記事一覧
「不名誉な「鳥またぎ米」の悪評から米どころ・酒どころへ!涙ぐましい新潟の成功物語」関友美の日本酒連載コラム(リカーズ5月号)
高校時代からの親友がバーテンダーをしています。都内の商業施設でおこなわれるカクテルイベントに、彼女が招かれると聞いて行ってきました。8席限定、昼間から日本一の称号を得た女性バーテンダーが目の前でカクテルを作ってくれる贅沢な空間。
楽しい雰囲気の中で美味しいお酒を楽しみながら、参加者同士は打ち解け、隣にいた若い女性と会話が自然に盛り上がりました。現在は都心のIT企業で働くという彼女が、わたしの職
アメリカ・カリフォルニア州でつくられる地元で愛されるSAKE(日本酒)Sequoia sake(セコイヤサケ)
「アメリカ・サンフランシスコの醸造所、Sequoia Sakeのテイスティング会をサケストリートで開催することになりました。酒米の生育から本格的なサケ造りに取り組むご夫婦(ジェイクさん、紀子さん)がいらっしゃいます。 国内の日本酒関係者に声をかけています。関さん来ませんか? 」と、サケストリート二戸さんから連絡をもらいました。
そりゃあぜひぜひ、とふたつ返事で、日本酒ジャーナリストの木村咲貴さん
「奥能登の酒蔵復興への願い」関友美の日本酒連載コラム(リカーズ4月号)
2024年1月1日に能登半島地震が発生しました。被害を受けられた皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。
石川県の輪島や珠洲(すず)など奥能登3市町にある日本酒の酒蔵全11社も大きな被害を受けました。古くから酒造りに秀でた「能登(のと)杜氏(とうじ)」の故郷であり、銘醸地である能登には、国内外に出荷している銘柄もあれば、主に地元で人気の銘柄もあります。
建物が全壊したところも多く、今季の酒の仕込
「革新を続ける者のみ“伝統”として残り続ける」関友美の日本酒連載コラム(リカーズ3月号)
昨年、国内第2位の売上高を誇る酒造メーカー「月桂冠」の頭脳ともいえる、「月桂冠総合研究所」がはじめて公開され、行ってきました。呼ばれたのはわたしのようなライターや酒類関係の有識者たちばかり。
月桂冠は、酒どころ、京都・伏見に本社を置く1637年創業の老舗。今年で387年を数えます。明治時代に、11代目の当主・大倉恒吉(つねきち)さんが「杜氏の勘と経験任せでなく科学技術を取り入れて、より安心な酒を
山田錦のやさしい味わいで何個でも食べられる!米粉菓子の店・にちこれペストリー(兵庫県宍粟市)
わたしはフリーランスで日本酒ライターをしながら、兵庫県宍粟(しそう)市にある山陽盃酒造のスタッフとして働いています。だから東京と宍粟(しそう)市との二拠点生活をしています。こんな生活がかれこれ5年以上。経緯は別のnoteでまとめていますので、そちらをご覧ください。
宍粟で暮らすことを決めた時、不便を感じたのはまとまった地域情報がなかったこと。観光協会の情報だけでは距離感もわからない。同じような興
「兵庫県は、日本最大の酒どころです。」関友美の日本酒連載コラム(リカーズ2月号)
「兵庫県って酒どころなんですか?」
昨秋おこなわれた飲み歩きイベントで、兵庫県・播州一献の法被を着て接客していたわたしはお客様から問われました。「灘って聞いたことありませんか?」と聞き返しても、首をかしげます。なんてこった!
兵庫県は日本一の清酒生産量を誇ります。たとえば2023年8月の都道府県別・清酒課税移出量(≒日本酒の出荷量)を見てみると、24,572.9㎘のうち、第1位は兵庫県で全体
【参加レポート】「こびとらんる~じゅ地酒電車」路面電車で広島の日本酒と広島のおつまみを楽しむ会
2024年2月3日(土)、飲食店・味比べ味探しのお店 こびと(広島県広島市)と㈱RCC文化センターの共催で、路面電車で日本酒を楽しむイベント「こびとらんる~じゅ地酒電車」が開催されました。
広島を代表する2つの酒蔵の蔵元さん(藤井酒造(龍勢)と盛川酒造(白鴻))が同乗し、全5種類の日本酒と広島県産特製おつまみが提供されました。
唎酒師(ききざけし)であり、日本酒ライターのわたし関友美も特別ゲス
青森県のイタコを追った写真展//フォトレツ『Grandma Comes Back』に行って。
フォトレツ 作品展『Grandma Comes Back』
2023年12月8日(金)~12月25日(月) 11:00~19:00
青森県八戸のフォトレツさんこと中村烈さんから、「銀座ソニーイメージングギャラリーで個展をやるから、よかったら来てください」とご連絡をいただき、「それはすごい!銀座のど真ん中で個展?!絶対いく行く!」と決め、煮詰まって何日か書斎の椅子で寝落ちしたくらい辛かった大作の原
「備前焼のルーツといわれる寒風須恵器」関友美の日本酒連載コラム(リカーズ12月号)
全国には波佐見焼、九谷焼、有田焼、益子焼などさまざまな焼き物があります。日本酒好きのなかには、酒器にこだわる好事家も一定数いて、語られることも多く、若い時には「へぇ」と右から左へ聞き流していたのですが。ブラタモリの番組内でタモリさんが「花鳥風月の次は、石」と言っていたように、年をとると、段々と動かないものに興味が移ってくるんですね。
各地の特色を持つ焼き物が確立する以前に作られていた、「須恵器
「メキシコから日本酒への情熱:NAMIの挑戦」関友美の日本酒連載コラム(リカーズ11月号)
現在、北米には31の酒蔵があります。中南米には4と少し(建設中の蔵を含む)あるそうです。その内の26蔵が加盟している「北米酒造同業組合(SBANA)」がこの夏、新潟県での酒造研修を実施しました。
研修にあわせて来日したメキシコ人ふたりを車で案内する機会に恵まれ、丸2日行動をともにしました。現地で「NAMI」というSAKEをつくるSakecul社の杜氏・エルネストさんと、蔵人であり酒米育成責任者のル
「4年ぶりに開催!世界最大級の日本酒コンペティション『SAKE COMPETITION』」関友美の日本酒連載コラム(リカーズ10月号)
去る6月にザ・ペニンシュラ東京でおこなわれた世界最大級の日本酒コンペティション『SAKE COMPETITION(サケコンペティション)2023』の審査会と表彰式と、それぞれ取材で行ってきました。
サケコンペティションは東京の酒販店が中心となって企画され、サッカー元日本代表の中田英寿氏らが携わり「ブランドによらず消費者が本当においしい日本酒にもっと巡りあえるよう、新しい基準を示したい」という理念
「『クラフトサケ』という新ジャンルの現在」関友美の日本酒連載コラム(リカーズ9月号)
いまなにかと話題になっている『クラフトサケ』という新ジャンルのお酒。小規模な製造所がつくるクラフトビールやクラフトジンなどが流行し、その流れで注目を集めています。また新規立ち上げをする事業者が20代や30代など若いケースも多いことから、同じ世代の消費者に「僕たちのお酒」という意識が生まれ、心をつかんでいるようです。
サケと言っても、厳密にいうと日本酒ではありません。酒税法上で日本酒(清酒)とは