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2020年ベスト現場ライブ 10

現場ライブなんて名づける年が来るなんて思わなかったな。2020年、その会場で直接鑑賞したライブのベストアクト10本を選出。やっぱ2月までと6月以降とではその1公演への思いが変わらざるを得なかった。戻りつつあったライブエンターテイメントも緊急事態宣言によって一進一退を続けている最中。折れそうな時期だからこそ去年の心揺さぶられた時間を刻みつけておく。


10位 12.18 iri Presents “Five Zepp Tour 2020”@Zepp Fukuoka

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初のZeppツアー。Sunset Liveで観たことはあったけどワンマンは初だったしフルバンドセットも初めて。曲聴いてるだけだと、軽やかに小躍りできるなぁって思うシンガーだけど、バンドサウンドはかなりバキバキで。チルを誘う音楽だからと言って音も軽くちゃイカンのだな、と当たり前のことを強く実感した。「Only One」のドラムとかライブならではの迫力があって熱かった。iriはギターも弾けるし、見せ方が多彩。自由に踊らせてくれるムードも指定席のライブに必須の要素だよなぁと改めて。


9位 6.28 Shiki@福岡Early Believers

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ライブがじわりと再始動してきた頃、最初に観たロックバンドのライブ。エレクトロポップを志向するサウンドゆえ、腹にずしりとくるキックや耳を刺すシンセに強く興奮した記憶。当たり前だと思っていたものが奪われる怖さを同時に感じたし、このバンドのどこか儚い質感も合わさって終始涙目で観た。後にも先にもビニールカーテンがステージと客席を隔てたライブはこれ以外なかったけど、その距離感も近未来を感じた。最後の「屋上遊園地」の柔らかな寂しさ含め、あの時期の感傷の到達点かと。


8位 2.7 ROTH BART BARON TOUR 2019-2020~けものたちの名前@福岡the voodoo lounge

深いところまで暖かさが染み込んでくるようなライブだった。マルチプレイヤー揃いの座組で、近いテンションの楽曲を様々な装いで次々と届けられてトロトロになった。三船さんの最後の言葉が印象深く、今なお思い出す。


7位 12.8 ネクライトーキー「ゴーゴートーキーズ! 2020 師走」福岡DRUM LOGOS

コロナ禍の中で生きるロックバンドの姿としてあまりにも正直で、その切実さにずっと胸を打たれていた公演。賑やかな音楽だけれども、直に個の心に届く音楽だからこそ成せたワンマンだったと思う。換気とMCの兼用は発明。


6位 12.27 あいみょん TOUR 2020 “ミート・ミート” @マリンメッセ福岡

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2020年最後に行ったライブで唯一アリーナで観た。かなり大勢集まっていたし、楽しみと不安が織り混ざった感じだったけどそんな気分をそっと解きほぐしていくようなライブの進行が素晴らしかった。「ハルノヒ」の温かみ、「裸の心」の切実さ、「憧れてきたんだ」のアコギ一発の迫力、「マシマロ」「夢追いベンガル」ではステージ上ですっ転ぶくらい登り詰めたテンション。普段着のままでスターになった彼女のその気ままなパフォーマンスはどこまでも痛快だった。本編最後に奏でられた「さよならの今日に」はずっしりと響き、生の力をくれた。


5位 6.21 sora tob sakana LAST TOUR -夜の部- @福岡evoL by GRANDMIRAGE

6月に入って約4ヶ月ぶりに行ったライブ。ここ数年はこんなに間隔が空くことなんてなかったんでドキドキで胸いっぱいになりながら観た。壊れつつある世界を飛び回るエージェントのように3人のことが思えて仕方なかった。


4位 2.9 カネコアヤノ TOUR 2020 “燦々”<バンド・福岡編>@福岡BEAT STATION

初めてのワンマンライブ。音楽そのもののようにどんどん曲を発していく姿、カネコアヤノがずっと輝いて見えた。バンドの強烈なアンサンブルも印象深いが、これ程までその人自体の凄みに震えるライブってそうそうない。


3位 11.7 UNISON SQUARE GARDEN「USG 2020“LIVE (on the) SEAT”」@福岡サンパレス

完全着席鑑賞、60分という縛りで行われたツアー。制約を制約とせず、楽しみに変えてしまうこのバンドの在り方にやはり感服。「ライドオンタイム」で天まで飛んで、「harmonized finale」に辿り着く、そんな幸せな時間。


2位 11.18 曽我部恵一 ワンマン at 秘密

こんな状況でも生まれた福岡の新たなベニュー、そのこけら落とし。弾き語りでどんどん空間を自分の色に染め上げていくカリスマっぷりをとくと味わえたし、日常を生きる歌の数々は希望をもたらしてくれる。魔法だった。


1位 1.5 NUMBER GIRL TOUR 2019-2020『逆噴射バンド』@Zepp Fukuoka

2020年、最初に観たライブがそのぶん殴られたような衝撃を維持したままでトップに。伝説の目撃以上に、その音そのものにぶっ飛ばされたのが最高の体験だった。あの時、前方エリアに誘ってくれた友人に感謝を述べたい。


ここには書かなかったけど、大阪城ホールで8月に観た「OSAKA MUSIC DAYS!!」は久々の大型イベントで、その感染対策に終始感動しっぱなしだったし、マカロニえんぴつ「ヤングアダルト」にはズビズビ泣いてしまった。やっと乗り越えて辿り着いた楽園のようでね。クラスターを出さずにここまでやってきたライブエンターテインメント業界の偉大さ、行政が軽んじようと我々は一生忘れないと思うし正常化したらめちゃくちゃに行きまくろうと思う。

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