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緑の春と奄美

春の象徴は淡い色だと思っている。

土から生まれる新芽はうすみどり。
うぐいすもうすみどり。
ソメイヨシノはうすもも。

なんだかぽやぽやして
パステルな世界が春だ、と。

みんなそう思っている。

私もそんな春の世界観が好きだと思う。
「春」という言葉がもっている、ふわふわは素敵だ。

でも、ここ奄美では残念ながら、
春のぽやぽやもふわふわもあまり味わえなかった。

淡い桃色のソメイヨシノの代わりに、

桜です!!!見てね!!!!

と言わんばかりのヒカンザクラが開花。

うちの庭の子。

やさしくほほ笑みかける上品なソメイヨシノに比べて
120%の笑顔をこちらに向けるヒカンザクラ、
もはや爆笑、という雰囲気を纏うパワーの強さ。

とは言っても
実は、彼女たちを見ることができるのは2月中旬。

お花見をしようとしたら
寒くて風邪をひきそう。花より暖房。

しかも

「お願いだから春に咲いてください」
「卒業式で舞ってください」

という私たちの思いは無視して
今年も早々に散ってしまった。


じゃあ春には誰が残るの?

それがこちらの緑たち。
それも濃い緑。

わさわさガジュマル。
伸びかけパパイヤ。


卒業式で見ることができるのは緑の葉桜。

ぴかぴか葉っぱの桜。


ぽやぽやもふわふわもない「緑」
を愛するのが奄美の春。

ちなみに、
学校に生える木のなかに好きなのがいて
それがこのからあげの木なのだが、

画質が悪くてごめんなさい。


彼らは秋までの間に
もっさり髪の毛を伸ばし

秋の途中で
ばっさり坊主にされて、からあげ風になる。

おそらく葉っぱが落ちると掃除が面倒だからだろう、
背の高いクレーンが来て、ばっさり、さっぱり。


そのまま寒々しい頭で冬を迎え
(ニット帽でも被せてあげられたらいいのにね)


春が近づくと、ぽっ、と芽が出て
3月には小さな緑のアフロになる。

からあげからブロッコリーに昇格した彼らも、
私たちの春の一部分。


ぽかぽかやわらかい日差しと桃色の世界
優しい風が新たな1年を励ましてくれる
なんていうイメージは、ここでは叶わない。

存在感のある緑色の春は
少し元気すぎる気もする。

でも、
思いっきり鮮やかに背中を押してくれるくらいが
島らしくてちょうどいいかもしれない。

と思ってしまう、奄美の季節を好きな私がいる。

きくらげです。またね。

最近すきな所。いつもさらさら〜ってしてる。

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