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オーソンとランチを一緒に

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キネマ旬報映画本大賞2022第1位『オーソンとランチを一緒に』(オーソン・ウェルズ/ ヘンリー・ジャグロム ピーター・ビスキンド編/ 序文 赤塚成人訳)にかんする記事
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2022年 映画本回顧放談

2022年 映画本回顧放談

 2021年のこと。新刊映画本情報が少なすぎるという苛立ちから、ぼく(=髙橋)とパートナー(=山本麻)は「毎月、その月あるいは前月に刊行された新刊映画本を5冊読む」ことに決め、「月例映画本読書録」と題してクロス(ショート)レビュー方式で紹介していく……という習慣をnoteで始めた。にもかかわらず情けなくも、掲げられた「月例」の言葉むなしく、1年と経たずに更新遅滞が常態化し、ついには途絶えてしまった

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キネマ旬報 映画本大賞 2022 第1位『オーソンとランチを一緒に』訳者あとがき

キネマ旬報 映画本大賞 2022 第1位『オーソンとランチを一緒に』訳者あとがき

 キネマ旬報映画本大賞2022 (同誌2023年4月上旬号発表) で第1位に選ばれた小社刊『オーソンとランチを一緒に』。受賞を記念して、翻訳編集の赤塚成人による「訳者あとがき」を公開します。図版は note のために、特別に用意したものです。

 本書はピーター・ビスキンドが編集したMy Lunches with Orson: Conversations Between Henry Jaglom

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いまだにウェルズは『市民ケーン』の脚本を書いていないと信じるあなたに

いまだにウェルズは『市民ケーン』の脚本を書いていないと信じるあなたに

 ポーリン・ケイルが1971年「ニューヨーカー」に発表した「Raising Kane」(「スキャンダルの祝祭」の邦題で知られる) は、オーソン・ウェルズが『市民ケーン』の脚本クレジットを独占しようとしたとする舌鋒鋭い批判で知られ、『マンク』(2018)で蒸し返されたこともあり、彼の没後38年となる2023年になっても、遍く世に知れ渡っています。

 しかし、1978年に映画史研究者であるロバート・

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デイヴィッド・リンチ『大きな魚をつかまえよう』刊行10周年 翻訳 赤塚成人(ペンネーム 草坂虹恵)さんインタビュー

デイヴィッド・リンチ『大きな魚をつかまえよう』刊行10周年 翻訳 赤塚成人(ペンネーム 草坂虹恵)さんインタビュー

デイヴィッド・リンチ監督が超越瞑想(TM)の効用と自らの創造性を語った『大きな魚をつかまえよう』(四月社刊)。2012年本書を刊行した翻訳の赤塚成人さんに、かつて出版を決めた経緯やこれまでにあった反響を取材しました。今年になって瞑想を始めた赤塚さん。そのきっかけとなった『オーソンとランチを一緒に』(さる3月20日に発表された「キネマ旬報 映画本大賞2022」で第1位)出版のご苦労と、始めてみて気づ

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