中部地方の石造物㉚:倶利伽羅峠為盛塚五輪塔(伝・平為盛の墓)

画像1
画像2
画像3

名称:倶利伽羅峠為盛塚五輪塔

伝承など:平為盛の墓

所在地:石川県河北郡津幡町/富山県小矢部市 倶利伽羅峠古戦場跡


石川県と富山県の県境に位置する倶利伽羅峠は、平安時代末期に木曽義仲が平維盛率いる平家軍を大破した源平合戦の古戦場として知られる。

現在古戦場は公園として整備され、義仲が用いた火牛の計(中国の戦国時代に斉の田単が用いた戦法が元ネタ)にちなむ牛のオブジェ(三枚目)が建っているが、その近くには「為盛塚」と通称される五輪塔がある。

五輪塔は合戦で戦死した平家方の平為盛(平清盛の異母弟・平頼盛の次子)を供養したものと言うが、五輪塔は鎌倉時代後期の作である。

地輪と火輪が細長い北陸地方に特有の形式を持つ五輪塔で、伝承はともかく石川・富山ともに数少ない鎌倉時代の五輪塔として貴重である。

なお、為盛は『源平盛衰記』では倶利伽羅峠で戦死したことになっているが、慈円の『愚管抄』によると平家一門が都落ちの場面で登場し、また鎌倉時代になっても存命と言う記録もあり、その事跡には不明な点が多い。


#石川県 #津幡町 #富山県 #小矢部市 #倶利伽羅峠 #古戦場 #為盛塚 #五輪塔 #平為盛 #木曽義仲 #火牛 #源平盛衰記 #鎌倉時代 #石塔 #歴史 #日本史


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?