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トレーニングとしてのデッドリフト

noteをご覧いただきありがとうございます。

今回は、トレーニングとしてのデッドリフトについて書いていきたいと思います。

“トレーニングとして”とタイトルにつけたのは、競技種目として記録を狙うデッドリフトではなく、身体に負荷をかけるためのデッドリフトに焦点をあてているためです。

ベンチプレスの記事でもふれていますが、記録をだすためには余計な負荷をかけたくはありません。

しかし、身体を強くするためには狙った負荷をかける必要があります。

解説

デッドリフトには、大きく分けて2つのフォームがあります。

コンベンショナルスタイルと呼ばれる手幅より足幅が狭いデッドリフトと、スモウスタイルと呼ばれるワイドスタンスのデッドリフトです。

今回は、前者のコンベンショナルスタイルをメインに取り上げたいと思います。概念的なものは詳しくありませんが、いわゆる一般的なデッドリフトだと考えてください。

特性

デッドリフトは、上体(骨盤)が前傾することで背面(上半身、下半身含む)の筋肉に大きな負荷がかかります。

お尻やハムストリングスが主なターゲットになりますが、身体を支えるために体幹部も強烈に頑張ることになります。

また、高重量のバーベルを腕で保持しているため、手から背中にかけても大きな負荷がかかっています。背中にもダメージがでるのは、これが理由です。

この負荷のかかり方は、身体が前傾することでより強くなります。スクワットとの差別化をはかるためにも、上体の前傾は重要な要素になります。

デッドリフトからの派生

デッドリフトには派生する種目がいくつかあり、どれもたびたび登場する優秀な種目です。

代表的な種目としては、ルーマニアンデッドリフト(以下RDL)とシングルレッグデッドリフト(以下SLDL)があげられます。

RDLは従来のデッドリフトに比べ膝の屈曲が小さく、よりハムストリングスに負荷をかけることができる種目です。

最大の利点は、上記のとおり伸張性の負荷がハムストリングスにかかることです。

これがアスリートの傷害予防に一躍かっており、デッドリフトよりも重量を落とせることから登場回数も多くなります。

重量を落とすことで、スクワットなど他の種目と疲労度を調整しやすく、同日にも取り入れやすいことが理由です。

SLDLは、片脚になることで不安定性が増しが、重量とは別の負荷を高めることができます。スプリントも含め、片脚で出力する機会の多い競技に有益な種目です。

負荷は自重、ダンベルの他にも、バンドやアクアバッグなど様々なパターンで実施することができます。

不安定性が増せば良いというわけではありませんが、定期的に刺激を変えるためにも何パターンか用意しておくと良いです。

ハムストリングスのトレーニングでいえば、レッグカールは膝関節を起点に、デッドリフト系列の種目は股関節を起点にハムストリングス鍛えることができます。

この違いは、トレーニングの目的を設定するうえで、大きな違いになります。

デッドリフトにおける怪我の予防

デッドリフトといえば “腰を痛める” というイメージが強いのではないでしょうか。

個人的には特別リスクが高い種目だとは思いませんが、下記の項目は気にかけておく必要があります。

1, そもそものフォームにエラーがある
これは誰でも想像がつくことだと思いますが、パターンとしては

・骨盤が大きく後傾する(腰から身体が丸くなる)
・バーベルの位置が身体から遠すぎる(or 近すぎる)
・バーベルを下ろす際に力を抜いてしまう

などが多い印象です。

骨盤が後傾しやすい場合、ハムストリングスの硬さが原因になることがあるので、その時はスタートポジションを高くするなどして対応します。合わせて柔軟性の改善も必要です。

単純に腰が丸くなる場合は、股関節を潰す、太腿の付け根とお腹を引っつけるなど、動きをイメージして実施してみてください。

2, 腰を反りすぎる
バーベルをあげきった際に、腰を反りすぎてしまうことで怪我をすることがあります。

バーベルを挙上しきったところからさらに腰を反ることで、腰椎を潰すような負荷がかかります。前方へ腰が入るような感覚は、できるだけ避けた方が懸命です。

リフトスピードを意識したい場合は、クイックリフトに変更するか、バーベルを挙上することを目的にして(引ききることが最重要ではない)実施するようにします。

3, 強引にあげすぎる
1rep以降、地面に強くバウンドさせることでバーベルを浮かせていると、本来浮くことがない状況でバーベルを保持してしまうことがあります。

また、バーベルの下降時に力が抜けるので、フォームを崩しがちです。可能な限り、下降時もバーベルはコントロールすべきです。

ただし、目的によってはあえてバーベルを落とす(専用の器材が必須)ことで、下降局面を完全にカットすることもあります。

これは、コンセントリック局面に特化したアプローチです。

他にも細かいことはありますが、上記3点は抑えておいてください。

トレーニングとしてのデッドリフト

デッドリフトは、身体の背面の筋肉、体幹部、さらにはグリップなど、鍛えられる部位がたくさんあります。

トレーニングプログラムを組むうえでこれがデメリットになることもありますが、身体を強くするという点においては非常に優秀な種目です。

また、高重量が扱えるため、目的に合わせて様々な負荷を設定することができます。クイックリフト修得においても、原型となる種目です。

スクワットで股関節の屈曲と伸展、デッドリフトで骨盤の前後傾にアプローチすることで、能力の隙間を補いあうことができます。

トレーニングとしての魅力は書き出したらキリがありませんが、今回の内容が少しでもデッドリフト導入のきっかけになれば幸いです。

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トレーニングに関するコラムの配信とプログラムの販売をおこなっています。パーソナルトレーニングほどカスタマイズしないかわりに、ライトなプログラムをたくさん更新していきたいと思っています。よろしくお願いします。