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「じゃない」人の活躍にエールを送りたい。西武がソフトバンクの甲斐野投手を獲得へ。FA移籍に伴う人的補償。当初は大ベテラン和田投手がターゲット

こういう形での移籍に、本人は複雑な思いではないだろうか。ソフトバンクの甲斐野央投手(27)のことだ。西武からソフトバンクへ移籍した山川穂高選手の人的補償として、甲斐野投手が西武に移籍することになった。ただ、西武が元々ターゲットにしていたのは大ベテラン和田毅投手だった。「補欠」扱いでの移籍。甲斐野投手の新天地での活躍を期待したい。

山川選手が国内フリーエージェント(FA)でソフトバンクに移籍したのが昨年末だった。西武はソフトバンクから人的補償として選手を獲得することができる。

ソフトバンクは人的補償から28選手を防止できる。ほかに外国人選手や直近のドラフトで獲得した選手も人的補償の対象外だ。

それ以外の選手から、西武は獲得することができる。そして目を付けたのが日米通算163勝の和田投手だった。42歳の大ベテランとはいえ、昨季も8勝を挙げているソフトバンクの顔的な存在。

しかし、一部スポーツ紙で、和田投手の西武移籍の可能性が報じられると、事態は一変。ホークスファンが猛抗議。そのため両球団で話し合い、西武の獲得選手が変更されたという。

そこで白羽の矢が立ったのが、今季プロ6年目を迎える甲斐野投手となった。最速160キロ右腕。2018年にソフトバンクにドラフト1位指名を受けて入団。ルーキーイヤーに65試合にリリーフ登板し大活躍だった。

2年目に右ひじをけがして以降は伸び悩んでいたが、昨季は46試合にリリーフ登板。防御率2.53と復活の手ごたえをつかんでいた。

甲斐野投手の心中を察すると、複雑な気持ちになる。甲斐野投手が自ら移籍を願い出たわけではない。その上、西武に移籍するのは和田投手と見なされていたのに、騒動に発展したため、「和田投手じゃない」補欠扱いとして、甲斐野投手が移籍する羽目になったのだから。

ソフトバンクが元々、和田投手を移籍防止の28人に入れておけば問題なかったはずだ。西武は若くて実績を残している先発投手が多くいる。そのため、和田投手を移籍防止にいれておかなくても指名されないだろうと、ソフトバンクは考えたようだ。

しかし西武が和田投手獲得を打診したため、ホークスファンからの猛抗議という騒動となった。チームの顔ともいえる和田投手が移籍防止の1人に入っていなかったことは、本人にもショックではないだろうか。「チームを去っても仕方ない」と見なされたのだから。

甲斐野投手も人的補償の最初の候補として獲得されていたら、良かったはずだ。それが和田投手の「補欠」扱いとして移籍するのは複雑だろう。

今季は西武のユニホームを着ることになった甲斐野投手。2月からはキャンプも始まる。気持ちを切り替えて臨んでほしいと思う。

「じゃない」人と見なされた甲斐野投手にエールを送りたい。フレー!フレー!甲斐野投手に幸あれ!


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