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【記事公開】美食と歴史と自然を味わえる街―中国・成都

今回のテーマは「大好きな街」

美食と歴史と自然を味わえる街です。

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少し小ぶりの黒い器が運ばれてきた。待ちきれずに器の中身をのぞき込む。想像していた以上に赤く、こってりとしている。豆腐がラー油にどっぷりと浸かっている。日本で食べてきた麻婆豆腐とは見た目の色が全く違っていた。

陳麻婆豆腐。この店は中国四川省成都市にある。麻婆豆腐は代表的な四川料理のひとつであるが、この「陳麻婆豆腐」は麻婆豆腐発祥の店として知られている。1862年に開業というから、中国では清朝末期、日本で言えば江戸末期から続いているような老舗である。陳夫妻が始めたこの店の「紅燃豆腐(ホンシャオドウフ:煮込み豆腐)」は美味しいと評判で、店の看板料理になったという。店を切り盛りしていた奥さんの顔には、あばたがあったことから、「あばた(中国語で麻)のあるおばさん(中国語で婆)」がつくる豆腐料理の意味で、「紅燃豆腐」は「麻婆豆腐」と呼ばれるようになったそうだ。

運ばれてきた麻婆豆腐をレンゲですくって、恐る恐る口の中に入れてみる。こってりとした濃厚な味である。花椒のピリピリした刺激を感じる。唐辛子がタップリ入った料理を食べた時の、口の中が燃えるような、痛さを感じるような辛さとは少し違う。辛いけれど旨味がある。でも、花椒の刺激で舌が痺れる。

二口三口食べると、辛さと痺れで口の中が熱くなってくる。相席になった見知らぬ中国人も、顔をしかめてヒーヒー言いながら食べている。

「中国人だからって辛いのが得意な人ばかりではないのか」と不思議に思って声をかけてみた。

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