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互いに共鳴し合う有機的なつながり。記憶をめぐって描き出される生命感にあふれた世界の響き…★劇評★【ミュージカル=COLOR(2022)】

 劇中のすべてのせりふが音楽が、そしてすべての要素が、互いに共鳴し合って、有機的なつながりを創り上げている-。そんな不思議な感覚を味わわせてくれる新作ミュージカルが誕生した。ミュージカル「COLOR」は、草木染作家の坪倉優介さんが、芸術大学で学んでいたころに遭遇したオートバイの事故で記憶喪失に陥った経験から導き出された、記憶といのちの物語。記憶を失うとはどういうことなのか、記憶のない状態は「無」なのか、記憶を失った状態から何かを生み出せるのか。舞台上には坪倉さんが乗り越えた、あるいは記憶を復活させるという従来型の方法を使わずに生み出した新しい創造の世界への道程を探りながら描き出される生命感にあふれた世界が展開していた。(写真はミュージカル「COLOR」とは関係ありません。単なるイメージです)
 
 ミュージカル「COLOR」は、2022年9月5~25日に東京・初台の新国立劇場小劇場で、9月28日~10月2日に大阪市のサンケイホールブリーゼで、9月9~10日に名古屋市のウインクあいちで上演される。
 
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 ミュージカル「COLOR」は、母親役を濱田めぐみさんと柚希礼音さんがWキャストで演じ、浦井健治さんと成河さんが毎回、ぼく役と大切な人たち役という2つの役柄を交代しながら演じるため、さまざまな組み合わせが組まれていますが、今回、劇評を掲載するのはミュージカル「COLOR」(ぼく=成河、大切な人たち=浦井健治、母親=濱田めぐみ)の回だけです。なにしろ超人気公演のため、取材機会も限られます。どうかご容赦ください。この組み合わせでカバーできない柚希礼音さんのファンや関係者の方には申し訳なく、大変心苦しいのですが、取材の状況にご理解をいただけると幸いです。また別の機会に採り上げさせていただきます。ご了承ください。
 ただし写真は、ミュージカル「COLOR」(ぼく=成河、大切な人たち=浦井健治、母親=濱田めぐみ)の組み合わせだけでなく、すべての組み合わせの中からアトランダムに選ばせていただいておりますので、こちらで舞台の雰囲気をお楽しみください。
 
★ミュージカル「COLOR」公式サイト

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