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ミステリ、見つけり

『ロスト・ケア』あたりからふつふつと久しぶりにミステリにハマっていった僕である。やっぱり、どんでん返しがないと、読む意味ないよね!みたいな極端なことを言ってはその実、それを遂行し、ま、他にも色々読んでいる僕である。

もちろんどんでん返し以外も読んでいる。(そう伝えておかないとどれがどんでん返しだかわかってしまいつまらないからね。しかしまあ最近は帯なりカバーなりに、”あなたは2度驚く!”とか”こんなすごいどんでん返しみたことない!”などが書かれ包まれているのであまり意味がないといえば無いのだが。ま、多少は)
本を読むくらいのことしかしていないのだが、惰眠よりはマシだろ、と少し春眠に抗って有意義な休日を過ごしている素敵な僕である。

鹿田です、よろしくね。
どこまでnoteで話したかは忘れたが、とにかくロスト・ケア慟哭この闇と光…と読み続け、読み終わるごとにますます欲す、美しいミステリ曲線は、下降することなく天を向き、両手を広げて本を抱きかかえようとしている。僕のことであるのでいつふつっとその線が切れるかはわからぬが、とりあえず今は最高潮に本を楽しんでいる。ミステリっていいなぁなどよだれを垂らしつつつぶやいて。

絶叫

その後は再び葉真中顕さんの本に手を付けた。その本の名を『絶叫』というがこれがまた凄まじく、読後直後はとても感想など言い表す事ができないくらいであった。小説のラストが凄まじく、またそれがタイトルの所以でもあるのだが、とにかくすごい。ミステリとしてもよくできていて、あそうか、あそこにでていたあの人はあの人だったのか。とするとあのページで語られていたあの人の言葉はあの人の本心だったのだな、この小説の核だったのだななどいろいろ散りばめられたヒントがあとからわかるのも面白い。それに、それは偶然かと思うのだが、そのページ数が…。しかしハードカバー→文庫だったはずだし、そこまではないかと思いつつも、とにかく興味深く読めた1冊だった。

七回死んだ男


その次に読んだのは西沢保彦の『七回死んだ男』で随分評判が良かったので気になって読んでみたが面白かった。とにかく軽いテンポで物語が進んでいる。あらすじを簡単に伝えて見るなら

祖父が殺されるのを防ぐため、タイムリープの特殊能力をもつ孫がその力を利用して悪戦苦闘する物語。

である。
もう少し詳しく言うと、毎年一度正月に一泊する本家に祖父がいる。祖父は莫大な資産を持っているのだが、そのみんなが集まった夜、祖父は今夜遺書を書くという。実はその遺書を書くのは毎年恒例になっており、去年も、一昨年も誰か一人がその遺書には書かれていた。体調を崩している祖父なので、もしかしたら今年が最後になるかもしれない。
そしてその夜。祖父は何者かに殺害されてしまい…。

祖父を救うべく、孫である主人公が同じ日を繰り返し祖父が死なないように悪戦苦闘するのだが、さてさて。
と言った内容で、まあ兎角だんだん浮き彫りになっていく真実があったり、そして前述のとおり、なんとも軽く物語が進んでいくので読みて自身も軽く読めてしまう。時間のある時読み進めるのにもあっている小説である。

カラスの親指

つづいてはミステリ好きなら誰もが通る道、かもしれない道尾秀介『カラスの親指』である。
僕は実は最初に読んだ道尾秀介作品が『向日葵の咲かない夏』で(なぜそれを最初に読んだかは、皆様の察する通りであります)、その(うへえ~…)という読後感に敬遠してあまり手にとることがなかった。数年前『龍神の雨』、みたいな小説が気になって一冊読んだ切りである。
しかし困ったことに評価が高く、感想を読むとみな口を揃えて「読め!読め!」というので、まあ、夏も近いことだし多少イヤミスであってもしかたない。読むか!と勢いをつけて購入し読んだわけなのだが。
読後の感想は「いりゃー参りました、あっぱれ。たしかにこれは人に勧めたくなる。ひゃー、あー○○った!」とTwitterでつぶやいている。

〇〇になにが入るのか皆さん気になることでしょう。
読んで後悔は絶対しない!
鹿田が保証する!
ぜひ読んでみてくだされ。

星降り山荘の殺人

次に読んだのは倉知淳著『星降り山荘の殺人』である。これはミステリのランキングをあちこちの記事を読んでみても入っていたので、とりあえず読んでみようと、購入した。この小説は独特で所々のポイントに作者の注釈が入る。例えば「ここで探偵が登場する。しかし今夜事件はまだ発生しない」
みたいな。
はじめはなんだか読むテンポを混乱させられて嫌だったのだが、まあ慣れれば味になる。そしてそれが…。
とま、あとは読んでみてください。

ソロモンの犬

そして昨日読み終えたのが再び道尾秀介で『ソロモンの犬』である。だって、ほんとカラスの親指が最高すぎてさ、読みたくなってしまったのだもの。
めんどくさいのであらすじをそのまま抜粋する。

秋内、京也、ひろ子、智佳たち大学生4人の平凡な夏は、まだ幼い友・陽介の氏で破られた。飼い犬に引きずられての事故。だが、現場で友人の不可解な言動に疑問を感じた秋内は動物生態学に詳しい間宮助教授に相談に行く。そして予想不可能の結末が…。青春の滑稽さ、悲しみを鮮やかに切り取った、集英の傑作ミステリー。

道尾秀介 ソロモンの犬

様々な人間模様が浮き彫りになり、また間宮助教授の知恵によって、なぜその飼い犬は走り出してしまったのかが明らかにされていく。そして最後に待ち受けるのは…。

ミステリであるのだが。ほんとにここにはひと夏の青春があり、登場人物たちの生々しい生き様がある。色んな意味で僕はこの本が好きになった。
そして言わずもがな舞台は夏なのである。夏なのである。夏なのである。

ま、そんな感じで読書にふけっては夏を感じる鹿田でありましたとさ。明日にはアマゾンから柳広司『ジョーカー・ゲーム』、米澤穂信『儚い羊たちの祝宴』が届く予定である。今から楽しみで仕方ない鹿田です。

では、というわけで、また。

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