわずか6試合と減ってきていた。

最近活躍していない状況が、動画の様子から「トレード」で去ると思わせてしまったのかもしれない。

唐川投手は昨年末の契約更改で35％減の7150万円でサインしている。新シーズンでは先発で勝負する意気込みだ。

唐川投手はルーキーシーズンから15年連続で白星を挙げていたが、昨季未勝利でついに途絶えてしまった。今季は復活を賭けたシーズンとなる。

事実でない「唐川トレード」のワード。これが一人歩きしてしまったが、トレンド入りした背景に、唐川投手が今も愛されて、復活を遂げてほしい願いがあると思った。

選手が活躍しなければ、ファンの記憶からしだいに離れていくもの。しかし唐川投手は今もファンの心をつかんでいる。もうひと花咲かせてほしいのだ。

「早とちり」のワードがトレンド入りしてしまったことは残念だが、これを復活のバネにしてほしい。

唐川投手、まだまだいけるはずだ。1軍の先発マウンドに立ち、今季は勝ち星を積み重ねてほしい。