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怒りを抑えるために相手の事情を想像する

今回は、「怒り」を抑える方法を一つ紹介します。
 
 
私たちは生きていますと、人との関わりは必須になります。
(言うまでもないですね)
 
そうすると、当然人との間での嫌な思いもします。
自分に非はないのに責められたり、怒られたり、傷つけられたり。
 
私たちは感情のある生き物ですから、先ずは心が傷つき、反応として怒りが湧きます。
 
しかしながら、いつまでも自分が怒り続けていても物事は解決もスッキリもしないことがあります。
そのような時は、自分で自分の怒りを抑えることができると良いですよね。
 
私も生活していると、ときどきそういうことがあります。
どのように対処しているのか、その一つを紹介します。
 
理不尽に人から嫌な思いをさせられた時に心を落ち着かせるヒントになればと思います。




怒りを抑えるためにしていること。
 
それは、勝手に相手の事情を想像することです。
 
理不尽なのは理不尽だけど、
「相手にも何かしらの事情があるんだろうな」
 
と勝手に想像を巡らせて、自分で納得に持っていくのです。
 
そんな・・・
相手に怒りをぶつけ返してスッキリしたいよ~
 
と思うかもしれませんが、そうもできない時ってあるじゃないですか。
 
 
相手の事情を想像する。
例えば、よくこんな場面があります。
 
朝通勤中の混んでいる電車の中で、すごい勢いで人を押しのけて移動してくる人。
 
身体がぶつかった時に「おい」って心の中で声が出ます。
しかし、良く相手を見てみると、程度の強そうな発達障害や自閉傾向がありそうだなと思うことがあります。
 
一応私は心理師なので、ひと目で気がつきます。
 
すると、一瞬で「そうか」と思って怒りはなくなります。
 
この人の事情があるんだなと想像します。
僕たちと同じように通勤中で必死さが顕著に出ているんだろう。
いつもの定位置を目指してパニック気味の状態なのかな。
 
 
話が変わりますけど。
アルバート・エリス(Albert Ellis)が提唱した「論理療法」があります。
その中で「ABC理論」という中心概念があります。
 
A:Activating event 出来事
B:Belief 信念(受け取り方や感じ方)
C:Consequence 結果(感情や行動)
 
(A)出来事があって、(C)結果があるのではない。
(A)出来事があって、その間に(B)受け取り方や感じ方による解釈があって、(C)結果がある。
 
という考え。
 
Bの所が特に重要で、どのような心持ちで受け取るかで、自分の反応や行動は決まります。
 
人はどのような出来事に遭遇しても、自分で反応を選ぶことができるのです。
 
 
対人場面で嫌な思いをした時。
私はこのBに当たる所を「相手の事情を想像する」ことで対処しています。
 
 
人から怒りをぶつけられるということは、仕事をしているとありますよね。
接客のお仕事やクレーム対応、学校の保護者対応などなど。
 
正当な理由で怒られて、「ごもっとも」とめちゃくちゃ反省する時もあります。
一方で必要以上に怒られる、理不尽すぎる時もあります。
 
そのような時に怒りに対して怒りで返せば、おさまりが着かなくなることは明らかです。
 
それなら、勝手に相手の事情を想像してみましょう。
 
他(職場、家庭など)ではうまくいっていなくて、感情を吐き出したいのではないか。
誰かに怒りをぶつけられ、自分の怒りを立場の弱い人間にぶつけることで解消したいのではないか。
「ここに来るまでに、きっと、こうこうこういうことがあって、しかじかで、大変なことがあって」
 
勝手に相手のストーリーを想像するなどして。
 
すると、自分は怒りを感じなくて済み、自分の行動を自分で選ぶことができます。
 
このような対処の仕方があっても良いと思いません?
 
自分の感情や行動をコントロールするために、相手の事情を想像してみてはいかでしょうか。
 
 
 
今回は、怒りを抑えるために相手の事情を想像する、という話でした。
 
 
最後までお読みいただきありがとうございました。
 
 
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小林いさむ|公認心理師

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