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”国際系” note まとめ

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This magazine curates notes relating to stuffs between globalness and localness.
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2018年9月の記事一覧

航空券ガチャでイスラエルを引いた (後編:バンクシーのパレスチナ)

バスに乗り、パレスチナのベツレヘムという街に向かっている。外は曇り空で、どんよりとした重い空気が車内にも広がっている。 パレスチナという地域について、その文脈を語り尽くすことは到底できない。いくつものピースを抜き取られたジェンガのような、複雑で不安定な歴史の上に成り立っているのがパレスチナだ。さしあたり旅人が抑えておくべきは、イスラエルとの仲が悪いということである。パレスチナでの宿は予めとってあったのだが、その予約完了メールには「このメールは印刷するな。イスラエルの空港で行き

子ども自身で考え、改善し、自己肯定感を高める!!オランダの「コーチング教育」現地視察報告会まとめ。

世界ー”こども”が幸せな国と言われるオランダ。 ・テストもない ・宿題もない ・時間割は自分で決める それでも(だからこそ、かもしれないが)労働生産性は日本の1.5倍だという。 そんなオランダの教育に以前から興味があり、オランダの教育視察報告会に参加させて頂いた。視察に行って来たのは、北海道教育大学の越智くんと長澤くんだ。今回のブログでは、その報告内容をふまえ、わたしなりに感じたこと、考えたことを記録しておこうと思う。 ■ティーチングには限界があるんじゃないの?越智く

『おもてなし幻想』を読んで学んだこと

『リッツ・カールトンに宿泊した男の子が、ジョシーというお気に入りのキリンのぬいぐるみをホテルに忘れてきてしまったが、リッツ・カールトンのスタッフはそれをただ送り返したわけではなかった。ジョシーがリッツ・カールトンにその後も滞在し、プールでくつろぎ、他のぬいぐるみと友達になり、ゴルフカートに乗ってゴルフを楽しむ姿を撮影し、そのアルバムと数々の無料アメニティとともに、家族の元に送り返したのだった。』 本書はこういった感動ストーリーを安易に礼賛する風潮を粉砕するために書かれていま

見栄の美学

私はインテリアの仕事をしているが建築学科もデザイン学科も出ていない。歴史学科の出身だ。 偶然イギリス近世史のゼミに入り、産業革命を成し遂げた大英帝国と、繁栄の歴史とは逆説的に繰り広げられる独特な精神史に夢中になった。卒論ではウィリアムモリスを題材に、産業革命期の(リアルな)農村文化と都市でつくられた(ユートピア的)農村文化のイメージの乖離を説いた。 数え切れないほどの書籍を読んだ。史実的なことはだいぶん忘れてしまっているけど。 そんな私から見て。イギリス文化を一言で言う

侮るなかれ、オレたちを!のアンタッチャブルハンガリアンムービー。

「ヒットマン:インポッシブル」ハンガリー🇭🇺 突然ですが、ヨーロッパ映画とひとくくりにすると、それは大きな間違いで、国によって、様々なカラーがあるなぁと思います。 フランス、イタリア、スペイン、イギリス。 この辺りは言わずもがな、欧州の中でもメジャーどころで、見たことがあるという方も多いと思います。もちろんそれぞれのお国で独特のカラーがあります。 ドイツ、ポルトガル、ポーランド。 この辺りは映画好きな人は、監督が名が知れていて見たことあるかも、という国々。 私が上記の

言語を学んでたら、差別も学んでた、なんてことのないように

「いただきます」って英語で何ていうの? ——英語を勉強している人から、こういった質問をされることがあります。 例えばキリスト教徒だったり他に宗教を持ってたりしたら別かもしれませんが、英語には同じような表現がありません。みんなが言う共通の言葉というのはない、というのが答えになります。 それでも、日本で育って英語圏に行った人は、現地で友だちとかホストファミリーがご飯を作ってくれたとき、どうしても「いただきます」っぽいことを言わなければならないような気がしてしまうかもしれません

アヴィニョン 法王とワイン

マルセイユから電車で1時間半くらい北西に行ったところに、アヴィニョンという街がある。最初に聞いたとき、ピカソの「アヴィニョンの娘たち」に関係があるのかと思ったが、このアヴィニョンとピカソのアヴィニョンは別物らしかった。ピカソの絵画は、バルセロナのアヴィニョ通りにあった売春宿の娘たちを描いたもので、名前は似ているが全く別の場所らしい。 この南仏アヴィニョンにかつていたのは、キュビズムの娘たちではなく、ローマ教皇だった。 南仏らしい白い石造りの街並みが印象的なこの街は、かつて

日朝の大学生が交流、国交のない国で生まれた出会い

北朝鮮をめぐる動きが活発になる中、再開された取り組みがあります。日本と北朝鮮の学生による交流イベントです。ただ、平壌(ピョンヤン)でのイベントに密着すると、学生たちは互いの国に対して「怖さ」を抱いていたようです。こうしたイメージを乗り越え、若者たちは両国の架け橋となれるのでしょうか。(ニュース23 9月5日)  「きっと会えるよ」  「会える、会える、絶対会える」 別れを惜しむ2人。ここは、北朝鮮・平壌です。 抱き合っているのは、日本の大学生、田尾紗衣(たおさえ)さんと

第1章 小麦も米も同時に、いくらでも同じテーブルに上がる、不思議な中央アジアの食卓 〜中央アジア 北東部の場合〜

はじめて中央アジアの食文化を知った時、1番の驚きは圧倒的な炭水化物の多さだった。 何しろ、同じ食卓に米料理とパンが一緒に出てくるばかりか、食卓に上がる他の料理も、小麦粉と肉を合わせた料理が非常に多いのである。これは初め、驚き以外の何ものでもない光景だった。 米とパンは当然の様に同時に食卓に上がり、しかもパンは毎回どんな料理の時にも必ず毎食登場する。 キルギス人やカザフ人によるとパンは主食であり神聖な意味合いを持つ為、大切に扱わなければならないと言う。 出来る限りパンを残さな

スペイン巡礼22日目:1人になりたい病完治

2018/9/11 Leon-Villadangos del paramo(約22km) 急遽出発を決めた朝。3日ぶりに歩きます。 静まり返る朝6時過ぎの大聖堂周辺。 歩きだして数分、早くも黄色の矢印が見つからない事件。 まわりの巡礼者も迷ってて右往左往。やっと私が信号の真下にあった矢印を見つけてみんな前進できた笑 本当に街中はサインが見つかりづらい… 3日ぶりだから足が心配で、平坦な街中でさえゆっくり歩いていたら、ものすごい人に抜かされるw 住宅街の坂道をのぼった

すべての装備を知恵に置き換える

中央カラハリ保護区に入り、轍を頼りに車を走らせる。道の両脇にはアカシアやアフリカのバラと呼ばれる植物が茂って見通しは悪い。しかし、茂みが途切れると、今度は乾いた平原だけが地平線まで広がる風景を延々と見る羽目になる。まるで地球全体を平原が覆っているかのようだ。その広大さを目にすると、これが世界だ、と思えてくる。 今でこそ、この広大な砂漠には車道が整備されているが、40年ほど前は、道も何もない原野だった。A氏はその大自然に、10代の頃から親しんできた。 A氏のルーツは、オラン

話題のセーシェル代表GKに独占インタビュー!本当の仕事は…?

その風貌でニュースとなりSNS上を騒がせたセーシェルサッカー代表GKデイヴ・ムサード(Dave Mussard)をスペイン現地紙『マルカ』が、なんと独占インタビューに成功し、現地時間12日付で掲載された。 セーシェル代表はアフリカサッカー連盟に所属しており、2019年にカメルーンで開催されるアフリカネイションズカップ出場にむけ現地時間8日にナイジェリア代表とホームで対戦。そこでムサードのサッカー選手とは言い難い『太った』風貌が映し出され話題となった。 ネット上で話題となっ

香港上級者さんにこそ行って欲しい、油絵アート&ITワールドに浸れる深センの魅力

「ITギークな友達がアツイっていう、深センに行こうよ?ずっと行きたかったんだよね」 大好きな香港に行くことが決まって、4日間の旅程の中1日をIT都市、中国深センで過ごしたいとパートナーに提案された。文系女子、ITとか怖いし、パソコンなんてほぼ保有したことない、そんな私は絶対一人じゃ深センに行こうなんて思わない。 海外渡航歴50回のうち香港には5回行っていて、香港の雰囲気はよく知っているので、1日くらいは新しいことしてみたいし、パートナーの好きなところに行ってもいいかな、そ

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留学することにした

1年少し前だろうか、6時30分に起き、7時30分から9時まで英会話に行き始めた。 仕事がら、海外で英語で無理矢理レクチャーをする機会に恵まれ、まわりの協力を得ながらなんとか、やり過ごしてきたけれど、そろそろ限界を感じたのが1年前。 妻の「会社の未来をつくるのは、あなたでしょ」の一言で、僕は英会話の学校に、通い始めたのだった。 週に一度、金曜日の朝、1時間30分の英会話の勉強が始まった。 デイタイムで行きたいところだけれども、それだとスタッフにも示しがつかないので、早起きの苦手