三少法

 仙道の心得として食事を減らす、言葉を減らす、考えを減らすという三少法があります。
 
 食少
 食少とは食事の量を減らすことです。食事の量を減らすことで消化器官への負担を減らし、休ませるために食事を減らします。その為、仙道では吃飯法という時間を定めた食事法を行います。また、時々、プチ断食をして胃腸を休ませることがあります。これらは吃飯法で詳しく説明します。
 もう一つの目的として、食事の量を減らすことによって気の循環を円滑にします。ちゃんとした気功法を習ったことのある方は「満腹時に気功法を行ってはならない」という指導を受けたと思います。これは、胃腸に溜まっている未消化の固形物が気の循環を阻害するからです。その為、気功法を行う時は満腹の時を避け、また何か口にした後はよく歯磨き、うがいをして臨むべきです。気功法は仙道の導引術から派生したものですから、この注意点も引き継がれています。

 しかし断食するのも良くありません。当然ながら人間の生命活動は食べたものによって構成されているのですから、食事をしないことにより外から気を取り入れないという選択肢もありません。むしろ行法を行う上ではある一定以上のカロリーが必要になります。これは実際に行法を行えば分かることですが、特に始めの頃は大量の気を消費します。その為、食事で後天の気を補ってやらなければなりません。服気法を学ぶまでは、生気の多いものを選んでしっかりと食べる必要があります。
 最終的には気で身体を養うようになると、肉体が受け取る気は食べ物のように不純物を含んだものではなく、精妙な気だけを選別して受け取れるようになり、身体を強化してくれます。その境地が餐霞の法と呼ばれ、いわゆる「霞を食って生きる」ことにより、肉体を精体へと変化させた状態をいいます。

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