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時がつくる建築 リノベーションの西洋建築史【東京大学出版会】

加藤耕一 著
四六判/372頁/3,600円+税

建築の長い歴史からみれば,既存建築の再利用(リノべーション)はきわめて重要な建築的創造行為であった.西洋建築史にみられる数々の既存建物の再利用の事例や言説を読み解きながら,スクラップ&ビルドの新築主義から脱却し,より豊かな建築とのつきあいかたを示す.

新しい都市や建築の建設が主流であった20世紀の成長時代に対し,現代は人口減少や空き家増加などの問題を抱える縮小時代である.
この変化とともに,既存ストックを活用するリノベーションプロジェクトは増えている.しかし著者は,これは現代特有の動きでなく,歴史に残る多くの建築が,既存建物を読み取り,そこに改修・増築することによって生まれたことを,古代から現代までの事例とともに紹介.

「再利用」「再開発」「文化財の修復/保存」という3つの建築行為が文化を築いてきたことを示し,時間軸の中で建築をつくる意義を提示する.(n)



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