千泉

大陸の仙道と日本の神仙道を基に、現代社会のストレス解消や不眠症対策、各種健康法や気功法…

千泉

大陸の仙道と日本の神仙道を基に、現代社会のストレス解消や不眠症対策、各種健康法や気功法を紹介していきます。 本格的な気功法を学びたい方はDMを下さい。

最近の記事

座法・臥法2

盤座  男性が座るのに適した座法で、あぐらに似ています。始めは普通にあぐらでも構いません。また、半跏趺坐でも大丈夫です。気の巡りを良くしようと考えるならば、下の方の脚を曲げた時に踵を睾丸と肛門の間につけて、もう一方の脚を下の方の脚の上に載せます。やはり見た目は半跏趺坐に似た形になります。両脚の膝は床につけ、下腹を突き出して姿勢を正し、上半身を立てます。こうすることによって、体軸が整い、尾骶骨にしっかりと体重が乗ります。手は握固して膝の上に置きます。  この座法は服気法など、

    • 座法・臥法1

       通常、座る、臥せるというのは、休む時の便宜的な格好でしかないと思われています。しかし、仙道ではちゃんとした行法になります。歩法、座法、臥法のようにきちんとした姿勢を作ることで精神を落ち着け、気の巡りを良くします。  座法  仙道では座法には正座法と倒座法があります。倒座法は逆立ちしてやる方法ですが、少々危ないので本格的に行いたい方は仙人かヨギーに直接習って下さい。  端座  端座は正座のことで、両足の裏に尾骨が乗るようにします。通常の正座と違い、足や足指は重ねずに、両

      • 動作を意識する

         身体を動かす時にはその動かす各部位に意識を向けながら動かします。これは内観の一つです。意識をしっかりとむけることで身体に無理のない範囲で動かすことができます。痛みを感じたり、突っ張ったりするまで行ってはいけません。注意点でも述べたように、身体にお伺いをたてながら身体を動かしていくのが重要です。  痛みを感じるような場合は、痛くない範囲で徐々に動かしていくこと。反対の動きをすることで改善されていきます。また、痛くない範囲で身体を動かし、それを手や壁で押さえることで可動範囲を広

        • 呼吸と動作

           動作を行う時の始めに息を吸いながら始め、吐き終わると共に動作が終わるのが理想です。したがって、運動の速度は呼吸に合わせます。無理をせずに自分が深く呼吸できていると思う範囲でゆっくりと行って下さい。また動作を行っている最中は力んだりせずに、ムダな力を抜いてリラックスする必要があります。  呼吸は鼻から吸って、鼻から吐きます。口から吐いてはいけません。理由は幾つかあります。気を体内に溜めるには鼻呼吸が適している。口呼吸することで口が乾き、津液が出ない。舌が上顎についていないこと

        座法・臥法2

          導引を行う時の注意点

           導引法に限らず、食事法や呼吸法など全ての行法、そして全ての生命活動に共通して言えるのですが、まずは己の身体にお伺いを立てることが重要です。  人間は生物が持っている調整能力があり、本来なら自然と一体化するものです。そして個々の個性に合わせてそれぞれ体格、体質、性別、バイオリズムなどが違ってきます。人間と一括りにしても、全く違う生き物だと考えてそれに合わせた行法を行わなければなりません。  従って、ラジオ体操や太極拳の集団表演の様に、音楽に合わせてみんなが一緒に動く動作は

          導引を行う時の注意点

          気の確認

           体調が優れない時や精神的に参っている時に「元気がない」という表現を使いますが、気が集まって人間の生命活動を行っているのですから、当然その状態では気の巡りが悪いことになります。逆に調子が良い時や気分がいい時などは「元気が良い」と言います。気が充実してそれが外に発露している状態です。注意して頂きたいのは、日本語の元気はそういった身体全体を構成する精・気・神全てを指して言いますが、中国語の元気とは生まれ持った気という意味になり、先天の気とも呼ばれます。食事や採気で得た気は後天の気

          気の確認

          気の働き

           万物は宇宙の根源から生まれてきます。この根源のことを道(dao)と言います。この万物創世の理を老子は「道は一を生じ、一は二を生じ、二は三を生じ、三は万物を生じる」としています。  これを陰陽太極理論を踏まえて噛み砕いて説明すると、道という根源である存在から、一元的な働き(エネルギー)として気が生じ、それが天地陰陽を生じ、その中で精・気・神の三つの要素が生じたということです。現在存在しているモノ・コトは全てこの三要素によって構成されています。  ここで言う「精」とは生命エ

          気の働き

          病は気から

           気は万物を構成する要素です。中国大陸には昔からあった考え方ですが、いずれ科学的に解明されるものだと思われます。そして、量子力学の学者ボーアやシュレディンガーが陰陽太極理論に傾倒したことから類推すると、科学ではまだまだ分からないことがあり、むしろ抽象的ではありますが、古くからある東洋思想の方が的を射ている場合が多いからだと思われます。  仙道の行を行えば、気が存在することは誰でも体感できます。いわゆる武術で用いられる気や気功治療で用いられる気などでも体感できますが、仙道の行の

          病は気から

          実際の導引

           導引というのは、古代中華大陸で研究、実践されてきた養生術で、皮膚を摩擦したり、叩いたり、指圧したり、身体を屈伸させたりすることによって体内の気の流れをスムーズにする方法です。気功法やマッサージ、ストレッチの元とも言えます。  紀元前からヨガや道教をベースとして行われており、漢の高祖劉邦の軍師である張良が若いころから亡くなる時まで行っていたと言う説もあります。一番古いもので形として残っているのは三国志演義で有名な華佗が考案した五禽戯です。華佗は、「人体はなるべく動かすのが

          実際の導引

          導引とは

           仙道行法の第一歩と言えるのが斎戒(養生)です。日本語で斎戒と言うと、沐浴や禊を思い浮かべる方が多いと思います。実際に日本では身を浄めるという意味があり、神道や修験道では人間とは不浄なものであるから、神前に出る前に身を浄め、飲食を慎むとしています。その為、神仙道では沐浴して水と塩のみを摂取するなどと言う流派もあるくらいです。  しかし、仙道で斎戒とは、普段の生活習慣によって歪められた身体や気、血を本来の人間の形に戻すことを言います。  このように、日本と中国で同じ漢字を用いて

          導引とは

          修行に際しての心得

           具体的な行法について言及する前に、仙道の行法を習得して道(dao)との合一を図るのに、必要な心得を述べておきます。それは「求めず」「急がず」「怠らず」「楽しく」「焦らず」です。何らかの武術やスポーツをやった方には理解しやすいことですが、そういった経験のない方には肝に銘じておく必要があります。  求めず:求めずと言うのは行法の効果を始めから期待しないことです。一般に仙道、気功法、導引術を指導している人は「足の導引をすれば血流が良くなる」とか、「站樁功をすれば万病に効果があ

          修行に際しての心得

          仙道の独習

           仙道では気功法や武術と同様に、「良師は何年かけてでも探し出せ」と言われています。それほど始めの導き手は重要になります。ただし、気功法や武術と違い、仙道は元々道教の側面も持っていた為、道士が山奥に住んでいる場合が多いです。その上、文化大革命で一度弾圧されたので、人目に付くような場所にはいないことが多いです。  今ではネットでオンライン教室も多くありますが、9割が偽物、もしくは詐欺師です。ネットはいい加減な情報が多いですが、仙道、気功法、武術に関してはもう一つ重要な要素がありま

          仙道の独習

          気功法と太極拳

           前述したように、現代の高度な情報化社会において、瞑想やマインドフルネスが見直されるようになってきました。と共に、気功法が中国、日本以外でも取り沙汰されるようになってきました。気功法は仙道の導引術と吐納術(呼吸法)を中心としたもので、仙道の分派と言っても問題ないと思います。しかし仙道は道(dao)との一体化という生き方や考え方全てを修めるのに対して、気功法は健康法や武術、超能力の活用になっている流派が多いです。まずその点が大きな差異になります。  仙道は元々は老子、荘子の

          気功法と太極拳

          思少

           思少は、考え事をし過ぎるなという注意です。特にネガティブな思考に陥っている時は無駄な考えに囚われないことが重要です。そうした無駄な思考は精神を疲弊させ、やがて身体にも影響を与えます。  そもそも人間の思考は非常に無駄が多いです。座禅や座功をやった人には分かると思いますが、人は次々と雑念を自分で生み出し、そして考えていたことから離れた思考や妄想をします。そうした思考の無駄を削り落としていくのが座禅であり、站椿功のような静功での精神状態になります。  現代はインターネットに

          言少

           言少というのは、話すのを減らすことです。仙道では言葉を減らすという考え方ですが、実際に声を出すと言うのは非常に力のいる行為です。歌を歌うと分かると思いますが、体内の元気を消耗します。それだけでなく、おしゃべり過多は免疫力の低下や赤血球の減少をすると言われています。  修験道では「目は二つ。耳も二つ。口は一つ。話すのは見聞きしたことの半分にせよ。」という言葉がありますが、もっと正確に言えば入ってくる情報は目が二つ、耳が二つなので、話すのは四分の一以下にするべきです。  ま

          三少法

           仙道の心得として食事を減らす、言葉を減らす、考えを減らすという三少法があります。  食少  食少とは食事の量を減らすことです。食事の量を減らすことで消化器官への負担を減らし、休ませるために食事を減らします。その為、仙道では吃飯法という時間を定めた食事法を行います。また、時々、プチ断食をして胃腸を休ませることがあります。これらは吃飯法で詳しく説明します。  もう一つの目的として、食事の量を減らすことによって気の循環を円滑にします。ちゃんとした気功法を習ったことのある方は「