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"歴史" 系 note まとめ

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2022年4月の記事一覧

「学習歴史まんが」はどれが良いのか?

たまたま見つけたのだが、素晴らしい企画で、杏さんの説明も、親が子供に買うということを想定した場合の痒いところ(重さとか、値段とか、冊数とか)に手が届く感じで感動した。 歴史を教える仕事をしていると、お子さんが小学校高学年や中学生にあがる友人から漫画で読む歴史に興味があるらしいんだけどどれが良いのかなーという相談を受けることがあるので、今度からこれを勧めたい。 こういう記事もある。 小中学生に歴史を学んでほしい、という願いもあるのだけれど、実はこれ、小さい字で書いてある注

次世代デジタルライブラリー以後の歴史研究

https://negadaikon.hatenablog.com/entry/2022/04/18/000000

歴史を学ぶなら民族もセットで学ぶと理解が深まる【徒然読書35】

最近歴史関連の本が増えている気がします。 特に現代につながるテーマですね。 国際紛争が起こるたびに、歴史を振り返ろう学ぼうという気運が巻き起こるのを否定はしないけれど、普段から教養として幅広い時代を知っておきたいなと感じます。 その中でも、民族に触れている本となるとわずかです… 歴史を語るには民族概念が必須であるにもかかわらず。 日本史専攻からすると「民族」を意識することは少ないけれど、刀伊の入寇や元寇、アイヌ、琉球を考えると民族に対する理解、世界史的視点が必要になっ

能でみる、木曾義仲の最期とその忠臣たち:「巴」「兼平」「木曽」

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で宇治川の戦いのエピソードが放送されました。 木曾義仲の最期は教科書などで知っている方も多いかもしれませんね。 巴御前の格好よさや木曾義仲の生涯に心を打たれた方もいらっしゃると思います。 義仲や巴御前、また忠臣の今井兼平が登場する能の演目があります。 巴(ともえ) 上演回数が多い演目です。巴は女武者として有名ですね。 能では武士が登場する演目を「修羅能」といい、ほぼ男性が主役ですが、修羅能の中で唯一女性が主役の演目が「巴」です。 「巴

歴史嫌いだった僕がコテンラジオと『歴史思考』に出会って考えた、パースペクティブの解放と人文知の可能性

お疲れさまです。uni'que若宮です。 突然ですが、僕は「歴史」がだいっきらいでした(笑)。実に45年間、なんらの興味をもてず冷めた目でみてきた僕が『歴史思考』なんていうタイトルの本をわざわざ予約してまで読むようになるとは… 『歴史思考』のメタ認知コテンラジオの深井龍之介さんの『世界史を俯瞰して、思い込みから自分を解放する歴史思考』を拝読しました。 チンギス・ハン、イエス・キリスト、孔子、マハトマ・ガンディー、カーネル・サンダース、アン・サリヴァン、武則天、アリストテ

チューリップ熱愛|イスタンブル便り

 3500万円。  現代のお金に換算すると、それくらいだったという。家の値段ではない。チューリップの球根一個の話である。  チューリップの国、といえば、ほとんどの日本人は、オランダ、と答えることだろう。それは日本だけの話ではない。風車、木靴、チューリップの三拍子は、世界的にオランダの定番である。チューリップの輸出世界シェアの9割を占めるのはオランダなのだそうだ。  わたしのような「トルコ関係者」は、そこを「いやいや、じつはチューリップの原産はトルコで、それをオランダ人が

歴史を学ぶとは~「風雲児たち」林子平の恩人説と廃仏毀釈から思った事~

先年お亡くなりになった漫画家・みなもと太郎氏は、ボクにとっては『風雲児たち』の作者としての印象が一番強くありまし。 基本、ギャクタッチですが、関ケ原の戦いから始まり、蘭学事始め解体新書が出来るまでや蛮社の獄を丁寧に描き、その分、いつになったら幕末が始まるんですか~(T〇T)、とやきもきさせられ、掲載雑誌が変わったりしながらもほぼ40年。幕末編だけでも20年近くを連載されていました。 それでもまだ幕末の途中というか、伊藤博文の塙忠宝暗殺編で連載は止まっていて、まだまだこれか

★歴史情報サマリーβ版★(0159)

Webサイト等でリリースされた様々な歴史情報を閲覧等しやすいようにまとめさせていただきました。皆様のお役に立つことができれば幸いです。 <INDEX> 1. [深読み「鎌倉殿の13人」]木曽義仲の入京と平家の都落ち。その裏事情を探る 2. 「安政の大獄」のイメージは誤解!”暴走キャラ”扱いされた大老・井伊直弼の実像 3. 生存から功績まで、すべてが謎に包まれた聖徳太子の素顔とは? 4. なぜ平清盛は目覚ましい昇進を重ねることができたのか?[前編] 5. なぜ平清盛は目覚まし

歴女の真理ちゃん(尾道編)「覚明神社」

向島(広島県尾道市)にある「覚明神社」の簡単な紹介漫画を描いてみたのでアップします。神社と言っても小さな祠。大河ドラマ「鎌倉殿の13人」には登場していませんが、木曽義仲の次男(義重)にまつわるお話です。向島に「木曽」姓が多い理由がここにある? 近くの地蔵院には木曽義重一族の家臣36人を祀った「三十六苗荒神」があるそうですが、こちらはまたの機会に。

ラバウルの奇跡

もしインパールの戦いは史上最悪な作戦なら、同じ時期太平洋戦場にあるラバウル島の出来事はまさに奇跡と言えます。 太平洋戦場は非常に厳しかった、米軍のアイランドホッピング(飛び石)作戦により、全ての島を攻めるではなく、戦力薄く重要な島のみ攻撃し、要塞化された島は補給線を断つことで自滅させるという戦術が使われ、多くな兵士が食糧不足でなくなりました。 しかし、ラバウル島は例外でした。開戦時10万人の部隊は1943年から島に閉じ込まれてから餓死者どころかちゃんと三食を取れて、しかも

笠に隠された日本女性の秘密!江戸後期の古文書、山東京伝の『骨董集』中巻を訳してみた~第3回(全6回)

前回の第2回目は、提灯・行燈という火を灯すものに注目した、山東京伝の考証でした。今回はたった一項目「笠」です。現代ではまったく使われなくなってしまいましたので、あまり関心が持てないかもしれませんが、なかなか興味深いことが書かれています。日本女性の笠の使い方に隠された秘密とは?乞うご期待!(これは考証随筆で、全文が訳したものです) 1.笠の下に布を垂る『秋斎間語(宝暦三年印本)』巻の二に、 享禄二年の古画が載っている。 後述のように、今思うには、家長の女性は 被衣※のような

【新刊案内】『完全解説 南北朝の動乱』(株式会社カンゼン)

執筆協力した書籍が発売されました! 株式会社カンゼンさんより発行の『完全解説 南北朝の動乱』(かみゆ歴史編集部編)です。 昨日、献本が届きました。 南北朝時代には、後醍醐天皇、足利尊氏、楠木正成などの有名人が多く出てきます。しかし、敵味方が目まぐるしく変わる難しさから敬遠されがちです。 しかし、近年は大河ドラマで『鎌倉殿の13人』が放映されるなど、一般にも中世史の関心が高まっているようです。 連載中の歴史コミック『逃げ上図の若君』の主役である北条時行の解説もあります。

平安時代、「異族襲来」に巻き込まれた男の壮絶な体験

画像=藤原隆家。刀伊の入寇に対応した貴族。  歴史に名を遺す人間は、政治家・武将・文化人など何かしらの業績を成し遂げています。  行政文書に役人や庶民の名前が記録されていることはありますが、そうした「無名の人」が印象に残ることはまずありません。  ところが、歴史の中に埋もれていくはずの「無名の人」の事績が、強い印象をもたらすことがあります。  先日紹介した『刀伊の入寇』(中公新書)には、以下のような逸話が紹介されています。 「刀伊の入寇」の概要「刀伊」とは現在の中国

木曽義仲は「義」の漢だった

トップ画像出典:Wikipedia 「義」の漢昨日の「鎌倉殿の13人」、前回の上総広常の粛清に続いて、今回は木曽義仲が討死してしまいました。 ところで義仲ってこんなにカッコ良かったっけ?? 今まで、「平家物語」で描かれた、礼儀知らずの山猿のようなイメージが強く、こんなにも礼節を重んじ「義」に篤い武将とは思っていなかったのです。 それにしても後白河法皇や源頼朝・義経の「悪」ぶりがさらに際立つようになってきました。 最後の挨拶に訪れた義仲なのに、屏風の裏に隠れて出てこな