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【詩】あまだれあしあと

窓の外の雨だれは 子守唄

とん たん とん たん

わたしの心を優しくたたく

たん とん たん とん

わたしの眠りをゆっくり誘う



遠い遠い あの日の晩に
誰かが
わたしの背中をたたきながら
唄ってくれたのとおなじ
安らかな時間の記憶が
まどろみに重なる

寄り添って守ってくれた、温もり






…… トン、タン、トン、タン

シーツを上を軽くたたいて


タン、トン、タン、トン


指先が遊ぶ音



薄目を静かに開けてみると
あなたが
わたしの隣で寝そべりながら
指をゆっくり上げては下げて
あまだれの音をなぞりながら
静かに微笑む

寄り添って守ってくれる、温もり



わたしも一緒に
指先でリズムを重ねる


トン、タン、トン、タン
タン、トン、タン、トン


耳でとらえたあまだれの音に
ふたりでそっと 呼吸を合わせて

トン、タン、トン、タン
タン、トン、タン、トン


心地いいこの時間を
永久にと願えば

あまだれが、
未来へ続くあしおとに変わる

寄り添ってふたりで一緒に歩く、
あしおとに変わる





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