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日本酒で溺れる夢をみた

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日本酒にまつわる本と飲んだ日本酒の記録
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記事一覧

【酒ログ】 東北泉 純米吟醸 酒未来(山形県飽海郡遊佐町 高橋酒造店)

【酒ログ】 東北泉 純米吟醸 酒未来(山形県飽海郡遊佐町 高橋酒造店)

7月開催予定だったツール・ド・フランスがやっと始まったので、酒をちびちび飲みながら見ている。ルールもあやふやだし、選手もたいして知らないのだけど、ヨーロッパ人が開催するレース競技は独特の空気感があってのんびりみるのが楽しい。日本やアメリカだとスポ根的な雰囲気があって見ていて疲れるのだけど、ヨーロッパの競技は観客からものんびり楽しんでいる雰囲気が伝わってきて楽しい。競技者も競技とは関係の無いところで

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【酒ログ】 田酒 純米大吟醸 百四拾
  (青森県青森市 西田酒造店)

【酒ログ】 田酒 純米大吟醸 百四拾   (青森県青森市 西田酒造店)

北の魔女が死んだ。札幌に住む叔母が亡くなったと連絡があった。30年以上ご無沙汰していた方なのだけど、子供の頃によく遊んでもらった事を思い出す。こんなご時世なので、葬式への参列は遠慮することに。残念だな。冷蔵庫の中から、一番札幌に近い場所で作られた酒をということで田酒を出してきて献杯。コロナが落ち着いたら線香上げにいきます。

田酒は言わずと知れた大人気酒。私は田酒を燗にして飲むのが好きなのだけど、

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【酒ログ】 鍋島 純米吟醸生酒 風ラベル(佐賀県鹿島市 富久千代酒造有限会社)

【酒ログ】 鍋島 純米吟醸生酒 風ラベル(佐賀県鹿島市 富久千代酒造有限会社)

家で日本酒を飲む時には蕎麦猪口を利用しています。蕎麦を食べる時に、つけ汁を入れる器です。うちにある蕎麦猪口には、口の内側のスグ下に線が引いてあるのですが、そこまで酒をつぐと、だいたい一合になります。いつだったか、家にある全てのそば猪口の内容量を測ってみたことがあって、多少の誤差はあるのだけど、どれもだいたい1合だったんですね。これって蕎麦猪口組合とかで規定されているのかしら。私は毎日の酒量を1合位

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【酒ログ】 一白水成 愛山 純米吟醸 (秋田県南秋田郡 福禄寿酒造)

【酒ログ】 一白水成 愛山 純米吟醸 (秋田県南秋田郡 福禄寿酒造)

飲んだ日本酒の記録を残します。

子どもを寝かしつけた後、冷房がキンキンに効いた部屋で本を読みながら酒を飲むのが楽しみの一つです。昨晩は十二国旗の最新刊4冊に手を付ける前に、それ以前の巻を読み返しながら「愛山」を使った「一白水成」を頂いた。「愛山」とは、酒米の名前。最近は「愛山」を使う蔵が増えていて嬉しい。元々は「剣菱」という蔵が守ってきた酒米で「山田錦」や「雄町」といった有名な酒造好適米を祖先に

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【酒ログ】 遊穂 ゆうほのあか 生酛純米吟醸 火入 原酒(石川県羽咋市 御祖酒造株式会社)

【酒ログ】 遊穂 ゆうほのあか 生酛純米吟醸 火入 原酒(石川県羽咋市 御祖酒造株式会社)

飲んだ日本酒の記録を残します。

急に熱くなりました。先日の東京は気温が36度まであがりまして、子どもたちも外を歩くのを嫌がります。無理もない。塾などは車で送迎してあげるのだけど、ふと車の外気温計をみたら42度に。中東の砂漠並ですよこれ(後で調べたら、クウェートでは気温51度ですって、すみませんでした)。こんな暑い日は、しょっぱいものが食べたい、しょっぱい料理には力強い酒をあわせたい。そんなわけで

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【書評】 人間が一生のうちに飲める純アルコールは2トンまで 『No.1ソムリエが語る、新しい日本酒の味わい方』

【書評】 人間が一生のうちに飲める純アルコールは2トンまで 『No.1ソムリエが語る、新しい日本酒の味わい方』

ほぼ毎日読書をし、ほぼ毎日「読書ログ」を書いています。70冊目。

『No.1ソムリエが語る、新しい日本酒の味わい方』(田崎真也)

医者と話をしていて「人間が一生のうちに飲める純アルコールは2トンまで」と教わった。

日本酒1合で純アルコールは20グラム位だから、1合なら10万杯飲める。毎日3合飲むなら90年位飲める。なんだ、結構いけるじゃない。

でも、話に続きがあった「この2トンに近づくと、

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日本酒道の入り口として 『いつも、日本酒のことばかり。』

日本酒道の入り口として 『いつも、日本酒のことばかり。』

ほぼ毎日読書をし、ほぼ毎日「読書ログ」を書いています。350冊目。

明けても暮れても日本酒のことばかり考えているという著者による、日本酒への思いやこだわり、取材をすることで得た酒造りの裏話などをまとめた1冊。そのボリューム、なんと300ページ超。

『いつも、日本酒のことばかり。』(山内聖子)

本書は、いわゆる日本酒に関するあらゆる薀蓄を集めたような専門書ではない、日本酒全般を話題にしたエッ

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これは日本酒文化の底上げを狙う啓蒙書だ 『最先端の日本酒ペアリング』

これは日本酒文化の底上げを狙う啓蒙書だ 『最先端の日本酒ペアリング』

ほぼ毎日読書をし、ほぼ毎日「読書ログ」を書いています。348冊目。

フードペアリングといえばワインの世界を思い出すのだけど、日本酒については、そこまで盛り上がる話題ではなかった。

本書では、日本酒とあわせて語られる事の無かった料理とのペアリングについて、これまでの常識や伝統なんぞは一旦脇に置いておき、実際に口と鼻で体験した膨大な組み合わせと、科学についての知識から著者達がコレだと見つけ、実際に

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毎日読書#253 『酒―はる・なつ・あき・ふゆ』(佐々木久子)

毎日読書#253 『酒―はる・なつ・あき・ふゆ』(佐々木久子)

数年前に新橋SL広場の古本市でゲットし、積読していたものを手に取る。

著者の佐々木久子さん、どんな方なのかとWikipediaで調べてみたら、とても面白い経歴をもたれていた。広島に生まれ、3歳から酒を飲んでいた。被爆しており、父親を原爆症で亡くしている。どういう経緯かわからないが、28歳で雑誌「酒」を創刊。97年に501号で廃刊するまで編集長を務める。

坂口三千代に執筆をすすめ、「酒」で『クラ

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毎日読書#235 『米の日本史-稲作伝来、軍事物資から和食文化まで』(佐藤洋一郎)

毎日読書#235 『米の日本史-稲作伝来、軍事物資から和食文化まで』(佐藤洋一郎)

読んでいると米を食べたくなる、米をおかわりしたくなる。米がいかに日本人の心に、細胞の隅々に、DNAに入り込んでいるのか、この本を読むとよくわかる。日本は米だ。米万歳。

大多数の日本人は、食事の事を考える時、米と一緒に何を食べようか、という発想で献立を考える。

パスタなども好まれるが、私の若いころはナポリタンをおかずに米を食べていたので、パスタもおかずだ。

シチューでも米を食べる、あれもおかず

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日本酒がいかにして今の形になったのか『日本酒の科学 水・米・麹の伝統の技』【読書ログ#148】

日本酒がいかにして今の形になったのか『日本酒の科学 水・米・麹の伝統の技』【読書ログ#148】

『日本酒の科学 水・米・麹の伝統の技』(和田 美代子、高橋 俊成)

本書は、日本酒に関して醸造から酒のバリエーション、飲み方・楽しみ方までなんでも紹介しているとの説明だが、特に力が入っているのが酒の醸造についての説明だ。

ページ数にして3分の2位の分量を使って、しっかり、みっちり、実に細かく、科学的な説明や文化、歴史の話も交えて紹介してくれているのだが、この部分が本当に面白い。このあたりはさす

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【酒ログ】 醸し人九平次 純米大吟醸山田錦 (愛知県名古屋市 萬乗醸造)

【酒ログ】 醸し人九平次 純米大吟醸山田錦 (愛知県名古屋市 萬乗醸造)

飲んだ日本酒の記録を残します。

今日は東京に梅雨明け宣言を出しました。ワタシが。今日の東京は、微妙に暑いのだけど、暑すぎない。湿度は有るようで無いようで。晴れもしない、雨が降って熱をさらうような事もない。何もかもが中途半端で面白くない天気。こんな日は爽やかで華やかな酒がのみたい。九平次がのみたい。よし、開けて飲んでしまえ。ということで、ー5度のチルドから出してスグに飲むと爽やかなパインのような甘

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【書評】 日本酒を世界に羽ばたかせた 『「獺祭」の挑戦 山奥から世界へ』

【書評】 日本酒を世界に羽ばたかせた 『「獺祭」の挑戦 山奥から世界へ』

ほぼ毎日読書をし、ほぼ毎日「読書ログ」を書いています。364冊目。

「獺祭」という酒はメディアにも登場することが多いと思うので、ご存じの方も多いのでは。

何故か日本酒好きや、蔵の方々には獺祭を露骨に嫌う方も多いのだけど、私は割と好きです。飛び抜けて美味いとは思わないけど、なんというか、スタンダードな味だし、味が一定でブレが無い、10年近くほとんど同じ味わいで作り続けているのではないかな。

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日本酒のことをあまりにも楽しそうに教えてくれるので読みながら呑み始めてしまう 『日本酒に恋して』

日本酒のことをあまりにも楽しそうに教えてくれるので読みながら呑み始めてしまう 『日本酒に恋して』

ほぼ毎日読書をし、ほぼ毎日「読書ログ」を書いています。36冊目。

酒を飲みながら、深刻じゃない本を読むのが好き。一人居酒屋で大衆小説を読みながら熱燗ちびちびとか最高。

この本も、家で日本酒を飲みながら読んでいたのだけど、本からあふれる日本酒への愛情が濃すぎて、ついつい杯が進み軽いヘベレケになってしまう。

もちろん、どこまで読んだのか忘れてしまうので、また本を開く事になるのだけど、やっぱり飲み

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