40代、老け込んだとは言わせない。ヤクルト石川投手とソフトバンク和田投手。2人が競う交流戦通算勝利数。高校時代からの因縁も

40代、まだまだ老け込んだとは言わせない。そんな気概が伝わる2人のピッチングだ。ヤクルトの43歳石川雅規投手とソフトバンクの42歳和田毅投手だ。2人は交流戦の通算勝利数でしのぎを削っている。歴史を作り上げている2人の投球を見られる幸せをしみじみ感じている。

13日現在、交流戦通算勝利数でヤクルトの石川投手が28勝でトップ。ソフトバンクの和田投手が1勝差の27勝で2位だ。

先週は2人がともに勝利投手に輝いた。まずは和田投手だった。9日に本拠福岡で行われた巨人戦。和田投手は5回3分の2を投げて1失点。

初回にいきなり2者連続ヒットを浴びるが、続く打者を併殺打。4番岡本和真選手を空振り三振に抑えてピンチを脱出した。これで波に乗り、序盤三回まで無失点に。

四回に岡本選手にソロアーチを喫したが、許した失点はこれだけだった。味方打線が二回に3点を奪って援護してくれたのも大きい。和田投手は勝利投手となり、交流戦通算27勝目。トップ石川投手に並んだ。

翌日の10日、トップに並ばれたヤクルトの石川投手がマウンドに上がった。所沢で行われたアウェーの西武戦。前日の和田投手のピッチングをテレビ観戦していたという。同世代の投球について「励みになるし、刺激をもらっている」という。

石川投手は西武打線を相手に、「のらりくらり」と打ち取っていく。直球は130キロ台前半だが、コーナーを突き、クイックモーションも織り交ぜて、打者のタイミングを崩していく。

幻惑のピッチング。これで相手のスコアボードに「0」を連ねていった。5回3分の2を無失点。四回に味方打線が先制してくれて勝利投手となった。これで再び交流戦勝利で単独トップに返り咲いた。

現役選手が通算記録を狙う時、追いかける対象はすでに引退している人の記録の場合が多い。しかし、交流戦勝利数は現役投手2人の競り合いとなっている。

和田投手が勝ってトップタイとなっても、翌日に石川投手も勝って引き離される。40代2人のつばぜり合い。これを見られる野球ファンは幸せと言っていい。

2人は高校時代に甲子園で対戦している。1997年夏、秋田商3年のエースだったのが石川投手。島根の浜田高2年で背番号「1」をつけていたのが和田投手だった。

この試合は押し出しで秋田商がサヨナラ勝ち。その時にマウンドにいたのが和田投手で、打席に立っていたのが石川投手だった。高校時代からの因縁が続く関係と言っていい。

今季は交流戦であと1試合、2人に登板機会がありそうだ。通算勝利を競う石川投手と和田投手。ベテラン2人の投球に注目だ。絶対に老け込んだとは言わせない。

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