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豪打の智弁和歌山が初戦敗退。夏の地方大会は22年ぶり。甲子園で魔曲「ジョックロック」は聞けない?

このニュースに高校野球ファンの誰もが驚いただろう。智弁和歌山が夏の地方大会で初戦敗退。2年前の夏の甲子園を制するなど春夏通算4度の全国制覇の名門校。今夏の和歌山大会も優勝候補に挙げられていた。その強豪がまさかの初戦敗退。有名な応援歌「ジョックロック」は今年の甲子園で聞くことはできないのか。

智弁和歌山は2017年から夏の甲子園に5回連続出場している(2020年は大会が中止)。今年の選抜大会にも出場した常連校だ。

強力打線の伝統は有名で「豪打の智弁」と言われている。そして、その攻撃を盛り上げているのが応援曲だ。なかでも「ジョックロック」は魔曲とも言われ、数々の勝利を呼び込んできた。

15日に行われた和歌山大会初戦は2回戦の高野山戦。智弁和歌山は初回を三者凡退に抑えて上々の立ち上がり。直後の攻撃。四球で出た走者を送りバントで二塁へ。三盗を決めた後、浜口選手がライトへの犠牲フライとノーヒットで1点を先取した。

五回に湯浅選手がレフトフェンスの二塁打。この試合のチーム初安打。暴投の間に加点した。六回を終えて2-0とリード。しかし、ここまでヒットは1本のみ。2点奪っているが、いつもの智弁と様子が違う。

七回の守備。この違和感が形に表れる。高野山は1死後、鴨嶋選手の内野安打、小川選手の二塁打、長谷川選手のレフト前ヒットの3連打で1点を返す。さらに3四死球が重なって、この回3失点で逆転された。

智弁和歌山は八回に2本の安打で好機を作るが、あと一本が出ない。逆に九回に1点を追加された。

九回裏、2点を追う智弁和歌山。三塁スタンドからは逆転を信じて「ジョックロック」が鳴り響く。打者に力を与えてくれる音楽だ。しかし最終回で大ピンチ。通常よりも演奏のテンポが速く感じる。

簡単に2死を取られて「土俵際」に追い詰められる。ここで5番中塚選手がセンター前にヒット。まだまだ、これからだ。一発出れば同点になる。「豪打の智弁」なら、それも起こりえる。

夏をここで終わらせない。その思いは次打者の湯浅選手の心に強く刻まれていたはずだ。五回にはレフトフェンス直撃の二塁打を放っている。次はさらに距離の長い当たりを放つ気合があってもおかしくない。

しかしワンストライク後の2球目。ふらふらっと飛ぶセカンドフライに倒れた。ゲームセット。智弁和歌山の早すぎる夏の終わり。22年ぶりとなる夏の初戦敗退となった。

2001年に初戦敗退した翌年。智弁和歌山は夏の甲子園で準優勝に輝き、昨夏のリベンジを果たした。来季のチームの選手たちにも先輩たちの無念をぜひ晴らしてほしい。

SNS上では、今夏の甲子園でジョックロックが聞けないのかといった嘆きの声も聞かれた。これについては、まだ分からない。同じ「智弁」の奈良の智弁学園もこの応援曲を使っている。春の近畿大会を制して、奈良大会の優勝候補だ。

智弁和歌山の初戦敗退は衝撃的だったが、「ジョックロック」ロスは、まだ早い。奈良の智弁学園の戦いを見守ろう。

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