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広がる自律移動向け情報の取得手段: ターゲットラインペイント

広がる自律移動向け情報の取得手段: ターゲットラインペイント

 最近の自律移動ロボット (AMR) をはじめとした自立移動機器において画像処理を中心としたコンピュータービジョン技術の活用が加速しています。ナビゲーションやマップ作成 (SLAM) に LiDAR の利用が主流ではあるものの、LiDAR はハードウェア性能依存が高く、ソフトウェアでの処理には限界があるのに対し、可視光をはじめとした画像処理はカメラ素子の性能にある程度依存はするものの、ソフトウェア

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国際宇宙ステーションを救え!- 第4回Kibo-RPC開催

国際宇宙ステーションを救え!- 第4回Kibo-RPC開催

 先日月軌道に到達した日本のベンチャー iSpace の HAKUTO-R Mission 1 をはじめ、JAXA の新しい宇宙飛行士 2名も発表されるなど、日本の企業・団体による宇宙ミッションが活発になってきていてワクワク感上昇中です!
そして今年第 4回となる JAXA が主催する「きぼう」ロボットプログラミング競技会 (Kibo-RPC) が NASA の協力のもと今年も開催されます。2月に

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Amazonのホーム セキュリティ アプローチ:「Astro」ホームロボット

Amazonのホーム セキュリティ アプローチ:「Astro」ホームロボット

 米Amazon が 2021年のハードウェア イベントで発表した「Astro」ホームロボットが一般発売前にもかかわらず進化しています。
Astro は宅内を自走する「Alexa」といったパッケージの製品でしたが、昨年 (2022年) 9月に同じく米Amazon が提供する「Ring」ホーム セキュリティ システムとの統合が発表され、家の中を動き回って部屋や玄関、窓などを監視し、開けられたらアラー

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ROSコミュニティで存在感を増す NVIDIA

ROSコミュニティで存在感を増す NVIDIA

 最近 NVIDIA がオープンソース プロジェクト ROS のコミュニティで存在感を増しています。昨年(2022年) 10月に京都で開催された ROS の年次イベント ROSCon 2022 において NVIDIA は Isaac ROS の最新版である Developer Preview 2 (DP2) を発表しました。ROS2 向けの機能が拡張されているのに加え、特に注目しているのは AMR

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異なるメーカーのロボットを統合し運用管理するインフラ - AWS IoT RoboRunner

異なるメーカーのロボットを統合し運用管理するインフラ - AWS IoT RoboRunner

 米AWS は昨年11月に開催された AWS re:Invent 2022 において、Amazon が自社の倉庫で利用しているようなロボットフリートを運用するために必要なフリート管理アプリケーションを構築するためのインフラを提供する新サービス「AWS IoT RoboRunner」を発表しました。AGV (無人搬送車) や AMR (自立移動ロボット) をはじめ、ロボットアームも含めた異なるメーカ

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加速する Amazonのホーム市場アプローチ -「Roomba」の iRobot買収を発表

加速する Amazonのホーム市場アプローチ -「Roomba」の iRobot買収を発表

 先週の金曜日 (米国時間 2022年8月5日) に米Amazon が、規制当局の認可待ちではありますが、ロボット掃除機「Roomba」の iRobot社を 17億ドル (約2300億円) で買収すると発表しました (「アマゾン、「ルンバ」のアイロボット買収」、Impress Watch)。米Amazon にとっては家庭内の機器をインターネットでつなげて暮らしを便利にする「コネクテッド ホーム」関

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米国で進む農業のデジタルツイン化

米国で進む農業のデジタルツイン化

 今年(2022年) 年明け直後に 2年ぶりにラスベガスで現地開催された CESはモビリティやヘルスケア分野など中々面白い内容だったと思いますが、皆さんはどんなところが気になったでしょうか?自分では農業分野(Agriculture、AgTech) の DX化がとても気になりました。特に近年 John Deere社の活動に注目しています。

 米国の農場は規模が非常に大きく、見渡す限り畑という光景も

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サブスクリプション化が進む物流ロボット ビジネス

サブスクリプション化が進む物流ロボット ビジネス

 最近物流ロボットメーカーとして世界的に勢いを増してきた 2015年に北京に設立されたギークプラスは、今年(2022年) 4月より作業数量に応じて利用料金を徴収する従量課金サービス(Geek+ Logistics as a Service) を日本で開始します。物流ロボットの従量課金サービスは米国でも登場し始めてはいますが、まだ広がってきている印象は薄いのが現状です。物流現場においてロボットを所有

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長期間海上を自律航行して海洋データを収集するロボット「Saildrone Explorer」

長期間海上を自律航行して海洋データを収集するロボット「Saildrone Explorer」

 最近宇宙ビジネスが活発になってきていますが、地球上でも様々な開発が進んでいます。例えば地球の 7割を占める海洋ですが、人が日常的に住めないこともありまだ知られていないことが数多く存在します。そんな海洋ビジネスに取り組んでいるのがシリコンバレー北東部のオークランド市に 2012年に設立されたスタートアップ Saildrone社。Saildrone社は自律航行するドローン船「Saildrone Ex

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方向性を模索する米国AMRメーカー

方向性を模索する米国AMRメーカー

 先月(2021年7月) 1日にシリコンバレーの自律移動ロボット(AMR) メーカーのベンチャー Fetch Robotics社の、サプライチェーンなどの自動化に取り組むイリノイ州の SIer、Zebra Technologies社による買収が発表されました。Willow Garageから独立し AMR市場をリードしてきたシリコンバレーのベンチャーの買収はとてもショッキングでした。Fetch Ro

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AMRメーカー同士の差別化が激化する米国AMR市場 (ProMatDX)

AMRメーカー同士の差別化が激化する米国AMR市場 (ProMatDX)

 パンデミックの影響で様々な業種において自動化が急速に進んでいる米国ですが、最近去年とは異なった動きが出てきているように感じています。この数年、Amazonに刺激されて商品が翌日に届くのも珍しくなくなってきましたが、最近の消費者はさらに短時間で商品を手にすることを望んでいるようで、オンラインで注文し、在庫のある店舗に自分で受取にいくケースが増えてきているようです。米国では店頭に車で乗り付け商品を受

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普及に向けた新たな取組みが加速する米国の配送ロボット - Tortoise

普及に向けた新たな取組みが加速する米国の配送ロボット - Tortoise

 最近日本でも路上を走行するデリバリーロボットの実証実験の話題をよく耳にするようになりましたが、米国でも昨年からのパンデミックの状況において様々な取り組みが進んでいます。自動車に自律走行機能を実装したものから歩道を走行する小型の自律走行ロボットなど大小さまざまなものが使われていますが、最近は実用化を前提とした展開が進み始めています。シリコンバレーの Tortoise社はラスト・ワンマイルと呼ばれる

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音を使ってロボットの知覚を改善 – Carnegie Mellon University

音を使ってロボットの知覚を改善 – Carnegie Mellon University

 昨今ロボットは視覚(Computer Vision) や触覚(Haptics) などを急速に取り込み進化を続けています。人は日常五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚) を使って様々な事象に対処しており、ロボットがより人に近い判断をするためには人と同じ情報を得る必要がありますし、新たな感覚を得ることで今までロボットが苦手としている作業もスムーズにこなすことが可能になる可能性があります。この五感の中で

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AMRの利用者からみた ANSI/RIA R15.08 産業用
AMR 安全規格

AMRの利用者からみた ANSI/RIA R15.08 産業用 AMR 安全規格

 昨年末にリリースされた ANSI/RIA R15.08 パートI は産業用AMR (IMR: Industrial Mobile Robot) のメーカーを対象に、IMR が稼働 する同じ空間で働く人の安全を確保するために IMR メーカーが考慮しなければならない要件を標準化し ています。R15.08 は配送倉庫や製造現場など管理され た特定空間で IMR を利用することを前提としており、ある

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