丽遥

🦋ファビュラス女児🦋

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断続と連続の弁証法――アラン・ロブ=グリエ『不滅の女』における男の眼差し

はじめに アラン・ロブ=グリエ(Alain Robbe-Grillet, 1922-2008)は、フランスの戦後の前衛小説を指すヌーヴォー・ロマンというジャンルを代表する作家であり、映画監督である。ロブ=グリエは、1960年に脚本を担当した『去年、マリエンバードで』で実質映画監督としてのデビューを果たした。翌年この作品は、ヴェネツィア国際映画祭の金獅子賞を受賞し、彼はアカデミー脚本賞の候補に選出された。その後1963年に発表された『不滅の女』(原題『L'Immortelle』

    • 肉体と衣装をめぐる強さの表象――鈴木清順『肉体の門』におけるファッションの意味作用――

      目次 はじめに 1.強く見せるための衣装 2. 強さへのあこがれ 3. 愛を知った女 おわりに はじめに  鈴木清順(1923-2017)は、戦後日本を代表する映画監督である。鈴木は1956年に『勝利をわが手に 港の乾杯』で日活の専属監督としてのデビューを果たしたのち、『東京流れ者』(1966)や『殺しの烙印』(1967)など多くの日活映画を手掛ける。大胆な映像構成と色彩表現による彼の作品は、当時の若者を中心に人気を博し、その先鋭的な作風によって日活を解雇された

      • 夢二は誰を待っていたのか ――鈴木清順『夢二』における境界が分かつ理想と現実 ――

        目次 はじめに 1. 夢のなかの女 2. 実在しない女・巴代 2-1. 手に入らない女 2-2. 夢二の妄想 2-3. イメージの女 3. 夢二の待ち人 おわりに はじめに  鈴木清順(1923-2017)は、戦後日本を代表する映画監督である。彼は日活の専属監督として、『肉体の門』(1964)、『東京流れ者』(1966)などを発表し、大胆な色彩表現と複雑な映像構成で人気を博す。しかし『殺しの烙印』(1967)では、鈴木は作風が先鋭的すぎると日活を解雇され、以後十年不遇の時を

        • 『夢十夜』「第三夜」における罪の意識と夢の関係 ––意識と無意識のはざまで––

          目次 はじめに 1. 盲目の子どもの正体 2. 鏡の役割 3. 罪に対する葛藤 おわりに はじめに  夏目漱石(1867-1916)は、明治末期から大正初期にかけて活躍した近代日本文学の代表的な小説家である。彼は前期の『三四郎』(1908)、『それから』(1909)、『門』(1910)といった作品では個人の自立に迫ろうとしたが、後期の作品である『行人』(1912)や『こころ』(1914)では近代日本人における自我の確立を分析し、その利己主義を考察した。漱石の代表作の一つであ

        断続と連続の弁証法――アラン・ロブ=グリエ『不滅の女』における男の眼差し

        • 肉体と衣装をめぐる強さの表象――鈴木清順『肉体の門』におけるファッションの意味作用――

        • 夢二は誰を待っていたのか ――鈴木清順『夢二』における境界が分かつ理想と現実 ――

        • 『夢十夜』「第三夜」における罪の意識と夢の関係 ––意識と無意識のはざまで––

          孤独な病人が抱える〈同一のところ〉––萩原朔太郎「地面の底の病気の顔」にみる孤独とは ––

          目次 はじめに 1. 病気の正体 2. 媒介としての青竹 3. 地面の底の病人の〈さみしさ〉 おわりに はじめに  荻原朔太郎(1886-1942)は、大正時代に活躍した詩人である。彼は口語を用いた自由詩を確立し、日本における近代詩を確立した。萩原は1913年に北原白秋が創刊した文芸誌『朱欒』に「みちゆき」など五編の詩を発表し、詩人としての道を歩み始めた。萩原の代表作の一つである『月に吠える』は、1917年に自費出版で刊行された。本作では、孤独や虚脱感、鬱屈とした感情が口語

          孤独な病人が抱える〈同一のところ〉––萩原朔太郎「地面の底の病気の顔」にみる孤独とは ––

          【ホテルシャルマン】昭和ラブホ🏩初♡体験談

          ※2021年末に書いた文章なので情報の相違や変更がある場合があります※  昭和ラブホ。この文字列を見るだけで、その艶めかしさ、覗いてはいけない大人の世界への興味が湧いてくる。昭和ラブホとは、その名の通り昭和に誕生したラブホテルのことである。大抵の場合、当時の豪勢な時流にのっとった夢のあるデザインの部屋のあるラブホテルのことを昭和ラブホという。当時のインテリアデザイナーが本気で腕によりをかけてデザインした一部屋一部屋趣向の異なる仮初めの御殿。入ってみたくなるのが人の子というも

          【ホテルシャルマン】昭和ラブホ🏩初♡体験談