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【映画note】『哀れなるものたち』主演エマ・ストーン

趣味を謳歌する。月に1回は映画館で映画を見る。昨年作った「ドリームツリー」に書き記した。1月は役所広司主演の『PERFECT DAYS』を観た。

今日はTOHOウエンズデーの日。映画鑑賞料金、大人2,000円のところ1,300円だ。エマ・ストーン主演の『哀れなるものたち』をTOHOシネマズ六本木ヒルズに観に行った。

妊娠した女性(エマ・ストーン)が橋から身投げする。幸か不幸か天才外科医のもとに運ばれ、脳死状態だったが身ごもった胎児の脳の移植をされる。大人の女性の身体に子供の脳を持つ、天才外科医の実験用人間「ベラ」として生き返る。父である天才外科医、そしてベラに関わっていく男たち。目まぐるしいベラの成長と経験、ベラの冒険物語。

まず、モノトーンの映像とわざと音程を外した不文律な弦による音楽から始まる。その効果のせいか、カラーへと画像が変わるとベラの精神的な成長とともに美しい映像に惹きつけられる。大人の身体を持ちながら、幼稚な欲求を素直に態度で示すギャップの違和感と、本能と本音で生きようとする姿の気持ち良さとが交錯する。脳の成長の著しさから哲学を語りだすところも面白い。

「生きる哲学」「フェミニズム」「父と娘の愛」がこの映画のテーマだろう。「理性」は「環境」によって時間をかけて作られるものだと思った。

ベラが自分の気持ちに素直に生きていて、男に屈しない姿も良かった。最後の展開は、悪い人間に罰が与えられるのはいいのだが、今の科学と医療技術を考えると近い将来、本当にあり得るのかもしれない、という怖さも感じた。

主演エマ・ストーンの本気度と演技の素晴らしさが伝わってきた。性描写も多いのでファミリーで観に行くのはちょっと…という感じではあるが、カップルで観に行くのは良いのではないか。

本編を観終わった後の「エンディング・ロール」がアートだった。

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