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異国の人々とのたった一晩の出会いと別れ。私たちはほんの少しだけきのうとは違う場所にいるはずだ…★劇評★【ミュージカル=バンズ・ヴィジット 迷子の警察音楽隊(2023)】

 初めて行く土地で、行き先を間違え、最後のバス。しかも団体で迷子になってしまった外国からの音楽隊には今晩泊まる場所さえない。2007年に公開され話題を呼んだ映画『迷子の警察音楽隊(原題The Band’s Visit)』)を原作に2016年にオフ・ブロードウェイで舞台化され、ブロードウェイに進出した後の2018年のトニー賞では作品賞など10部門を制覇したミュージカル「バンズ・ヴィジット 迷子の警察音楽隊」が日本人キャストで初めて上演された。異なる文化の違和感満載の接触と融合は可笑しくもあり、泣けてくるほど切なくもあり、あの所在のない恥じらいがすべての日本の観客の心の中にもよみがえってくる。明日からはまた他人に戻っていく異国の人々との、たった一晩の出会いと別れ。二度とない出来事。しかし、それは確かにあったこと。私たちはほんの少しだけきのうとは違う場所にいるはずだ。(画像はミュージカル「バンズ・ヴィジット 迷子の警察音楽隊」とは関係ありません。単なるイメージです)

 ミュージカル「バンズ・ヴィジット 迷子の警察音楽隊」は、2023年2月7~23日に東京・日比谷の日生劇場で、3月6~8日に大阪市の梅田芸術劇場シアター・ドラマシティで、3月11~12日に愛知県刈谷市の刈谷市総合文化センター 大ホールで上演された。公演はすべて終了しています。

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★ミュージカル「バンズ・ヴィジット 迷子の警察音楽隊」公演情報=公演はすべて終了しています

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